【クラシック オブ ザ デイ】感慨深い 日本の生んだ純粋なドライビングマシン ユーノス ロードスターが生まれて早や34年・・・

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ロードスター再興のきっかけとなったマツダ ロードスター。マツダMX-5は、ロードスターの予想外のルネッサンスをスタートさせた。その第一世代、MX-5 NAがクラシック オブ ザ デイだ。

1990年にマツダが「MX-5(日本名=ユーノス ロードスター)」を発売したとき、ロードスターはとっくに死に絶えていたと思われていた。しかし、この洗練された日本車は、英国製ロードスターのように上品な緑色をまとい、イタリアンスポーツカーのように陽気な赤色を放ち、2シーターの予想外のルネッサンスを起こした。

「マツダMX-5 NA」に欠けていたのは、イギリスやイタリアの2シーターが持つ悪名高い「信頼性の低さ」だけだった。つまり、初代MX-5は日本車らしい堅実さと信頼性を印象づけた。

快活な直列4気筒エンジンがドライビングの楽しさを提供した。小型の1.6リッターエンジンは当初115馬力、後にコスト上の理由から90馬力が設定された。大型の1.8リッターエンジンは131馬力を発生する。データシートによれば、よりパワフルな2つのバージョンはほぼ200km/h、エコノミーな「MX-5」は少なくとも175km/hという最高速で走ることができた。そして、ファブリックルーフの下ではかなりうるさくなる。

一見すると飾り気のないコックピットだが、優れたフィット感が光る。

ファンから「ミキサー」と呼ばれるこのスポーツカーの強みは、スピードの出る田舎道のカーブにある。後輪駆動、インテークマニホールドインジェクション、シフトトラベルが40ミリも短い5速マニュアルギアボックス、そしてゴーカートから飛び出してきたようなシャシーなど、「MX-5」のレシピのおいしい素材が本領を発揮するのはここからだ。

初代MX-5は錆に蝕まれた

それ以上に、マツダMX-5を魅力的なモデルにしているのは、クラシックなロードスターのドクトリンだ。贅沢な装備はほとんどなく、余計な重量もない。この小さな日本車は、優れた重量配分を備えた純粋なドライビングマシンなのだ。

このようなマツダMX-5タイプのNAは、手入れは必要だが、もはや価値を失うことはない。

しかし、MX-5にも問題がないわけではない。日本車は常に悪天候にさらされるのが苦手で、サビがボディを蝕んだり、ファブリックのルーフにカビが生えたりする。

アメリカでは「ミアータ」として販売されているマツダは、風通しの良いガレージに乾燥した駐車スペースを好む。そうすれば長い間愛用することができるだろう。

大林晃平: このミアータこと、MX-5が発表されたのは忘れもしない1989年。その前後に発表されたのはレクサスLS400とスカイラインGT-Rという、ある意味日本の頂点と言って良い自動車たちだった(NSXも1989年の発表だが、発売は1990年なので、ちょっとだけ後発と記憶されている)。そんな中でもMX-5こと、ロードスターは世界中で大人気となり、今でも日本ではマツダ ロードスターとして、この初代のコンセプトのまま残り続けていることは、大変貴重で素晴らしいことだと思う。

この当時、日本ではユーノス(懐かしいなぁ) ロードスターと呼ばれていたが、海外ではなぜかミアータと呼ばれていた。きっと開発陣にいるはずの(そんな人は実はいなかった)宮田さんが由来かぁ、と思ったものの、そういうことはまったくなく、マツダのコメントによれば、古いドイツ語の「報酬」という単語に由来する、というのがメーカーからの正式発表である。報酬・・・。なんとも軽快な2シーターには似合わない響きだが、ご本家からのコメントがそういうことでは納得するしかないが、実はそれはちょっと違うのではないか、という都市伝説のような話が意外とロードスター乗りの中では知られている。

それはアフリカ人のミアータさんという女性が主人公として登場するのだが、この人が幼少期に両親と一緒にマツダの関係者と会う機会があり、その際に素敵な名前だね、と言われたというのである。

さらにその後、「自動車の名前にいつか使いたい」という手紙をもらったそうなのだが、しばらくミアータという名前の自動車は発表されず、結局10年近く経過した時にミアータMX-5が登場し、びっくりしたという話である。

さらにさらに、ミアータという名前の語源には「人を喜ばせたり幸せにする」という意味がある、とこの出来すぎた話は続くのだが、これが本当なのか嘘なのか、僕には確かめようがない。だが、ドイツ語の報酬(あるいは贈り物、という意味もあるそうだが)という名前に起因するというマツダの正式発表よりも、ロマンチックに感じられないだろうか。そして、こういう嘘か誠かはわからないが、どことなく夢のある話がふわふわと伝わるところも、長年のロードスター人気故だと思う。

ちなみにMX-5の方は何かといえば、最初のMはマツダのMで、Xはスポーツ(じゃあ、CX-5 もMX-30もスポーツなのかよ、と私に対して突っ込まないでほしいが・・・)、5はマツダ内でのセグメントわけの数値、ということであり、ではではユーノスの意味はなんなのさ、と聞かれたならば、最初のEuがラテン語の喜びという意味であり、そこに英語のNumbersをつけ足した造語だそうで、まあこの部分に関してははっきり言って、「なんだそりゃ?」な意味不明な造語なのであった。

蛇足ながら当時のマツダは5チャンネル展開している中の、ユーノスはプレミアムブランドで(って知ってました??)、ロードスターのほかには3ローターで世界初のGPSナビゲーションシステムを搭載したコスモ、これがアルファロメオだったらなぁと言われるほど格好良かった500、ミラーサイクルエンジンの800、世界最小V6エンジンを搭載したプレッソ(ありましたねぇ)のほかに、カーゴ(ボンゴ)もあったし、100(リトラクタブルライトのハッチバック)、そしてシトロエンAX、BX、XM(!!)、ZXなどを販売し、最後の方にはエグザンティアも扱っていた。なんでシトロエンを扱っていたのかいまだにナゾだが、実は西武自動車で売っていたBXとユーノスで売っていたBXは微妙に装備などが異なっていた、というのはどうでもいい情報だが、どうしてそんなことに詳しいのかと聞かれたら、当時、私自身が悩んで、結局、西武自動車からシトロエンBXを購入した歴史を持っているからである。

ちなみにさらに蛇足の蛇足ながら、マツダのオートザム店では、キャロル、レビュー、AZ-3、クレフといった純マツダ車を販売しながら、ランチア イプシロン(Y10 日本ではアウトビアンキ名)、デルタHF、テーマ(4気筒の2.0 ieとV6、さらに8.32も)なども「普通」に販売されていたのだが、後にも先にもマツダの整備工場でフェラーリエンジンがオイル交換されたり、修理を受けたりする光景は空前絶後のことだと思う。

と、ミアータとはまったく違う話になってしまい、申し訳ないけれど、当時のマツダのそんな混沌の時代を乗り越え、2023年の現在までロードスターが生き残り、さらに990Sのような魅力的なモデルを追加しながら、ますます輝きつづけていることは本当に素晴らしい。日本の宝といえよう。おめでとう、ロードスター。

そうそう、ミアータという名前だが、NAとNB時代にだけ北米で使用されたペットネームで、その後は残念ながら(公式には)使用されていない。アフリカ人のミアータちゃんももう立派な社会人(というか、都市伝説の内容から計算すればアラフィフ)、今どこでどのようにお過ごしでしょうか・・・。

Text: Lars Hänsch-Petersen
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD