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第8世代「BMW 5シリーズ」EVとエステートを加えて登場 車両データを含む全情報!

2023年6月21日

新型BMW 5シリーズが初めて電気自動車になり、エステートカーも登場する。今から50年前、BMW 5シリーズは「ノイエクラッセ(ニュークラス)」に取って代わった。そして今、第8世代が登場する。初めて電気自動車i5と実用的なツーリングも登場する。

1972年、初代「BMW 5シリーズ」は、いわゆる「ノイエクラッセ(ニュークラス)」の後継モデルとして発表された。それから約51年、今、バイエルンの8代目が登場する。最も重要な革新は、ラグジュアリークラスのサルーン(内部構造コードG60/G61)に初めて完全電気自動車のi5が設定されたことだろう。

ツーリング: 新型5シリーズにはエステートも用意される

5シリーズにふさわしく、新世代には実用的なエステートバージョンも用意されている。AUTO BILDのイラストは、「5シリーズ ツーリング」の外観を表している。

先代同様、新型5シリーズにはエステートバージョンも用意されている。
Photo: Bernhard Reichel

ツーリングの最も重要なディテールは、もちろんリアエンドであり、細いテールライトを持つリアエンドは、サルーンのデザインをベースにしたものになると思われる。10センチ近く伸びた全長は、トランクルームの容積にプラスに働くはずだ。しかし、その数値についてはまだ何もわかっていない。プレゼンテーションで発表される予定だ。先代モデルもスペースは決してケチなものではない。560~1700リットルというものだったが、新型はこれを凌駕するだろう。

外見: 小さな7シリーズではない

しかし、新型「5シリーズ」が「7シリーズ」の縮小版に過ぎないと考えている人は、間違いだ。両者は多くの点で似ているが、ボディワークからして大きく異なっている。

まずはフロントから。ラグジュアリークラスのサルーンは、「BMW 7シリーズ」よりもかなり嵩張らないし、ダブルキドニーグリルもかなり人間味のあるものだ。しかし、お馴染みのブリージングオープニングの周囲を照らすイルミネーションは、今回も両モデルに共通だ。

ホイールは最大21インチ

5シリーズでは、高級サルーンとは異なり、一体型のヘッドライトが採用され、当然ながらLED技術も採用されている。多くの先代モデルでおなじみのデイタイムランニングライトの「エンジェルアイズ」ルックは、先代モデルのフェイスリフトでほぼ削除されたが、今回は完全に廃止されている。その代わり、縦に配置されたライトエレメントが片側2つになっている。

リアライトにも新しいグラフィックが採用され、電動ファイブの下部には大きなディフューザーが設置されている。

フロントエプロンには大きなエアインレットがあり、「7シリーズ」のキドニーグリルがまだずっと下まで伸びているところに、冷却用の開口部のためのスペースが増えた。サイドには、いわゆる「エアカーテン」用の通気口が追加されており、乱気流を減らして空力特性を向上させるために、空気がホイールの向こう側に導かれる。

細長いボンネットは4シリーズを彷彿とさせ、鋭く描かれたラインはサイドラインを越えてリアまで伸びているなど、多くのコーナーやエッジがルックスを引き締めている。10種類の塗装仕上げが用意されており、よりカラフルな外観を好む人は、カスタムメイドのラインナップから選べるようになっている。18インチホイールが標準装備され、オプションで21インチホイールも用意されている。

新型5シリーズ、全方位に伸びる

ホフマイスターキンクとして知られるCピラーの付け根のカウンタースイングは、グラフィックエレメントによってエレガントに強調されている。サイドウィンドウの裏側には、数字の「5」がエンボス加工されている。リアセクションは、横長のライトグラフィックを持つ新しいライトが特徴的で、電気自動車仕様には大きなディフューザーが装備されている。

ルックスはこれくらいにして、データシートを見ると、新型5シリーズが再び少し成長したことがわかる。全長5.06mで、大きな7シリーズ(全長5.39メートル)とはまだ立派な差があるものの、先代よりも10cm近く長くなっている。

バイエルンは幅と高さも大きくなっており、BMWはこのサルーンに約3センチメートルを追加した。ホイールベースにも2センチが追加され、フロントおよびリアアクスル間の距離は3メートル弱に伸びている。

【サイズ一覧】
• 全長: 5060mm(+97mm)
• 全幅: 1900mm(+32mm)
• 全高: 1515mm(+36mm)
• ホイールベース: 2995mm(+20mm)
• トランクルーム: 520リッター(5シリーズ+5シリーズPHEV)、490リッター(i5)

インテリア: より広々とした、よりデジタルな空間

外寸が大きくなれば、通常、室内も広くなる。ゆったりとした空間は、高品質な素材の使用と音響的な快適性の向上が見られる。「BMW 5シリーズ」には、初めてレザーを完全に排除したヴィーガンインテリアもオプションで用意されている。

電動調節可能なスポーツシートはこの車種にふさわしく、オプションでヒーターとベンチレーションを装備することができるようになっている。また、リアシートは、外側のシートの背もたれがドアの奥まで伸びているため、肩のスペースが広く、座り心地の良い設計になっている。実用的にもなっていて、40:20:40の比率で分割し、外側のシートと中央のシートの両方を個別に折り畳むことができるようにした。

2つのXXLサイズのスクリーンとインテリアの最新技術、さらにオプションのトリムエレメントは、ラグジュアリーSUVのiXのスタイルで、クリスタルのような外観を備えている。

PHEVのトランクルームは100リッター拡大

ラゲッジルームは、サイズが大きくなったにもかかわらず、先代よりもわずかに小さくなっている。従来の530リットルに代わって、5人乗りのカーゴルームに入るのは520リットルのみだ。ただし、通常の内燃機関仕様とプラグインハイブリッド仕様のトランク容量は同じで、PHEVの方が先代モデルに比べて約100リッター増えているのが新しいところだ。

電気自動車の「i5」では、合計490リットルのトランクルームを確保した。もし、これだけでは実用的でないと考えるなら、バイエルンがツーリングバージョンを追加するまで、もう少し待つ必要がある。

スペースからテクノロジーまで: もちろん、新型「5シリーズ」には「7シリーズ」を彷彿とさせる最新のBMWテクノロジーが搭載されている。インフォテインメントに関しては、BMWは「5シリーズ」に、12.3インチのデジタルコックピットと14.9インチのセンターディスプレイからなる、すでにおなじみのカーブドディスプレイを採用している。全体として、コマンドセンターは以前よりもずっと縮小されたように見える。

クラシックなボタンとコントロールはそのまま

システム全体は、ブランドの他のモデルにも採用されている最新世代のソフトウェア「オペレーティングシステム8.5」によってサポートされている。新しいグラフィック表示に加えて、新しい「クイックセレクト」は、タッチ操作をさらに簡単に、より直感的にするものと思われる。

タッチ操作が苦手な人は、使い慣れたiDriveコントローラーを使用することができるようになっている。BMWによれば、ボタンやノブは「迅速かつ直感的な操作のための理想的なソリューション」であるため、引き続き使用される。ラグジュアリーSUVの「iX」同様、iDriveコントローラーとギアセレクターレバーは、オプションでクリスタルオプティクスを選択することができるようにもなっている。

「5シリーズ」には、クライメートコントロール、ラジオ、ナビゲーションなどの定番機能に加え、総合的なエンターテインメントも搭載される。

新型「5シリーズ」の特別な特徴は、車内ゲームを可能にするAirConsoleゲーミングプラットフォームを統合したことだ。ゲームに必要なのは、ドライバー自身のスマートフォンだけで、これがプレイヤーのコントローラーとなる。車内でAirConsoleアプリを起動した後、カーブドディスプレイでQRコードをスキャンすることで、直感的にスマートフォンと車両の接続を確立することができる。

AirConsoleの統合により、新型5シリーズは、充電休憩中の橋渡し役など、遊び心を誘う。

プレミアムサルーンには、スマートフォンの接続も欠かせない。もちろん、「5シリーズ」にもApple CarPlayやAndroid Autoによるワイヤレス接続が搭載される予定だ。

