日本流ラグジュアリー 371馬力+全輪駆動+正確なステアリング+上質なスタイル 新型レクサスRX500h試乗記
2023年7月17日
レクサスRX500hをテスト&レビュー。レクサスらしいラグジュアリー感。371馬力、全輪駆動とステアリング、上質なスタイル – レクサスRX500hは、日本流のラグジュアリーを提供する。
レクサスはいつも目立たない。例えば今年、トヨタのプレミアムブランドは、ここ(1月から4月まで)で798台を販売した。しかし、そんなことはお構いなしに、勤勉な日本人はSUVを中心に臆することなく開発と生産を続けている。2021年にはコンパクトな「UX」が刷新され、ミッドサイズの「NX」が新登場し、そして今回、大型の「RX」がリニューアルされた。今回試乗した371馬力のフルハイブリッド「500h」はシリーズのトップモデルだ。
その外観は徹底的に堂々としている。とりわけ、ディアボロと呼ばれる巨大なグリルが実に目立つ。ブラックのCピラーは前方に大きく傾斜し、リアにはLEDライトが連続的に配置されている。
スペースは問題なく、「RX」は広々と感じられる。フロントには快適で形状の良いシートがあり、リアには背もたれの角度を電動で調整できる快適なベンチシートがある(別料金)。
パノラマガラスルーフは4cmのコスト
テスト車には1,950ユーロ(約35万円)のパノラマガラスルーフが装着されていた。室内高が4cm低くなり、特にリアで顕著で、背の高い乗員は頭をすぼめなければならない。トランク容量は461~1678リットルで、このクラスとしては少ない。
運転席のディスプレイは設定可能で、カラフルなグラフィックで多くの情報が表示される。14インチのタッチスクリーンはメニューが複雑でうまく機能せず、ステアリングホイールの各種機能設定用のセンサー面も非常に煩わしい。
レクサスの強みは、スタイリッシュなデザインと細部への細やかな配慮にある。上質な素材、整然と描かれた継ぎ目、64色のアンビエント照明、バックカメラ一体型のデジタルバックミラーなど、すべてが完璧に仕上げられている。
Fスポーツには、パーフォレイテッドレザーのステアリングホイールとギアレバー、アルミニウム製ペダルとトリム、レザースポーツシートも装備されている。電動調整式リアシートバックレスト付きパッケージ(3,150ユーロ=約50万円)には、アメリカの高級メーカー、マークレビンソンのリッチでパワフルなサウンドのオーディオシステムが含まれており、強く推奨される。
「RX500h」のハイブリッドシステムは、272馬力の2.4リッター4気筒(ちなみにレクサス初のターボ付きハイブリッド)、フロント(87馬力)とリア(103馬力)に電動モーターを搭載。さらに6速ATと小型ニッケル水素バッテリーを搭載。システム出力は371馬力。
160km/hを超えるとタフになる
テストでは、レクサスは、0-100km/h加速6.1秒、最高速度210km/h。160km/hまでは力強く走り、それ以上では鈍くなる。ガソリンエンジンは静かに走り、高負荷のときだけ負担がかかるが、全体的に車内は常に静かだ。オートマチックのシフトチェンジは素早く、控えめで、トヨタ/レクサスのハイブリッド車によく見られるCVTトランスミッションほど遅れない。しかし、次は悪いニュースだ。テストでは、燃費がリッターあたり9.3kmと褒められる数字ではなかった。
「RX500h」は、全輪駆動、リアアクスルステアリング(最大4度)、アダプティブダンパーを標準装備。2.2トンのレクサスは、リラックスムードを重んじる人にお薦めだ。ステアリングの反応は鈍く、フィードバックも少ない。長い起伏も穏やかに受け止めるが、21インチホイールでは少しドタバタする。
「RX500h F Sport+」は92,500ユーロ(約1,450万円)からで、装備は充実している。クラウドベースのナビゲーション、オートエアコン、ヘッドアップディスプレイ、レザーシート(前席シートヒーター付)、オートパーキング、21インチホイールなどなど。これこそ、日本語でいうラグジュアリーだ。
結論:
このレクサスは、その上質な雰囲気でミンクを室内に運んでくれる。ハイブリッドシステムはよく機能し、活発なパフォーマンス(最高160km/h)を発揮するが、燃費が悪い。そして「RX500h」は高価だ。
Text: Berend Sanders and Dirk Branke
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD