【クラシック オブ ザ デイ】シュワルツェネッガーが生みの親? ライフスタイルのアクセサリー&日常の足としての軍用車 ハマーH1
2023年6月15日
「ハマーH1」は、その巨大なサイズ、マッシブな外観、そしてV8ディーゼルの力強い咆哮で、見る者を魅了する。
この4WDのアイコンは、アメリカ陸軍の4輪万能兵器として誕生し、ハリウッドにまで進出した。しかし、初代ハマーはいくつかの弱点に悩まされていた。
ハマーH1はアーノルド シュワルツェネッガーのおかげで存在する?
民間用「H1」の開発は、アーノルド シュワルツェネッガーにさかのぼるという伝説がある。アーノルド シュワルツェネッガーは、軍用車を気に入って購入した後、メーカーであるAM General社に、より快適なバージョンの開発を依頼した。
1992年に登場したその民間用「H1」、「HMMWV(ハイモビリティマルチパーパスホイールドビークルの略)」のゴツゴツした武骨な外観はそのままに、エアコン、CDプレーヤー、12ボルトの電気系統、革シートなどの装備が搭載された。排気量6.2~6.6リッター、150~300馬力の4種類のディーゼルが工場から供給され、ガソリンエンジンはシボレー製のスモールブロックV8で200馬力のものが用意されていた。
ハイライトは、オフロードでの実力だ。トラック幅が広いので安定感があり、乗り入れ深さは76センチ、地上高は41センチだ。「H1」は高さ56cmの段差を登ることができる。さらに、タイヤ空気圧を車軸ごとに変えることができるタイヤ空気圧コントロールシステムも搭載している。
H1の人生は、アメリカ陸軍の万能車として始まった。兵士たちはこのバージョンを“ハンヴィー”と呼んだ。
軍用ハマーはあらゆるタスクに対応するタフな骨格
1985年、アメリカ陸軍は「H1」の軍用バージョンを就役させた。いわゆる「HMMWV」は、異なるメーカーの一連の先代を引き継ぎ、いわばワンソースですべてを提供するものだった。
「HMMWV」は、陸軍トラック用のポンツーンに乗ったり、航空機から投下したりすることができた。ピックアップや救急車のベースとしてだけでなく、フラッタートップのオープン4シーターとしても利用でき、メンテナンスも容易にできるようになっていた。
運転経験や特別な技能は必要ない。米軍兵士が「ハンヴィー(Humvee)」と命名したこの車は、オートマチックトランスミッションのゴルフと同じように操縦が簡単だ。しかし、ドイツの道路では、2.2メートル弱の幅が「ハンヴィー」や民間の兄弟車「H1」の邪魔をする。そして、100kmあたり16~20リットル(リッターあたり5kmから6.25km)の燃費・・・。
Text: Lars Hänsch-Petersen
Photo: Wolfgang Blaube