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【動画付き】515km/hもほとんど可能だった! ブガッティ シロン

2020年6月4日

ブガッティ シロンのプロトタイプが490km/hを記録した。
そしてブガッティは、あと25km/hは速く走れたはずだと述べた。

ハイパースポーツカー、ブガッティ シロンの限りなく生産型に近いプロトタイプが490kmを記録した。そして、ブガッティ関係者は、米ネバダ州の高地にあるレーストラックでのテストで、やろうと思えば記録的な515km/hは達成できただろうと自信あり気に語った。しかし最終的には安全装備がより優れていた独ニーダーザクセン州のエーラ レッシアンにあるVWテストトラックを実験場として選択した。

スペシャルモデル、ブガッティ シロン スーパースポーツ300+は30台のみの生産で、価格は1台当たり417万ユーロ(約5億2千百万円)する。ベースモデルのブガッティ シロンより、130万ユーロ(約1億6千2百万円)も高い!

スピードテストは2019年8月2日におこなわれた。ブガッティは史上初めて時速300マイル以上を記録した自動車メーカーとなった。元レーサーでブガッティのテストドライバーのアンディ ウォレスはシロンのプロトタイプで正確には時速304.773マイル(490.484km/h)を出した。

ブガッティのボス、ステファン・ヴィンケルマンは「永遠のマイルストーンだ」と祝福の言葉を贈った。同時に彼は、ブガッティがこれ以上の速度記録を目指していないことも明言した。ブガッティはこれまでにも繰り返し世界最速の車を製造してきたが、他のプロジェクトに取り組む時が来たようだ。

ネバダのかわりにニーダーザクセン

ブガッティはスピードテストのためにネバダではなく、ニーダーザクセン州エーラ レッシアンのVWテストトラックは、トラック全体が完全にガードレールに囲まれており、トラックの南北に救助隊員が配置されているため、テストコースとして使うことに決定した。21キロメートル、3車線の高速コースは、8.8キロメートルの直線を有している。テストの前に、トラックから細かな石が取り除かれ、特別なマットを使用して分割された。

500km/h以上のためのタイヤ

シロン プロトタイプは、スピードテストのために特別に用意された1台で、空力的な理由から、リアは標準型シロンよりも長くなっている。新しいエアインテークと改良されたエグゾーストシステムも兼ね備えていた。4基のターボチャージャーを備えたW16エンジンからは1600hpが生み出される。
このプロトタイプ用に強化されたミシュラン製高速用タイヤは、ベンチテストで最大511km/hの速度に耐え得ることを証明する必要があった。加えて、エンジニアたちは、エンジン、トランスミッションとシャシーの相互作用を事前にテストする必要があった。

記録への50 km/hステップ

ルマンの優勝者である、ブガッティのテストドライバー、アンディ ウォレスによれば、テスト車のあらゆる変化に注意を払うために、300km/h時から、50 km/h刻みで記録的な速度に達したとのこと。序盤の数ラップの後、ストレートで最高速度に到達するために、北カーブを出た直後にすでに200km/hに達していた。
ウォレスは最初からフルスロットルで走り始め、毎秒136メートルを達成した。言うまでもなく、これには最高レベルの集中力を必要とした。

Text: Lars Hänsch-Petersen