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【動画付き】フェアレディが帰ってくる! ファンの願いついに叶う ニッサン400Z完成間近!

2020年5月30日

ニッサン400Z(2021年): 370Z後継車、パワートレーン、価格

公式発表。新型Z登場! ニッサンが新型Zを動画で公開! ニッサンは400Zのレトロなデザインと新型エンジンについての詳細を明らかにした。

ついに待望の新型Zが誕生する! 370Zの登場からすでに11年以上が経つ。
ニッサンは今後1年半の間に12台の新型車を発表するが、そのうちの1台が最も近いうちにデビュー予定の新型Zだ。

バックトゥザオールド”Z”

ニッサンはティザー映像で、新型モデルのラインナップを、シャドーでカモフラージュしたかたちで公開している。ショーのハイライトは新型ニッサンZだ。一目でわかる。
日本のメーカーはレトロな外観にこだわっている。印象的な急勾配のフロントエンドと長いボンネット、そして日本での導入以来、Zと呼ばれてきたフェアレディのルーフラインは、明らかに際立っている。
新世代では、かつての「Z」のロゴも復活している。350Zと370Zは新しいスペルの「Z」が付いていたが、新しいZは古いスペルのロゴを継承している。
また、ロゴはもはや350Zや370Zのようにフロントフェンダーに配置されておらず、それ以前のモデルのようにCピラーに配置されている。
つまり、原点回帰だ。

Zのロゴは昔のモデルと同じくCピラーに配置されている。

2シーターのまま

パッセンジャーコンパートメントの古典的なレイアウトもはっきりと見える。グッドニュースは、新型Zは 2 人乗りのままで、後輪駆動の可能性が高いということだ。
伝統的に、Z には大きなリアスポイラーなどついていないが、ニューモデルもその伝統を踏襲するようだ。これまたグッドニュースだ。
新型Zに大きなサイズのリアウィンドウの上に印象的なティアオフエッジがある。加えて、ライトも240Z のようなより古いZモデルの円形のもので、350Zや370Zのようなギザギザしたものではない。3つ目のグッドニュースだ。

エンジン、価格と市場ローンチ時期

おそらく新型Zは400Zという名前になるだろう。理由は、歴代のZのネーミングがその出力を表しているからだ。400Zは、ターボチャージャー付きの3 リッターV6 を搭載し、少なくとも 400 馬力を発揮する。
このエンジンはすでに新型スカイラインやインフィニティQ50に採用されている。
これは、350Zや370Zを特別なモデルにした自然吸気エンジンコンセプトからの出発を意味するが、現在の排出ガス規制を背景考慮すればやむを得ない選択だろう。
問題は価格で、ニッサンがZの低価格を維持できるかどうかははなはだ懐疑的だ。
そうなると、ニッサン400Zは37,000ユーロ(約444万円)くらいからのスタートになるのではないだろうか。
我々は2021年以前のマーケットデビューは予想していない。しかし今から18か月以内にフェアレディZは発表されるとのことだ。

新型ニッサンZは、400馬力のV6エンジンを搭載。
ティザー動画の主役は間違いなく次期型Zだった。デビューが楽しみな1台だ。

ニッサンに今一番足りないもの、それは間違いなくニューモデルである。そもそも今のニッサンの乗用車ラインナップを見ると、マーチ、ノート、ジューク(もうじき終了)、セレナ、エルグランド、エクストレイル、シーマ、フーガ、シルフィ、スカイライン、ティアナ、リーフ、GT-R、そしてフェアレディZで、そのほとんどすべてが5年、7年、10年前に発表されたモデルであることにちょっとした衝撃と、寂しさを感じてしまう。
この中であなたなら何を買うか、と聞いてみたい。私なら………ローンの審査に通らないかもしれないがGT-Rだろうか。あとはうーん…。
少なくとも自分ではシーマも、フーガも、シルフィも選ばないし、マーチもちょっと買わないだろう。スカイラインはもはや高価な、クラウンなみの高級車だし、日本産業株式会社なのに、なんだか買うクルマがないじゃないかというのがここ数年のニッサンのラインナップだった。
そしてその中で、Zは存在さえ忘れそうだった。いや、まだちゃんと売っていたんだ、というのが正直な気持ちでもある。そしてちゃんと生き残っていたZは新しいモデルとなって生き延びる…。本心では、もっと他の、「普通の」お客さんが買うような自動車を先にちゃんと作っておくれよという思いも強いが、それでもZが生き残ることを悪いこととは思わない。それは今現在のニッサンのラインアップ中、どれよりも歴史があり、そこにアイデンティティとまっとうなブランド力を持っている車だからだ。
スカイラインだってあるじゃないか、と言われそうだが、残念ながら現在のスカイラインは名前を変えたインフィニティであり、正当なスカイラインと言ってよいかどうかは難しいところである。一方のGT-Rもニッサンのブランドをしょって立つような世界で勝負できる自動車ではあるが、フェアレディZほどのイメージと歴史にはやや欠けると思う。
故片山豊氏なくしては生まれなかった、ニッサンがアメリカに進出する先駆けとなった一台、それがフェアレディZだ。そして今でも彼の地には日本以上に熱烈にZ Car(ズイーカー)を愛する人たちが多い。
もちろん浪花節だけで車を作ったり、商売にならないようなラインアップを残しておいたりできるような状況にはないことも確かだ。だが白物家電のような車だけではなく、Eパワーや電気自動車だけでもなく、こうした脈々と続くモデルを継承することで得られるブランディング、それは決してニッサンにとって悪いことではないし、むしろ他の国のメーカーが欲しくてもすぐには得られない勲章なのではないか。
フェアレディZが、どうか18か月以内、なるべく早く、世の中に登場できることを願っているし、その際にはダットサンという輝かしいブランドも(今やアジアの廉価ブランドがダットサンというネーミングを使っているのは許しがたい)、ぜひ格好いいピックアップトラックか何かをダットサンという名前で復刻して売って欲しいと思う。
どちらも一朝一夕には成し遂げることのできない、お金では買えない大切なブランドなのだということをニッサンには再認識してほしい。

Text: Robin Hornig
加筆:大林晃平