【インプレッション】アウディe-tronスポーツバック55クワトロ
2020年5月27日
アウディe-tronスポーツバック55クワトロ: 電動SUVの評価は?
アウディの新型e-tronスポーツバックは、ブランド内の電動SUVモデルの遺伝子を受け継いでいるが、あらゆる面で、それらよりはるかに優れている。我々は満を持してテストを行った。
アウディe-tronスポーツバック、それはハッピーエンドの電動SUVだ。我々は当然兄弟モデルを知っている。それはQ7であり、唯一の電動SUV、そしてゴールデンステアリングホイール賞(AUTO BILDの主催するカーオブザイヤー)の勝者でもある。
そして今、E-SUVにQ8が登場する。
チーフデザイナーのマーク リヒテによるスマートなデザインを備え持っている。
そう、このe-tronの全長は、より実用的な兄弟車同様、4.90メートルと大柄だが、デザインの巧みさから大型SUVと感じることは決してない。
我々のテストカーは55クワトロで、それは2つのことを物語っている。
まず、2台のスポーツバック中、より強力なモデルであり、最高300kWのパワーを持ち、408馬力を発揮するということだ。もう一方のe-tronは230kW、313馬力だ。
第二に、それは常に四輪駆動だということだ。E-SUVは、各アクスルに非同期電動モーターが備わっている。
テストを始める前に、確認しておこう。
アウディでは、スポーツバックは5つのドアを持つクーペのようなものであり、充分なスペースは有しているものの、他のモデルよりもより少ないスペースを意味する。具体的には、ヘッドルームの2センチとトランクスペースの45リットルが削除されている。スポーツバックのトランクスペース 615 リットルに対し、e-tronは660 リットルを有する。それでも後部座席を倒せば、1655 から 1725 リットルのスペースが生じる。
このスペース的な犠牲は、美しい外観との交換条件ともいえる。
e-tronは、加速すると本当に一気にダッシュする
そしてこの静けさ!
ギアステージをスポーツ用のSに設定し、ペダルをフルに踏み込み、664Nmのトルクの強烈なパンチに圧倒されている間に、2.5トンE-SUVは5.7秒後にはすでに100km/hに達している。
そして、大変サイレントでもある。
アウディというクルマはもともと遮音性に極めて優れているが、このe-tronこそは王者だ。どこからも軋み音、雑音、騒音は響いてこない。
驚異的だとしか表現できない。
アウディは、テクノロジー満載のEVを作り上げ、すべてのテスラモデルが自主的にリサイクル工場に行くべきと感じるレベルでの品質を構築した。
スタビリティも優れており、車はふらつかず、常に車高を保ったままで、エコからスポーツまで、7種類のドライビングモードが楽しめるようになっている。
アウディ電動モビリティの対価
そして、ここからが本題である、航続距離だ。
e-tronスポーツバック55クワトロの重量は2480キログラム、耐衝突保護フレームと冷却システムを搭載した95kWhバッテリーだけで700キログラムある。しかし、その700キロバッテリーのおかげで、スポーツバックは、通常のe-tronよりも10km多い446kmをカバーできるとのことだ
そのバッテリーは150kWの急速充電ステーションで、30分弱で80%まで充電できる。
その性能は、正直なところ、車輛価格は高いが、競合モデルと比較しても遜色ない。
e-tronのスポーツバックは71,350ユーロ(約856万円)から始まる。
我々のテストカー、300キロワットe-tronの価格は83,150ユーロ(約997万円)だった。比較として挙げるならば、286馬力のディーゼルQ8も77,300ユーロ(約927万円)が必要だ。
またテストカーには1,540ユーロ(約18万円)のバーチャルエクステリアミラーがついており、ドアハンドルの横にある小さなスクリーン、ミラーの画像を送信するような装備がついていたが、残念ながらこちらは実用的とは言えなかった。
テクニカルデータ: アウディe-tronスポーツバック55クワトロ
• エンジン: 各アクスルに1基の電動モーター • バッテリー: 95kWh • 最高出力: 408PS(300kW) • 最大トルク: 664Nm • 駆動方式: 全輪駆動、シングルステージトランスミッション • 最高速度: 200km/h • 0-100km/h加速: 5.7秒 • 全長×全幅×全高: 4901×1935×1616mm • 乾燥重量: 2480kg • ラゲッジコンパートメント容量: 615~1655リットル • 燃費: 26.0~21.9 kWh • 価格: 71,350ユーロ(約856万円)より
結論:
アウディは完成度の高いe-モビリティを作り上げた。
e-tronスポーツバックは、現在、最も魅力的な電動SUVと言える。
ついに、テクノロジーとデザインを介してアウディの新たな攻撃が始まる。
テスラよ、覚悟しておいてほしい。
AUTO BILDテストスコア:2
Text: Andreas May
Photo: Audi AG