フランスの高級車ファセルヴェガ ラグジュアリーレトロクーペコンセプト ファセルV発表?

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フランス製V8クーペの復活か?

フランスの高級車ブランド、ファセルヴェガが、558馬力のV8クーペで復活するという。現実的な取り組み?あるいは単なる夢想?

かつてファセルヴェガは、豪華で罪深いほど高価なスポーツカーの代表格だった。1954年から1964年の間、ファセルは華麗なクーペを生産していた。そして今、このブランドは”Introducing Le Grand Luxe Sportif”をモットーに復活することになったという。その復活第1号となるモデル、「ファセルV」のコンセプトは、最大558馬力のV8エンジンを搭載した、フランスのデザインを身にまとった豪華なレトロクーペである。しかし、現時点ではコンピューターによるグラフィックしか存在しない。

そのレンダリングは、ファセルヴェガ パリのインスタグラムページで公開されたものだ。ファセルVのデザインは、主に1958年の「ファセルヴェガHK500」をベースにしておこされたものだ。フロントの特徴は、ほぼ正方形に近いラジエーターグリルと粗いメッシュのグリル、2個のダブルヘッドライトが上下平行に配置されていることだ。言い換えるならば、従来の丸みを帯びたハロゲンライトが、現代風に細長いLEDに変更されたということだ。

ヘッドライトとグリルの間にある2本の水平バーは、オリジナルのHK500のものを引用している。フロントとリアの全面に窓を備えたドーム型のルーフは、HK 500でおなじみのものであり、リアのフィンや細いテールライトも同様だ。その最終的な外観は、ハイブリッドスポーツカーのPolestar 1を彷彿とさせるが、非常に独立したデザインを形成することに成功している。ボディワークは、レトロな要素をモダンな全体像に巧みに採り入れている。1958年に発表されたファセルヴェガHK 500のエレガントさを保ちながら現代的でもあり、なかなか良いデザインだと思う。

1958年から1961年にかけて、合計489台のファセルヴェガ HK500が生産された。

最大558馬力モデルが生産される予定

技術的な詳細についての情報はまだない。1958年のオリジナルモデルには、排気容量5.8リッター、最大360馬力のクライスラー製V8が搭載されていたが、新型は2バージョンの排気量6リッターのV8エンジンを搭載することになった。しかしそれが新規開発のエンジンなのか、どこかのメーカーのエンジンなのかはまだわからない。一応、パワーとトルクは、ベーシックグレードが517馬力と610Nm、アッパーバージョンが558馬力と685Nmとなっているが…。ブレーキもカーボンセラミックブレーキも用意されるようだが、現時点でそれ以上の詳細は判明していない。

ファセルVは – 少なくともコンピューター上では – レトロとモダンの成功したミックスだ。

不明確な商標権の状況

ここまでは問題ない。しかし、「ファセルV」のメーカーが実際にどこまで本気なのかは謎だ。インスタグラムのページは、まるでファッションやライフスタイルのプロフィールのようにも見える。ウェブサイトのfacelvegaparis.comでは、ファセルVは最近までコンフィギュレーターで様々な仕様を仮想的に見ることができていたが、それは、様々な車に関しての情報の乱雑な混合物でしかなかった。そしてその間に、そのコンフィギュレーターはもう利用できなくなってしまった。radical-mag.comによれば、有名なコニャックメーカーのポールジローがこのプロジェクトの背後にいると思われると推測しているが、ファセルヴェガのウェブサイトやレンダリングの制作者がファセルヴェガブランドの権利をきちんと所有しているかどうかは不明だ。この点に関して、インスタグラムに問い合わせても、今のところ回答がないままである。現在までのところプロジェクト「ファセルV」は、2012年の最初の試みに似たコンピューターの夢に過ぎないようだが、もし現実になるとしたら、早くても2024年までは準備ができないといわれている。ちなみに、2024年はファセルヴェガブランドにとってちょうど80周年という記念すべき年だ。ファセルヴェガ復活の今後について、何か判明したら、当AUTO BILD JAPANのサイトでアップデートしていく予定である。

もしファセルVが実際に現実のものとなったとしても、その時には非常に限定された生産台数で、恐ろしいほどの価格でのみ販売されることになるだろう。

Text: Moritz Doka