人気のオープンカー10台 全チェック 理想の1台はどれ?
2020年6月12日
購入アドバイス アウディA3、ポルシェ911、ミニ: お薦めのコンバーチブルはどれ?
10台のオープンモデルをチェック。天気の良い日にはルーフを開けて、思いっきりオープンエアドライビングとパフォーマンスを楽しみたい。これからのサマーリゾート用の10台のコンバーチブルとロードスターをピックアップして試してみた。
10台のコンバーチブルをチェック。カブリオが青空の広がった日のオープンエアの中でのナイスパフォーマンス! それこそがオープントップの運転の喜びだ。我々は、人気のコンバーチブルやロードスターを10台紹介し、夏のリゾートに向けて購入のヒントを提供する。
10台の候補車の特徴は大きく異なる
駆動方式はフロントかリアか、エンジンはフロントかリアか、ボンネットはスチール製か布製か…。
そして最終的には、もちろん、個人の幸福度がどのモデルを選択するかという尺度になる。
このつらかった春の向こうからやってくる待ち遠しい夏のために、我々は8台のコンバーチブルと2台のロードスターを選び出し、その長所と短所を提示し、購入のための具体的な推奨事項を提供する。
① アウディA5カブリオレ
アウディA5カブリオレ:
• 価格:49,100ユーロ(約589万円)から • 3種類のガソリンエンジン(190~354馬力)と3種類のディーゼルエンジン(163~286馬力) • 7速ダブルクラッチ/8速オートマチックトルクコンバーター • 前輪駆動/四輪駆動
長所: 4人に適したスペース。心地よいバックグラウンドノイズ。優れた仕上がり。
弱点: 購入価格の高さ。オプション価格の高さ。下取り価格の不安。
ヒント: 190馬力と245馬力の4気筒ガソリンエンジンは、しっかりとした走行性能を印象付ける。S5クワトロの6気筒エンジンはよりダイナミック。
ディーゼル: 190馬力のバージョンは長距離走行に最適で、経済的だ。
四輪駆動システムは2,350ユーロ(約28万円)の追加料金で利用可能。スポーティバージョンは286馬力。
② BMW4シリーズ カブリオレ
BMW 4シリーズ カブリオレ:
• 価格: 51,650ユーロ(約619万円)から • 4種類のガソリンエンジン(184〜450 馬力)と3種類のディーゼルエンジン(190〜313 馬力) • 6速マニュアル/8速オートマチック、6速DKG(M4バージョン) • 後輪駆動/3種類の全輪駆動バージョン
長所: 優れたドライビングチューニング。素晴らしいエンジン(6気筒)。
弱点: 価格を考えると部分的にシンプルなでやや安っぽい素材。
ヒント: オープンモデルの4シリーズは非常に高価なので、感情のおもむくままに6気筒の440iを選ぶことには相当の覚悟が要り、相当のジレンマとなる。なぜなら、4気筒バージョンは明らかに十分な性能を備え持ち、経済的でもあるからだ。
ディーゼル:ここでは、6気筒は十分理にかなっている。優れたパフォーマンスと滑らかな走りとともに、優れた燃費性能も兼ね備えている。430dがお薦めだ。
③ アウディA3カブリオレ
アウディA3カブリオレ:
• 価格:36,700ユーロ(約440万円)から • 3種類のガソリンエンジン • 6速マニュアル/7速ダブルクラッチ • 前輪駆動/全輪駆動の2バージョン
長所: 非常によくチューニングされたシャシー。上質なインテリア。
弱点: 部分的にややまとまっていないSトロニック。フィーリングの悪いステアリング。
ヒント: 150馬力の1.5リッター4気筒ターボ(35 TFSI)は、3000rpm以下に維持されていれば、非常に経済的で静かだ。しかし、かなりヘビーな車両重量のため、コックピット内に風力を適切に提供できていない。
2リッターバージョン(40 TFSI)は、四輪駆動システムが標準装備されていて、確実で自身に満ちた走りを見せる。
300馬力のS3も楽しいが、これまたその重量も隠すことはできない。
④ メルセデスEクラス カブリオレ
メルセデスEクラス カブリオレ:
