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今後はエステートのみとなる 新型「フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント」の全情報!

2023年9月9日

フォルクスワーゲン パサート ヴァリアントB9:9代目となるVW パサートには、多くの新技術が搭載され、これまで以上に広々としたスペースと快適性がもたらされている。

持つことは、必要とすることに勝る。それが、9代目「VWパサート」の仕様を開発者がホワイトボードに書き上げたときのモットーだったのだろう。しかし、新型「パサート」の内面的な価値や搭載技術に触れる前に、外観から見てみよう。

9代目となるVW パサートには、多くの新技術が搭載され、これまで以上に快適性能が上がって、広々としたスペースがもたらされている。

一目でわかるパサート

新型「パサート」は、おなじみの「MQB」プラットフォームをベースにしているが、どこから見ても、すべて「パサート」だ。つまり、均整の取れたオーバーハング、大きなラジエーターグリル、ボディサイドを走る一本のラインなど、すっきりとデザインされたボディである。ホイールは最大19インチ。風格があり、エレガントでありながら、地に足がついている。

フォルクスワーゲン パサートは飾り気がなく、均整がとれたデザインとなっている。

パサートは全長が14センチ長くなった

「パサート」は先代より14cm長い4.9m近くとなり、「BMW 5シリーズ」、「メルセデス Eクラス」、「アウディ A6」に迫る大きさとなった。これには驚きのあまり目をこすってしまうほどだ。開発者はホイールベースを5cm伸ばして2.84mにした。さらに、全幅は2cm拡大され、約1.85mとなったが、全高はほぼ変わらない。

メルセデスEクラスより大きい

「パサート」のリアハッチは若干傾斜がついたものの、ボディが長くなった分、ラゲッジルームは拡大した。後部座席を倒せば、トランクは1,920リットルまで入る。因みに新型「メルセデス Eクラス エステート」は最大1,830リットルだ。参考までに。

本当にたくさん入る: パサートのラゲッジルームは690リットル、リアシートをフラットにすると1,920リットルになる。

「パサート」のCd値も注目に値する。フロントエプロンのエアカーテン、新しいエクステリアミラー、ルーフスポイラー、リアの流線型のフォルムのおかげで、Cd値は0.25(先代: 0.3)。しかし、数字の理論はもう十分だ。私たちは新型「パサート」に乗り込み、その乗り心地を確かめる。そしてすぐにその魅力に引き込まれた。

最新世代のインフォテインメント

これがフォルクスワーゲンのあるべき姿だ。「パサート」のステアリングホイールは、ボタン付きのマルチファンクションステアリングホイールだ。さらに、デジタルメーター(10.25インチ)と12.9インチのセンターディスプレイが標準装備されている。写真車両では、より大きなバージョンが追加料金で装着された。これは対角15インチ。いずれにせよ、中央のディスプレイには「MQB」用の最新インフォテインメントユニットである「MIB 4」の内容が表示される。

App-Connectがアップルやアンドロイド端末との接続を確立し、画面上部にはダイレクト選択ボタンを備えた設定可能なバーが、下部にはクライメートコントロールバーが常に表示される。その間に、新しい音声アシスタント”IDA”を含むカスタマイズ可能なホームスクリーンのためのスペースがまだ十分にある。おなじみの温度設定のタッチスライダーは、スクリーンの下部にある。

9代目パサートにはVWの最新インフォテインメントユニットが搭載された。タッチやスライドはほとんどここで行われる。

センターコンソールは整然としている。ここにあるのは、スタートボタン、パーキングブレーキ、収納コンパートメントなど、最も必要なものだけだ。ギアセレクターレバーは、「ID」モデル同様、ステアリングコラムに移動した。ワイパーのコントロールは、ウインカーレバーの中にある。

人間工学的にも、新型パサートには弱点がない。特筆すべきはシートで、ベーシックシート以外はマッサージ機能が付いている。ベーシックバージョンには3つのエアチャンバーがあり、エルゴアクティブプラスシートではリクエストに応じて10チャンバーのツボ押しマッサージができる。さらに、「パサート」にはオートマチックシートクライメートコントロールを注文することができる。

室内は長身の乗員が乗っても、前後ともに十分なスペースが確保されている。後席はホイールベースが5cm延長されたことで、膝とフロントシートの背もたれとの間に広いスペースが確保された。ドアパネルはソフトな素材で張り上げられ、より快適な雰囲気になっている。「パサート」の後部座席に座るのがこれほど楽しかったことはない。

