イオタの正統な後継車 ランボルギーニ アヴェンタドールSVJ

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ランボルギーニ アヴェンタドールSVイオタ スーパーテスト

短期間ではあったが、ランボルギー アヴェンタドールSVイオタはニュルブルクリンクサーキットの北コース、ノルトシュライフェ(通称緑の地獄)でのコースレコードを有していた。我々はこのホットアスリートをユーロスピードウェイ ラウジッツ(旧名ラウジッツリンク)に持ち込んでテストした。
(Photo:Lena Willgalis / AUTO BILD)
(Photo:Ralf Kund/ AUTO BILD)
伝説のパワーユニット: 6.5リッターV12は770psと720Nmを発揮する。車重はベースとなったアヴェンタドールSよりも72kg軽いものの、それでも依然1736kgある。(Photo:Ronald Sassen / AUTO BILD)

JとはJota、イオタと発音する。ランボルギーニの歴史に置いて大きな意味を持つ。
最初に使われたのはランボルギーニ ミウラだった。
当時ランボルギーニのチーフテストドライバーだったボブ ウォレスの指揮下で、ミウラ改良のためという名目で、レースカーとしてのクオリティを備えたプロトタイプスポーツカーとして開発された。その後3万kmほど走行実験が繰り返された後、創始者フェルッチオ ランボルギーニはこのクルマを資産家に売却した。それは彼自身がモータースポーツには何の関心もなく、ただ完璧なGT作りを追求したかったためでもあった。その後イオタは数人の手を経て、最後はミラノ東部の開通前のブレシア高速道路で走行試験中に事故で大破、全損した。
そしてイオタは神話となった。
その後、何台かのアスレチックイオタが作られた。少数のSVがランボルギーニ自身によって作られ、一部は他の製作所からのイオタ風モデルだった。
その後にもランボルギーニはこのJという略語を数回使用したが、いずれも中途半端なモデルに終わっている。
やはりウォレスの作ったイオタが際立っていた。生産モデルの370psは440psにまでアップされ、ドライサンプ潤滑システム、2基の60リットルタンクを備え、車重は生産モデルの1300kgよりはるかに軽い900kg以下。残忍な力と優れたハンドリングを備えた「J」の潜在能力は極めて高いものだった。

洗練: アヴェンタドールSVJはウラカンに採用されたパフォーマーエアロダイナミックシステム(ALA=Aerodynamica Lamborghini Attiva)を装着、一時的ながら911GT2 RSの持つノルトシュライフェのコースレコードを破った。ALAはコーナリング時にその威力をより発揮する。(Photo:Lena Willgalis / AUTO BILD)
パフォーマンス:5点中4.5点
0-100km/h加速が3秒以下というのは当然のことで驚くには値しない。0-200km/h加速は8.7秒、0-300km/h加速は24.0秒だ。
(Photo: Lena Willgalis / AUTO BILD)
ドライブ:5点満点
この音、レブ、パワー、スロットルレスポンス、約4500回転からの狂気の加速に毎回ハートが鳴り響く。
このパワーユニットは最強の生産型モデル用V12ではないものの(1位はフェラーリ812スーパーファスト)、しかし、それは遊び心と自由な時間を存分に満たしてくれるいたずら好きなやんちゃ坊主だ。
加えて、この全体的な素晴らしい経験に貢献しているのは、シーケンシャル7速ギアボックスで、必要に応じて強引にアップシフトするときにギアを振動させる。
(Photo: Lena Willgalis / AUTO BILD)
スタビリティ: 5点中3.5点
SVJのサスペンションは究極に硬くセットアップされている。ユーロスピードウェイ・ラウジッツには硬すぎたようで、ラップタイム1分29.19以下を記録することはできなかった。問題が発生すると、アウトからインへ、またはその逆にシフトする際に、ウェーブ状の挙動が発生し、車がほとんどジャンプしそうになる。
ランボはタイトなカーブはうまくこなすものの、高速コーナーではフロントアクスルアンダーステアが生じるが、これはタイヤが原因だ。
ユーロスピードウェイ・ラウジッツでのファーストラップ用にはまっさらのピレリPゼロトロフェオRが装着されていた。(Photo:Ronald Sassen / AUTO BILD)
ブレーキ:5点満点
ブレーキは頑丈で効果的であるだけでなく、数回のクイックラップの後でも、ペダルの感触は素晴らしい。アヴェンタドール初といえる完璧なブレーキだ。(Photo:Ronald Sassen / AUTO BILD)
ハンドリング&ドライビングプレジャー: 5点中4,5点
アヴェンタドールSVJをドライブして運転の喜びを感じない人は、車嫌いであるか死者のどちらかだろう。
V12とともに、たとえストレートだけをずっと走ったとしても、無限の楽しみをもたらしてくれる。
ハンドリングも後輪ステアリングで大幅に改善されており、18メートルにおよぶスラロームでは、非常に機敏な動きを見せ、ステアリングは快適でレスポンスもダイレクトなフィーリングを伝えてくれる。
(Photo:Lena Willgalis / AUTO BILD)
コンフォート: 5点中2,5点
テストトラック、ユーロスピードウェイ・ラウジッツからの帰路で、ふたたびSVJに装着されている生産型モデル用シートの横方向からのサポートが十分ではないことを感じた。それはスポーティーな気持ちにはさせてくれても、長時間車内に身を置いていると疲れきってしまう。
特に、シャシーは道路の凹凸に対して非常に直接反応するため、SVJでのより長い距離の移動は純粋に喜びではありえない。(Photo:Ralf Kund/ AUTO BILD)
日常生活: 5点中2点
レーストラックやハイウェイなどに特化した使い方をするであろう、実際の購入者とは対照的に、私たちはショッピングなどの日常業務にもこのモデルを使ってみた。それはそれで面白い体験だったが、街中の様々な場所での使用中に多くの細かな注意が必要だということが運転の喜びを減らすことにすぐに気づくであろう。
(Photo: Lena Willgalis / AUTO BILD)
パフォーマンスに対する価格:5点中2点
421,041ユーロ(約5263万円=欧州価格)という価格は一般市民として合理的に把握することはできないだろう。
もちろん、その希少性、限定生産、使われている高価な材料、そして手作業が特に重要な要素になることは否めない。
限定生産SVJランボルギーニ900台中個のうち600台以上が既に購入されていることを考えれば、潜在的な購入者にとって価格は障害にならないようだ。(Photo: Lena Willgalis / AUTO BILD)
ファンタスティック: 伝説のミウラはすでに「イオタ」として存在していた。そして今、アヴェンタドールはその伝統を受け継ぐ。(Photo:Ronald Sassen / AUTO BILD)

Text: Ralf Kund