新車情報 VW初の完全EV VW ID.3の全情報!

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VW ID.3(2020): 価格、購入、注文、トレーラー、装備、バッテリー、その他

ID.3はVW初の純粋な電気自動車だ。市場投入に向けて、特別版も存在する。VW ID.3に関するすべての情報!

➤ イントロダクション、市場投入時期、価格
➤ 先行予約(最新情報!)
➤ デザインとサイズ
➤ インテリア
➤ 運転
➤ 装備
➤ バッテリー、航続距離、充電、エンジン

イントロダクション、市場投入時期、そして価格
ID.3は、新しいMEBプラットフォームをベースに作られたVW初となる完全電気自動車だ。このコンパクトカーは、視覚的にゴルフを彷彿とさせ、3つの異なるバッテリーと、それに応じた走行性能を持つ。
ID.3は一回のフル充電で最大550キロの航続距離が可能だ。
また電動モーターは150馬力と204馬力の2つの性能レベルのものが用意されている。
ID.3は2020年半ばに市場に投入される予定で、すでに最初のロット、ローンチエディション(特別仕様車)を注文することができる。
価格についての正確な情報はまだないが、 VWは、ベース価格が30,000ユーロ(約370万円)を下回ることだけは明らかにしている。

事前予約: 3つの機器
2019年5月以降、VWはID.3 “1st”のオンライン予約を受け付けている。1000ユーロ(約12万)の予約金で、ローンチエディションの限定特別モデルを予約することができた。VWによれば、”1st”の生産台数3万台すべてがすでに完売したという。とはいえ、既存の予約は2020年4月までキャンセルが可能なため、キャンペーンは継続されている。

ID.3 “1st”は、3つのバージョンがあり、様々な装備、204馬力と310 Nmのより強力なモーターや58kWhの容量の大きいバッテリーなどが選択できる。
ID.3 “1st”は、ボイスコントロールやナビゲーションシステムなどの快適機能も装着されている。この限定特別モデルの価格は40,000ユーロ(約480万円)弱と言われている。

より良い装備の ID.3 “1st Plus”は、LEDマトリクスヘッドライトを装備され、ツートンカラーの塗装仕上げが施されていて、46,000 ユーロ(約540万円)未満と推定される。
そして特別仕様車 の最上位モデルであるID.3 “1st Max”には、大型パノラマガラスルーフ(VW で現在最大)と数々のインフォメーションを表示するヘッドアップディスプレイ等を追加装備。価格は 5万ユーロ(約600万円)以下の予定。
すべての初版モデルには、特定の充電ポイントでの無料充電が1年間含まれている (最大2000kWh)。

すべての初代ID.3、30,000台はすべて予約済みだ。それにもかかわらず、まだ購入することは可能だ。

デザインとサイズ:

ID.3 は、基本的にゴルフのシルエットを採用しているが、エアロダイナミクス的には最適化されている。
例えば、フロントのラジエーターグリルがなくなっている。その代わりに、ヘッドライトから始まる2本のLEDストリップが、左右のVWロゴを縁取っている。ヘッドライト自体は、750ルーメン光源をもつマトリクスLEDで構成されている。
サイドビューでは、Cピラーの菱形の模様がデザインのアクセントになっている。充電接続口は、従来のVWモデルの燃料フィラーキャップの位置にある。
リアでは、ダークガラスのテールゲートが印象的だ。テールゲートは三方が空力的な要素で縁取られており、下部の照明デザインはフロントと似ている。
VWの新しいデザイン言語の典型的なID.3の文字は、ロゴの下に一文字で書かれている。
ID.3 のサイズはこれまたゴルフを彷彿とさせるもので、全長は 4.26m、全幅は1.81m、全高は1.55mで、まるでゴルフのようだ。しかし、ホイールベースは2.77mで、パサートと同等だ。

全長はゴルフに近いが、ホイールベースはパサート並み。それがVWのID.3だ。

インテリア: ほぼボタンなし

ID.3 のインテリアには、ほとんどボタンはない。パワーウィンドウとハザードランプのコントロールボタンを除いて、VW は従来のコントロールユニットをすべてタッチサーフェイスに置き換えたからである。
ステアリングホイールの後ろの景色は、BMW i3 を彷彿とさせる。デジタルスピードメーター付きのスクリーンはダッシュボードに配置され、ギアセレクターレバーはディスプレイの側面に設置されている。
運転席に面した10インチの中央ディスプレイもダッシュボードに搭載されている。これはタッチや音声コマンド(起動トリガーは「ハローID」である)などで操作できる。
ダッシュボード内のライトストリップ、いわゆる「ID. light」は、その時点で、クルマが運転手に対して応答しているのか、同乗者に対して応答しているのかを示している。
ライトやウィンドウヒーターのスイッチは、ダッシュボード内のステアリングホイールの左側に小さなタッチ操作パネルがありそこで操作する。
インテリアには、オプションで拡張現実(Augmented Reality)機能付きのヘッドアップディスプレイが用意されており、例えば車の3~10メートル先の道路にナビゲーションコマンドを光学的に「バーチャル表示」することができる。
ID.3では、通常はセンタートンネルで占められているスペースを、収納スペース、カップホルダー、オプションのスマートフォン用誘導充電ステーションとして使用している。
ゴルフと比較してホイールベースが長いことは乗客にとって特にメリットがある。トランクルームは385リットル(ゴルフは380リットル)で、室内には広々としたスペースが備わっているからだ。

コックピットでは、唯一のハザードライトと窓だけが古典的なボタンで操作される。よく見るとゴルフ8の面影があるが、それよりもはるかにシンプルだ。

ドライビング: ID.3プロトタイプ初試乗

私たちは今回、プロトタイプに試乗することを許された。
開発チームによれば、ワイルドなカモフラージュホイルでラッピングされたテスト車両は、ドライブ性能と空調の効きにのみフォーカスを当てることを意図しているということだったが、1.6トン前後のコンパクトクラスのID.3プロトタイプは驚くほど完成度が高く、非常に速く、特に低速および中速域では非常にダイナミックに加速する。
テスト車からは、ステアリングやブレーキ、シャシーなどからも好印象を得た。
ID.3で利用可能なインテリアスペースは、同様の寸法のゴルフよりもかなり大きい。これは、ホイールベースが約10センチ長いことと、内燃エンジンが前部に搭載されていないことにより、ダッシュボードを大幅に前方にスライドさせることができるためで、後部にも十分なスペースを生みだしている。

プロトタイプは、低速から中速まで非常にダイナミックな加速を繰り返す。

イクイップメント: 多くのアシストシステム

VW ID.3には、Eカーの自律走行に備えた数々のアシストシステムが用意されている。エマージェンシーブレーキ機能とマルチ衝突ブレーキを備えたフロントアシスト、レーンキーピングとレーンチェンジアシスト、バックビューカメラ付きパーキングアシストシステムなどが兼ね備わっている。
オプション装備リストには、とりわけ、重い自転車などの輸送を可能にする75 kgのサポート荷重を備えた特別な荷室カップリングも含まれている。
さらに、VWは、” ID. Charger “を搭載した独自のウォールボックスを、負荷容量の異なる2つのバージョンで提供している。このウォールボックスはインターネットに接続して車を遠隔操作したり、あらかじめ充電やエアコンなどを操作したりすることもできる。

バッテリー、航続距離、充電、エンジン:

ID.3は、リアアクスル上の電動モーターで駆動される(つまり後輪駆動である)。バージョン違いで150馬力または204馬力、310Nmのトルクを発揮する。
VW は、電気自動車用に、航続距離の異なる 3つのバッテリーパックを用意している。エントリーレベルには航続距離330kmの45kWhバッテリー、ミディアムバージョンは航続距離420kmの58kWhバッテリーが装着されている。そして最大のバッテリーは、航続距離が最大550kmの77kWhだ。
またID.3の最高速度は時速160キロといわれている。
急速充電技術(100キロワットの充電容量)のおかげで、EVは30分で290キロ相当の充電が可能になる。VW は、ID.3 のバッテリーに、8 年間または16万kmのバッテリー性能を保証している。

ID.3は、150か204馬力のパフォーマンスレベルを持つ2つのバージョンが用意される。トルクはいずれも310Nm。

【フォトギャラリー】

ゴルフ8には完全なEVがない。

ゴルフ7にはEVがあったはずなのに、と疑問に思うあなたへの回答が、このID.3というわけだが、やはり注目すべき点は、普通のゴルフに電動モーターとバッテリーを装着する、という形をとらず、わざわざホイールベースを伸ばしてまで専用車種を生みだしたという点にあろう。
もちろんVWがEVにかける本気度をこの車でアピールするという役割は言うまでもないが、もう一つはゴルフも大切にこれからも発売していく、ということの表明であるともとることができる。

電気自動車の一番のウイークポイントは高速走行といわれ、市街地では素晴らしい性能を持っていたピュアEVが、高速道路ではめきめきとバッテリーを減らすだけの車になってしまう、という例は枚挙にいとまがない。
特にドイツのように、世界的に高名なアウトバーンを持つ国の車であるゴルフにとって、高速性能は重要課題の上位に来ることは間違いない。
GTIはもちろんのこと、たとえどんな小さなエンジンのゴルフであっても、ディーゼルエンジンのモデルでも、高速性能に劣るゴルフなど、これからも許されないのではないだろうか。
そう考えれば、まだまだ今後も内燃機関でいけるところまで頑張ります的なゴルフと、
市街地や過疎地(ガソリンスタンドがなくともEVならば問題ない)などを主戦場とした
ID.3という住み分けはなかなか理にかなっているようにも思える。

問題は価格だが、ゴルフと同じような大きさでGTIよりもGTDよりも高く、R並みの価格のEVがどれだけ売れるのか、と考えておられる方もおられようが、心配ご無用。
そこは、さすがはドイツだ。つい先日、コロナ禍のあとの経済を立て直す施策の一つとして、ドイツ政府はEVへの補助金を従来の2倍にすることを決めた。その結果、人々は真剣にEVの購入や買い替えを考え始めているというニュースが流れている。

Text: Tom Drechsler, Katharina Berndt
加筆:大林晃平
Photo: Volkswagen AG