2つの新しいプラグインハイブリッド

パワートレイン面でも「パサート」は全力を尽くしている。システム出力204馬力と272馬力の2種類の新しいプラグインハイブリッドが、この大型エステートを電気自動車の代用に変える。どちらのバージョンでも、おなじみの1.5 TSIエンジンが燃焼パートを担当し、あるときは150馬力、あるときは177馬力を発揮する。19.7kWhのバッテリーは、標準DC充電オプション(50kW)または三相AC充電(11kW)により、日常使用に適した100kmの純電動航続距離を提供する。45リットルのガソリンタンクと合わせて、PHEVの航続距離は1,000kmに達する。

ボンネットの下には豊富な選択肢: 動力は、2種類の新しいプラグインハイブリッド、2種類のガソリンエンジン、3種類のディーゼルから選択できる。

ディーゼルはさらに進化する見込みだ。ディーゼルエンジンは3種類。小型の2基(122馬力と150馬力)では、最大1400kmの走行が可能となる。最高出力193馬力のディーゼルは全輪駆動と組み合わされる。ガソリンエンジンでは、1.5eTSIマイルドハイブリッド(150馬力)と265馬力の2.0TSI(全輪駆動)が用意される。すべてのエンジンにDCTが組み合わされる。

価格は39,995ユーロ(約640万円)から

2024年第1四半期の市場投入に向けて割増は控えめだ。少なくともベーシックな「パサート」トリムでは、39,995ユーロ(約640万円)で、1,100ユーロ(約18万円)弱高くなるが、そこにはオートマチックエアコン、ACCアダプティブクルーズコントロール、フロント&リアパーキングアシスト、リバースカメラ、レーンチェンジアシスタント、交差点アシスタント、交通標識認識などの基本装備が増えている。あってほしいものは最初から装備されていた方がいいのだ。

プロトタイプで初ドライブ

以前、まだカモフラージュされた150馬力ディーゼル搭載の「パサート」をドライブした。「ゴルフGTI」と同様、パサートは電気機械式サスペンションシステムをミックスする「ドライビングダイナミクスマネージャー」を搭載しており、スピードと姿勢変化に応じたブレーキ介入とダンパーの剛性変化により常に安定しており、ステアリングはニュートラルで快適であった。

ゴルフGTIの遺伝子: コンパクトスポーツカーと同様、パサートにも「ドライビングダイナミクスマネージャー」が装備されている。

快適な乗り心地は、すべての走行モードにおいて体感できる。スポーツモードでは、路面の小さな石ころまで感じるが、その硬さに不快になることはないし、快適モードでは、文字通り滑るように走り、これが「パサート」なのか、それとも「ミニ フェートン」なのかと自問自答するほどだ。

「フォルクスワーゲン パサート(B9)」

LEDヘッドライトは標準装備で、パサートにはマトリクスLEDヘッドライトがオプションで用意される。
もちろんリアのコンビネーションランプにもLEDが採用されている。
リアハッチは若干傾斜がついた。
パサートの伝統。パサート ヴァリアントは、ボディが長くなったおかげでラゲッジスペースが拡大した。リアシートのベンチを倒せば、最大1,920リットルを収納できる。参考までに、新型Eクラス エステートは最大1,830リットルだ。
シートは非常に快適で、さまざまな調整が可能。
新型パサートは2列目にも十分なスペースを確保している。ホイールベースが5センチ(2.84メートル)長くなったことで、長身(190cm)のテスターでも余裕のスペースがあることがわかる。
VW パサートのステアリングホイールはボタン付きのマルチファンクションステアリング。
センターコンソールは整然としている。ここには最も必要なものだけが置かれている。スタートボタン、パーキングブレーキ、収納コンパートメント。ギアセレクターレバーはステアリングコラムに移動した。
ガソリン車では、1.5 eTSIマイルドハイブリッド(150馬力)と265馬力の2.0 TSI(全輪駆動)がある。ディーゼルも3種類あり、小型の2種類(122馬力と150馬力)は最長1,400kmの走行が可能だという。最高出力193馬力のディーゼル(全輪駆動)もある。いずれもDCTと組み合わされる。
39,995ユーロ(約640万円)と、エントリーレベルのパサートは以前より1,100ユーロ(約18万円)近く高くなったが、その分オートマチックエアコン、ACC近接コントロール、フロント&リア パーキングアシスト、リバースカメラ、レーンチェンジアシスタント、交差点アシスタント、交通標識認識などの基本装備が充実している。

結論:
より広いスペース、新しいテクノロジー、より多くの装備と快適性。そしてこのすべてが、比較的手頃な価格で実現されている。VW パサートはSUVに勝る理想の実用車だ!

Text: Peter R. Fischer and Andreas May
Photo: Volkswagen AG