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【馬力バカ祭り】ドイツ人にも大人気 チューニングカーの祭典 PSデイズ2023 女性ドラッグレーサーの夢「ザ・ビューティー」

2023年7月23日

PSデイズ2023 in ハノーファー: 地球上でチューニングカー好きの多い国と言えばドイツと日本だ。ドラッグスターデビューまで23年をかけたヴァネッサ ノール。彼女のドラッグレースマシンをPSデイズに披露する。ドラッグレースデビュー前の最後の一歩。

ヴァネッサ ノールは8歳のときにドラッグレースを始めたかったが、当時は母親に反対されて断念せざるをえなかった。しかし、ヴァネッサ ノールの心は決まっていた。8歳の子供がどうしてドラッグスターに乗りたいと思ったのか、自問自答しなければならない。ヴァネッサは、同じくドラッグレーサーである父親に触発されたのだ。モータースポーツは家族全員の血に流れている。兄のノエル ノールはメカニックとしてサポートしている。

スーパーチャージャーなしで1,000馬力弱(!)。ドラッグスターは半マイルで250km/hに達する。

彼女は30歳になり、夢に大きく近づいた。ハノーファーで開催された「PSデイズ」のレディースラウンジで、彼女はほぼ完成したドラッグスターを展示した。ヴァネッサ ノールは5年前からドラッグスターの製作に取り組んできた。全長7メートルと、展示されている車両の中では間違いなく最長クラスのものだ。もちろん、ドラッグスターの性能も隠す必要はない。スーパーチャージャーなしで、1,000馬力近いパワーを発揮するのだ。1/4マイルでは時速250kmに達する。

全長7メートルのドラッグスター “ザ・ビューティフル”は長さに対して幅が狭く、自転車のようなフロントタイヤに、巨大なリアタイやというドラッグレーサー特有のアピアランス。タイヤの横に置かれたヘルメットの大きさからリアタイやがどれほど大きいかがわかる。

コックピットも狭い。乗り込むのは問題ないが、降りるのはまた別の話だ。ステアリングホイールは非常にスパルタンだが、ドラッグスターはほとんどステアリングを操らない。ステアリングホイールの上には、最適なシフトチェンジのためのシグナルランプがある。

ステアリングホイールの上には、ヴァネッサ ノールにギアチェンジのタイミングを知らせるライトシグナルがある。

面白いことに、マシンのフロントにはちょっとした仕掛けがある。スタート時にライトバリアを超えないように、タイヤがわずかにオフセットされているのだ。右のホイールが制限をオーバーしても、左のホイールはまだ許容範囲内に残るというわけだ。

5年の歳月をかけて完成させたドラッグスターは、もうすぐレースに出場できる。

来年、ヴァネッサ ノールはドラッグレースの夢をついに実現させるところまでたどり着いた。彼女は自分のプロジェクトに多くのお金とエネルギーと時間をつぎ込んでいる。最初の挑戦から23年、ついにその日がやってくる。

レディースラウンジとは?

PSデイズのチューニングフェアには、女性チューナーのための特別エリアがある。残念ながら、これには悲しい背景がある。

チューニングシーンでは、いまだに女性を笑う人が多い。しかし、手間とコストを惜しまず、自らクルマを磨き上げる女性チューナーは増えている。女性がチューニングカーのそばでスケスケの衣装でポーズをとるだけの時代は終わった。カーショーのホステスとしての女性、私はカージャーナリストとして長年それを経験してきた。幸いなことに、それは終わった。

リサ ヤスミンのEVO IIコンバージョンはYouTubeにアップされ人気を博している。

メッセ ハノーファーは、「PSデイズ」の「レディースラウンジ」に女性チューナーによる30台の車両を展示し、コミュニティにおける女性の能力を印象的に示した。特に、コンテンツクリエーターのリサ ヤスミンと起業家のマレイケ フォックスが参加する。女性たちは皆、自身のプロジェクトを披露する。そして、彼女たちの評判は実に高い!チューニングカーフェア初日、女性たちのいるパビリオン33は、最も来場者の多いエリアのひとつだった。

Text & photo: Bitter Jasper and Robin Hornig
Photo: Bitter Jasper / AUTO BILD