• 価格:49,319ユーロ(約591万円)から • – 5種類のガソリンエンジン(211~457馬力)と4種類のディーゼルエンジン(194~340馬力) • 9速オートマチック、マニュアルトランスミッションなし • 後輪駆動/4輪駆動の5バージョン
長所: 優れた快適性と高級感。トレンドを生み出すテクノロジー。優れた走行特性。
弱み: 全体的に価格が高い。使いにくいナビシステム。
ヒント: 4気筒エンジンは驚くほど安価で、十分だ。
367馬力から6気筒と4輪駆動のバージョンがある。450を除いて、すべてのガソリンエンジンは、スタータージェネレーターを内蔵したマイルドハイブリッドだ。
ディーゼル: 245 馬力の300 d 4気筒で十分ではあるが、約3,600ユーロ(約43万円)の追加料金で、同等の経済性を有する350dがあり、我々ならそちらを選ぶだろう。
⑤ ポルシェ911カブリオレ
ポルシェ911カブリオレ:
• 価格:118,935ユーロ(約1427万円)から • 2種類のガソリンエンジン • 7速マニュアル(現時点では未設定)/8速デュアルクラッチ • 後輪駆動/4輪駆動の2バージョン。
長所: 卓越したドライビングダイナミクス、ほぼ完璧な人間工学、テレパシーステアリング。
弱点: 別の惑星から来たかのような価格。オプション価格も高価。
ヒント: レンジはまだ3リッターツインターボボクサーエンジンと、385または450馬力の2バージョンに限られている。その6気筒エンジンは、スロットルが微調整されていて、過給されているにもかかわらず、着実に上昇するトルク曲線を持つ自然吸気エンジンの特性を模倣している。これは、エンジンを回転させる喜びを与えてくれる。
意外だったのは、明らかに聞こえるターボのヒス音と、わずかに変調されたボクサーサウンドが室内に響くことだ。
⑥ マツダ ロードスター
マツダ ロードスター:
• 価格:29,990ユーロ(約360万円)から • 2種類のガソリンエンジン • 6速マニュアル • 後輪駆動 • 2種類のボディバリエーション(ファブリックソフトトップとオートマチックタルガルーフ。
長所: 気持ちのいい自然吸気エンジン。軽量なボディ。比較的買いやすい価格。
弱点: 1,90m以上のドライバーには小さすぎる(特に足元の置き場がつらい)。
ヒント: 2種類の自然吸気エンジンは4気筒直噴エンジンで、圧縮比は13:1。実際には、エンジンは少しラフに感じるものの、素晴らしい応答性で補っている。ターボ時代には見逃されがちな美点だ。
2リッター(184馬力)のほうがロードスターにより適している。
どちらのエンジンも2021年から義務化されるユーロ6d規格を満たしている。
⑦ BMW 2シリーズ カブリオレ
BMW 2シリーズ カブリオレ:
• 価格:35,900ユーロ(約430万円)から • 4種類のガソリンエンジン(136~340馬力)と2種類のディーゼルエンジン(150と190馬力) • 6速マニュアル/8速オートマチックトランスミッション • 後輪駆動/1種類の全輪駆動バージョン
長所: ブランドに沿った作り込みの良さ。快適なシャシー。極上の6気筒(M240i)。
弱点: エントリーレベルの価格が高い。全体的に安っぽい内装。
ヒント: 4気筒エンジンは2シリーズのコンバーチブルによくマッチしていて、スムーズに缶天使、経済的でもある。
ディーゼル: ここでは4気筒エンジンがすべての尺度となる。高いパフォーマンスをもたらす十分なトルクは、コンバーチブルによくマッチしている。オートマチックトルクコンバーター(2,250ユーロ=約27万円)も完璧にマッチしている。
⑧ BMW X4ロードスター
BMW Z4ロードスター
• 価格:42,000ユーロ(約504万円)から • 3種類のガソリンエンジン(197、258、340 馬力) • 6速マニュアル(197馬力)/8速オートマチックトルクコンバーター(258馬力~) ● 後輪駆動
長所: 走りの楽しさの高さ。装備の選択肢の多さ。
弱点: 幅広で重い。マニュアルトランスミッションが197馬力ガソリンエンジンのみ。
ヒント: 2リッター4気筒も3リッター6気筒も文句を言うべきものはない。回転することを熱望し、強力で、静か。それ以上望むものがあるだろうか。残念なのは、本当の運転の喜びを味わえるマニュアルトランスミッションは、ベーシックなガソリンエンジンバージョンにのみ提供されていることだ。
最近少し影が薄いが、とてもカッコいいオープンモデルの代表格だ。
メルセデスCクラスカブリオレ
• 価格:43,988ユーロ(約527万円)から • 7種類のガソリンエンジン(156~510馬力)と3種類のディーゼルエンジン(160~245馬力) • 6速マニュアル/9速オートマチックトランスミッション • 後輪駆動/4輪駆動バージョン
長所: 高品質な仕上がり。非常に快適なエアサスペンション。
弱点: セグメントを考えると高い価格。使いにくいナビ。もうじきフルモデルチェンジの予定。
ヒント: 無理をしたくないのであれば、184馬力で十分だ。サウンドの面では、ガソリンエンジンは驚異的なものとは言えないが、十分に強力で経済的でもある。愛好家には333馬力の400がお勧めだ。マニュアルトランスミッションは180でのみ利用可能だ。
ディーゼル: 四輪駆動のないミドル(194馬力)が効率的だ。新しいベンツのディーゼルは非常に静かで、非常に経済的でもある。
⑩ ミニ コンバーチブル
MINIコンバーチブル
• 価格:24,000ユーロ(約288万円)から • 4種類のガソリンエンジン(102〜231 馬力) • 6速マニュアル/7速オートマチックダブルクラッチ • 前輪駆動
長所: 比較的広いスペース。さまざまな個性化。
短所: リアビューの視界の悪さ。好きなオプションを付けていくと、あっという間に高価になる。
ヒント: 3気筒エンジンは最善を尽くしており、136馬力バージョンは、郊外での使用に適している。クーパーSから上は4気筒で、気持ちよいペースで勢いよく走る。6速MTは理屈抜きに楽しい。
ディーゼルは2019年6月で販売終了した。
というように、いくつかのオープンモデルをざっと紹介してみたが、どれを選ぶかは、言うまでもなくあなた次第である。一応、長所と短所などはあげてはみたものの、こういうクルマたちを客観的に良い悪いで比べても意味があるのかどうか、というのが正直なところである。
ブランドで選んだとしても、スタイルで選んだとしても、あるいは買える範囲内で中古車などを狙ったとしても、どれもみんなオープンカーなわけで、青空は標準装備である。
そもそもオープンカーというのは、普通の車とは違うわけで、ハードウエアの側面をいくら比較したとしても、基本的には気持ちがいいかどうかが勝負であって、良いクルマだから魅力的というわけでもない。だからこの10台の中にあなたが気になったり、好きな車や憧れの車があったりしたら迷わずそれを買えばいいのではないだろうか。
と、あまりにも無責任な発言になってしまったが、結局のところ、趣味の車とはそういうもの、なのである。
あえて付け加えるのであれば、今回の車たちは幌の車たちばかりであった。対候性には折り畳み式のハードトップの方が優れているだろうし、治安などを考えても幌には一抹の不安が残る。だがそれでも優雅さや雰囲気を楽しむのであれば、ぜひ幌のオープンカーを買って欲しいし、雨の日に雨の音を聴くのも一興だろう。
そして蛇足ではあるが、たとえポルシェ911といえども、スポーツカーを求めるのであれば、迷うことなく普通のクーペを選ぶべきである。いくら「オープンカーになってもクーペと変わらない剛性感」と自動車専門誌などに書かれていたとしても、クーペとオープンカーが同じ剛性を持っているということはありえない。だから純粋なスポーツカーを欲しいのであればクーペの911を選ぶべきだろう。
とまあ正論を吐いてしまったが、そういう風にああだこうだ言わず、風のにおいを感じたり、四季のうつろいを眺めたりしたいのであれば、迷うことなくオープンカーを選ぶべきである。世の中に星の数ほどの車がある中で、あえてオープンカーを買える人というのは限られた存在だし、それはとても幸せなことだと思う。
Text: autobild.de
加筆:大林晃平
Photo: Caroline Juengling / AUTO BILD