20のイノベーションを備えたフューチャーコンセプトカー「ルノーH1stヴィジョン」登場　ルノーの示すモビリティの未来とは？

H1stヴィジョン：20のイノベーションを備えたルノーの新しいスタディ。ルノーはH1stヴィジョンで、モビリティの未来を物理的にも仮想的にも示したいと考えている。ファーストインフォメーション！

「ルノーH1stヴィジョン」は、ルノーが未来に向けてどのような革新を用意しているかを示すことを意図している。この名称は「ヒューマン ファースト ヴィジョン」の略で、人間に焦点を当てている。ルノーは、「Software République（ソフトウェア レピュブリック）」を包括的名称とする企業連合と共同でこの研究を開発した。

その結果、ルノーによれば、20のイノベーションを体験できる車両が完成した。「ネットワーク化された、物理的かつ仮想的な物体」として、ルノーのソフトウェアレピュブリックの最高執行責任者（COO）であるエリック フォンテュンはそう表現する。

H1stにはバーチャルの双子がいる

物理的かつ仮想的？その通り、「H1st」の最初の特徴は、それを可能にすることだ。物理的な車両は、現在まだ独立したシステムが互いに通信するデジタル空間において、バーチャルツインを持っている。このようにして、さまざまな実際のアプリケーションをモデル化し、視覚化し、シミュレートすることができる。

ルノーによれば、人を中心に据えたこのテクノロジーデモンストレーターには、斬新で安全なバイオメトリックアクセスコントロール、対応するアシスタントを備えたドライバーと車両の健康モニター、乗員や他の道路利用者を保護する予測警告、車両航続距離の最適化、バッテリー充電の改善など、20のイノベーションが盛り込まれている。

充電技術は、主にインバーター、充電器、シリコンの代わりに炭化ケイ素を使ったDC/DCコンバーターなどの新しい部品によって実装される。バッテリーは多少小型化でき、重量とエネルギー効率に有利になるはずだ。クルマの電気をグリッドに戻したい場合は、インテリジェントなエネルギー管理システムによって調整される。

バイオメトリックアクセスコントロールは、基本的に体の姿勢と顔を認識するソフトウェアによって機能する。さらに、ユーザーは名前、身長、写真、ビデオなどの必要なデータを入力しなければならない。この認証システムは、レンタカーやカーシェアリングカーとしての車の利用、運転免許証の確認などを容易にすることを目的としている。

ドライバーの健康を見守る車

フレンチヴィジョンの座席に座る人は誰でも、ハンドルやシートベルト、カメラに搭載されたセンサーの助けを借りて、車によって監視される。例えば、脈拍、呼吸数、声や表情による気分などが記録される。

「H1st」がストレスレベルの上昇を検知した場合、バーチャルアバターが、例えば、呼吸訓練や運転の休憩を提案する。休憩中は、同意により健康データを医療支援サービスに送信したり、医師に連絡したりすることができるようになっている。そして、緊急事態が発生した場合は、救急車サービスに自動的に通知されるようにもなっている。

Text: Sebastian Friemel
Photo: Renault