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東京国際消防防災展2023で防災対策の三要素「自助・共助・公助」を改めて認識する

2023年6月21日

梅雨というのに真夏を思わせる6月、5年ぶりの開催となる東京国際防災展2023が東京ビッグサイトで6月15日から18日まで開催された。特殊車輛も大好きな大林晃平が、こういう機器の使用機会が少ないことを願いながらレポートする。

屋内会場2か所、屋外会場1か所と大規模なイベントは、とてもすべてを丹念に見て回ることなどできないほどの規模と内容の充実さで参加者を圧倒するほどだった。私の、そしておそらく皆さんも興味があり、大好きなはずの大型車輛や特殊車輛の展示(一部は座ることも可能)はもちろんのこと、万一の場合の救出器具や数々の防御・耐火服、各種非常用電源、非常食、さらにはドローンやロボットなどの展示などなど、列挙していたら文字数が膨大になるほどの種類が所狭しと展示されており、担当者に説明を受けたり詳細な資料をもらうこともできる。

中にはVRを使った体験型ブースもあるし、消防庁によるデモンストレーションは各種消防・救急車の数に驚くばかりか、ヘリコプターや消防船も加わり圧巻の迫力で展開する。おまけにかなり立派な虎屋のブース(専用ラッピングの羊羹あり)や、オリジナルトミカも販売しているのでおみやげ物にも事欠くことがない。

しばらくぶりの大規模な実体験型イベントということもあり、会場は大賑わいだったし、おそらく参加した誰もが十分以上に実感し満足できるような規模と内容のイベントであった。だが本来はこのような機器や装備の出動するような災害がなければそれにこしたことがないし、あくまでも安心のための「備え」であってほしい。つい楽しかった、面白かった、と会場をあとにしがちだが、私たちが一番痛感しなくてはいけないのは、つい日常で忘れてしまう万一への準備と、そんな災害に備えて日々努力し続けている、多くの方々の英知と汗なのである。

船山株式会社が展示したメルセデス・ベンツ ウニモグをベースとした多目的災害支援車。本来オプションであるはずの自己完結型排土板(湿・乾タイプブレード)と4段のブーム段数を持つ,空車時定格総荷重1.02tのクレーン(URP244 RA1)を装備している。まごうかたなきメルセデス・ベンツとは、本来こういう車のことを言う。
ハイラックスをベースにした救援車両。カラーリングなどがスマートで実にかっこよく、頼もしい。国際救助隊のようだ。
屋外にも特殊車輛が多数展示されている。これは帝国繊維株式会社が屋外に展示したローゼンバウアーだが、アームの動きがスムーズかつ迅速でびっくり。ひっきりなしに来場者が訪れたブースでは、油圧式救助資機材(LUKAS電動油圧救助器具 eドローリック スプレッダーSP333ES,コンビツールSC358E3などを使用)を用いての実際の車両を切断してのデモンストレーションなど見どころ満載であった。また同社の屋内ブースには、帝国繊維の名にふさわしい(というかそもそも同社の歴史的な発端となる)SP-H軽量ホース、耐熱耐摩耗消防ホース、低圧損消防ホース、操法最適消防ホース、ロック町野金具)や、VETTERエアージャッキs.Tecマイティバック他)などが所狭しと展示され、自由に触れることも可能になっており、魅力にあふれていた。
驚くほどの台数と規模で展開する東京消防庁消防部隊による消火・救助デモンストレーション。(写真では見えないが、海上の船からも放水されている)。実に頼もしく迫力満点。(左の車輛からもわかるように、米海軍消防隊参加の日米合同デモンストレーションであった。米海軍消防隊が出動した時には会場内に、TOPGUNのデンジャーゾーンがフルボリュームで鳴り響いていた(本当)。
在日米海軍消防隊も多数参加。制服姿のスタッフは子どもたちの写真撮影に気さくに応じ、大人気。
モリタのブースに展示されていたスカニアベースの21mブーム付き多目的消防ポンプ自動車MVF21。ちゃんとモリタのエンブレムがライト上についているところにご注目。
ヤマハのブースに展示されていた装備満載の全地形型活動車。救援ボートを牽引しているが、実にかっこいい。不謹慎ながら欲しくなってしまった。フロントの赤いタグはもちろんウインチ。
会場にはこの写真のコメットベースのような歴史ある車輛(関東大震災のときに使用されていたT型フォードベースの消防ポンプ自動車や、本格的な国産消防ポンプ自動車1号である、日産180型消防ポンプ自動車も展示されていた)やミニカーの展示もあり、参加者を飽きさせない。
テイセンの出展したメルセデス・ベンツ エコニックベース車は、大容量ポンプ車。電力会社の原子炉へ緊急時の冷却やコンビナート火災などに運用するとのこと。この車輌もまごうかたなきメルセデス・ベンツの一台である。
次回はぜひあなたの目で、この全長8メートルのコンパクトなボディに10000リットルもの大型PPタンクを搭載し、RM15電動放水銃で消火活動にいそしむローゼンバウアーのような車輛に触れ、その頼もしさと魅力を満喫してほしい。

写真のヤマハのステッカー(1シート)を3名様にプレゼントします。ご希望の場合はこちらにご応募ください。

応募締め切りは2023年7月20日、当選の発表は当選者への発送をもって代えさせていただきます。個人情報の取り扱いについては、このキャンペーン以外には一切使用しないことといたします。

Text&photo : 大林晃平