走行距離30万キロのランボルギーニ ウラカン はい、いくらでしょうか?
2020年6月4日
走行距離30万キロ超のウラカン販売中。このランボルギーニ ウラカンはたった5年の間に305,000キロを走破した。そして今、この610馬力ランボは売りに出ている!
このランボルギーニ ウラカンは、真の耐久ランナーだ!
多くのランボオーナーは、週末だけ、自らの愛するエキゾチックカーを持ち出し、年間数千キロしか走らないが、このウラカンは、わずか5年間で305,000キロという信じられないほどの距離を走ったのだ。つまり一年間、ざっと6万キロ。一か月あたり5000キロのペースである。
どうしてそうなったのだろうか?
答えはシンプルだ。この赤いランボルギーニ ウラカンLP610-4は、ラスベガスにあるアメリカのレンタカー会社「ロイヤリティーエキゾチックカーズ」のレンタカーの1台だったのだ。そしてこのランボは2015年に登録されて以来、継続して使用されてきたらしい。そうでなければ、現在の走行距離が19万マイル(約30万5千キロ)というのは説明がつかない。
これは普通の車でもかなりの距離だ
しかし、5.2リッター自然吸気V10エンジンから610馬力を発揮するイタリアのスポーツカーとしては、信じられないほどの走行距離だ。中古車市場をざっと見てみても、ドイツで販売されている現在の最長走行距離のウラカンでさえ、わずか93,000kmしか走っていない(とはいっても、この距離でさえもかなりびっくりする距離というのが正直なところではあるが)。ロイヤルティエキゾチックの赤いランボルギーニはその3倍以上の距離を走行していることになる。
ウラカンの新車価格は日本では最低2500万円(オプション含まず)である。24時間で1235ドル(1126ユーロ=約13万5千円)、4時間で685ドル(625ユーロ=約7万5千円)のレンタル価格で、ランボルギーニは5年後にはそれ以上の代償を得ているはずだ。ロイヤルティエキゾチックカーズの1つの利点: ほとんどのレンタカー会社とは異なり、レンタル契約時に走行距離制限はない。これは、現在30万キロ以上の走行距離のウラカンがなぜ販売されているのかを説明するものでもある。広告によると、このランボは無事故車で、通常のサービス以外の修理は必要なかったとのこと。現在は13万ドルで販売されている。これは11万8000ユーロ(約1416万円!)に相当する。前述の93,000キロ走行のランボルギーニ ウラカンがレンタル履歴なしで、148,000ユーロ(約1776万円)で売りに出ていることを考慮すると、非常に高い価格だ。
ざっと20年以上前の話になるが、フェラーリの348を毎日の足に使い、7万キロだか8万キロ乗って、まだまだ毎日距離を伸ばしている方がいた。もちろんフェラーリだけを所有していたわけではなく、実用の車(たしかメルセデスベンツ)も持ってはいたが、ほとんどそっちには乗らず、とにかくどこに行くにも348で行くような生活をしていた人だった。
少し離れた場所にある仕事場にも、別荘にも、デパートにも、コンビニにも、とにかく毎日毎日348を使い、ちょっとの小傷など気にせず使う姿はとっても格好良かった。フェラーリでそんなに距離を走ったら維持費が大変でしょう、と聞くと、「いえいえ、ほとんど壊れません。毎日使うのがいいんでしょうかねぇ」という答えが返ってきて、ちょっと驚いたことがある。今のフェラーリならいざ知らず、その頃のフェラーリは信頼性がグダグダだった時と、良くなる時の中間、いや前半に近い頃だったはずである。それでも点検程度のメンテナンスをしながら、毎日乗っていれば意外とフェラーリも壊れないものなのかもしれない。そういう意味ではフェラーリもクルマなんだなぁ、と妙な感慨を抱いたものだ。
毎日車を使うことは、実は壊れないこと、もっといえば壊さないことへの近道なのかもしれない。反対に一か月に2回くらいガレージから引っ張り出して大切にそっと乗るような、猫かわいがりした使い方こそ、好調の車を知らず知らずのうちに不調にさせてしまうものなのだろう。だからと言っても、今回の30万キロのランボルギーニはちょっと驚くべきことだ。いくらアウディの技術が応用された現代のランボルギーニといえども、スーパーカーであることは言うまでもない。まあラスベガスという乾いた土地であることも、定期的にメンテナンスを受けていたということも良い方向に作用したのだろうが、それでもひと月5000kmとはよく頑張ったものである。交換したタイアの代金も気にはなるが、(おそらく10回以上は交換したであろうから、アウディA4が買える金額なはず)、1400万円という現在の売値はあまりにも高すぎる。査定額から過走行のペナルティを差し引けば、ざっと700~800万円くらいでもいいのではないだろうか。個人的には絶対に選ばない物件だが…。
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Text: Jan Goetz
加筆:大林晃平