エンジン: 内燃機関、プラグインハイブリッド、電動バージョン

インテリアと同様に、BMWはボンネットの下にもモダンなエンジンを搭載する予定だ。初めてオールエレクトリックバージョンである「i5」も登場する。市場導入時、電気自動車である「5シリーズ」には、まず2種類のドライブオプションが用意される。

リアアクスルに搭載された電動モーターで駆動し、最高出力250kW(340馬力)、最大トルク400Nmを発揮する「i5 eDrive40」がそのスタート地点となる。ブースト機能を作動させると、さらに30ニュートンメーターが加わり、0から時速100kmまでの標準的なスプリントは6秒とスムーズになる。

さらにパワーを求めるなら、BMWは全輪駆動で最大601馬力、最大820Nmのブーストを持つ「i5 M60」をラインナップしている。BMWは現在、両モデルのバッテリーサイズについて正確な情報を提供していないが、バイエルンは、エントリーレベルの「i5」の航続距離は最大582km、「i5 M60」は最大516kmと言われている。充電は最大205kWで行われ、30分で10%から80%までの充電が可能なはずである。

すべての内燃機関の電動化

電気モデルに加えて、BMWは古典的な内燃機関にも引き続き依存しており、全エンジンレンジを通じて電化されている。最初のモデルは、190馬力の4気筒ガソリンエンジンと197馬力の4気筒ディーゼルエンジンで、いずれも48ボルトのスタータージェネレーターでサポートされている。ディーゼルエンジンには、後輪駆動と全輪駆動が用意されている。

4気筒エンジンに電動モーターを組み合わせ、システム出力は299馬力と489馬力(550e xDrive)を発揮する。必要な電力は19.4 kWhのバッテリーに蓄えられ、550eでは最大97km、530eでは最大102kmの純粋な電気走行が可能になるはずだ。

その後、BMWはガソリンとディーゼルのバリエーションを増やす計画で、その際にはボンネットに3リッター6気筒を搭載することになる。さらに、4.4リッターV8ツインターボ、電動モーター、最大748馬力のシステム出力を持つ「XM」のようなプラグインハイブリッド車も登場する可能性がある。

リアアクスルは最大2.5度までステア可能

内燃機関搭載の新型モデルはすべて8速「ステップトロニック」スポーツトランスミッションでシフトされ、現在最速の「5シリーズ」の最高速度は250km/hに制限されている。BMWはシャシーにも変更を加え、オプションで用意された新しいリアアクスルステアリングシステムは、さらなる俊敏性を実現するためのものだ。

特にスポーティなi5 M60は、全輪駆動で最高出力601馬力、ブーストをかけると820Nmを発揮する。

最大2.5度のステアリングアングルは、カーブでの俊敏なハンドリングを可能にするだけでなく、全長5mを超えるサルーンのターニングサークルを拡大しすぎないよう、11.7mと制限内にしている。また、高速道路でのハンドリングもよりリラックスしたものになると思われる。

価格と市場投入: 新型5シリーズは57,550ユーロ(約890万円)から

もちろん、これだけの新技術がタダで手に入るわけではない。現行の「5シリーズ」は、すでに54,600ユーロ(約845万円)のエントリー価格でディーラーに並んでいる。そして新型は?BMWはそれについてまだ口を閉ざしているが、ひとつだけはっきりしているのは、より高価になるということだ。ベーシックな「520i」は発売時に57,550ユーロ(約890万円)から、「i5」は70,200ユーロ(約1,088万円)から、ショールームで販売されることになるだろう。

新型「5シリーズ」の市場導入は2023年秋、プラグインハイブリッドの「530e」と「550e」は2024年春に予定されている。大きな荷室を好むファンのために、BMWはもちろん第8世代を「ツーリング」として発表し、これも2024年初頭にディーラーに並ぶはずである。さらにエンジンのオプションも順次追加されるようだ。

結論:
「i5/5シリーズ」で、BMWは新たな勢いを見せている。最近登場したメルセデスのEクラスやEQEとの最初の比較は、非常に興味深いものになるだろう。

Text: Sebastian Friemel
Photo: BMW Group