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ランボの歴史的1台が日本上陸!「ランボルギーニ レヴエルト」これはV12搭載のHPEVだ!

2023年6月9日

Viva V12!2023年6月、創業60周年に合わせてランボルギーニが闘牛を放った、その名も「Lamborghini Revuelto(ランボルギーニ レヴエルト)」電動化されたフラッグシップは1015馬力、最高速度は350km/h以上!

6.5リッター自然吸気V12、3つの電気モーター、システム出力1015馬力、そしてランボルギーニならではのデザイン: それが、レヴエルトだ。今回V12サウンドはデモ動画でしか聴けなかったが、コックピットをじっくりと見ることができた。

静寂の中、ベールに包まれた「ランボルギーニ レヴエルト」。
アンベールされたランボルギーニ レヴエルト。
ランボルギーニ レヴエルトと左から、デザインチーフのミィティア・ボルケルト氏、プロダクト担当のマッテオ・オルテンツィそして、日本の代表ダビデ・スフレコラ氏。

発表会ではデザイン担当のミィティア・ボルケルト氏、プロダクト担当のマッテオ・オルテンツィそして、お馴染みのダビデ・スフレコラ氏からのプレゼンテーションが行われ、レヴエルトがランボルギーニにとっても特別なものであることが説明された。

会場にはこれまでのV12搭載モデルが集結。ランボルギーニの60年、V12の歴史を肌で感じることができた。

ランボルギーニのフラッグシップという意味では、アヴェンタドールの後継と言えるが、単純な後継とは言い難い。ランボルギーニの新しいフラッグシップと言うべきではないだろうか。なぜなら、レヴエルト今後リリースされるランボの全ては電動化されるのだから。それくらいランボルギーニの電動化のインパクトが大きいということだ。因みに次は、2024年に発表されるであろうウラカンに代わるモデルだ。

発表会の会場で「ランボルギーニ レヴエルト」のデッザンを描くミィティア・ボルケルト氏。

新型「レヴエルト」は、純電動走行も可能なプラグインハイブリッド車だが、実質的にはエコカーとは無関係だ。ランボルギーニは「PHEV」ではなく「HPEV(High Performance Electric Vehicle)」と呼んでいるのだ!

【最も重要な情報とデータ一覧】
● レヴエルトは、スペインの闘牛にちなんで名づけられた
● プラグインハイブリッド車(PHEV)
● バッテリー容量: 3.8kWh
● 電気駆動も可能
● システム最高出力: 1015PS
● 0-100km/h加速: 2.5秒
● 最高速度: 350km/h以上

● V12自然吸気+電動モーター3基搭載
● 6.5リッターV12は825馬力を発揮し、最高回転数は9,500rpmに達する
● 8速デュアルクラッチトランスミッション(V12フラッグシップとしては初)
● オールホイールステアリング
● より広い室内空間
● 4つのロータリーコントロールを備えた新しいステアリングホイール
● 3つのディスプレイ
● 4種類の走行モード+3レベルのハイブリッド設定
● 基本価格: 50万ユーロ(約7,250万円)前後
● 最初の2年間に生産されるレヴエルトはすでに完売
● V12自然吸気エンジン+3基の電動モーター

システム出力1015馬力

6.5リッターの新型エンジンL545は、ランボルギーニがこれまで生産してきたV12の中で最も軽く、最もパワフルなものだ。218kgと、「アヴェンタドール」のエンジンより17kgも軽量だ。同時に出力も780馬力、720Nm(アヴェンタドール ウルティマエ)から、825馬力、725Nmに向上し、リッターあたり128馬力に相当する。レブリミットは9,500rpmに高められ、よりエモーショナルなサウンドを実現している。そこに各110kWの2基の電動モーターがフロントアクスルに搭載され、システム出力1015馬力という破格の数値を実現した。さらに、約30パーセントのパワーアップを実現しながら、約30パーセントの排出ガス削減を達成したことも、印象的な数値だ。

V12の手前(車両後方)に電動モーターの一部が見える。

「アヴェンタドール」と比べてV12が180度回転しているのは、トランスミッションをエンジンの後ろに横置きにしているためだ。ランボルギーニが過去に2回だけ採用したレイアウトで、「ミウラ」と「エッセンツァSCV12レーシングカー」に採用されていた。

新型ランボルギーニのドライブトレイン: ギアボックスがあった場所にバッテリーが配置されている。Photo:Lamborghini

新しい8速デュアルクラッチトランスミッション

ランボルギーニは、トランスミッションにも新開発を選択した。ISRの7速ギアボックスの代わりに、レヴエルトでは8速デュアルクラッチを搭載した。e-DCTトランスミッションユニットの重量は193kgで、トランスミッションの上に置かれ、V12のスターターとバッテリーの発電機として機能するもうひとつの電動モーターが含まれている。このバッテリーは、シート間の旧トランスミッショントンネルに搭載され、3.8kWhの容量を提供する。

この新しいフラッグシップは、「Città(City)」モードで、純粋に電気で走ることができるようになっている。これは主に電動フロントアクスルが担っているが、必要に応じてリアの電気モーターも後輪に電力を供給できるため、電気モードでは全輪駆動も可能である。重量配分は44/56パーセントと良好なものだ。

モノコックはモノフセレージと呼ばれている

新しいクルマ、新しいシャーシ: ランボルギーニは、「レヴエルト」の航空宇宙からインスピレーションを得たモノコックを「モノフセレージ」と命名した。ここでも、大きな努力がなされている。カーボン製造施設は、「レヴエルト」のために近代化され、9900平方メートルから16200平方メートルに拡大された。シャーシの重量はわずか188kg(マイナス10パーセント)、ねじれ剛性はアヴェンタドールより25パーセント以上高いとされている。

俯瞰してみると、モノコックのフロント構造が鍛造コンポジットで作られていることがわかる。Photo:Lamborghini

もうひとつの技術的なハイライトは、フロントのクラッシュボックスも初めてカーボンで作られていることだ。「アヴェンタドール」では、まだアルミニウムの構造に頼っていた。今は鍛造コンポジットが使われている。重量的な利点に加え、この新しい構造は以前の2倍の力を吸収することができるようになっている。

シャーシの後部は、依然としてアルミニウム製だ。しかし、「レヴエルト」では「アヴェンタドール」のプッシュロッドサスペンションがマルチリンクサスペンションになっている。

ランボにしかできないこの姿

カーボンモノコックの上に、デザインチーフ、ミィティア・ボルケルト率いるチームが描いたのは、ランボルギーニならではのボディだ。一目で見て、ランボルギーニ、レヴエルトだとわかるようにデザインしたと強調していた。

「Y]をモチーフにしたデザイン要素があちこちにある。

極端にワイドなフロントエンドは、主にY字型のライトユニットによって、63台しか製造されなかった「シアン」を彷彿とさせる。デイタイムランニングライトのシグネチャーは可能な限りシャープにデザインされ、とにかく決して狭くはない「レヴエルト」をさらにワイドに引っ張る。

一見するとわからないが、「レヴエルト」はすべてのサイズで大きくなっている。「アヴェンタドール」よりも長く、広く、そして高くなったのだ。さらに、イタリア人はダウンフォースを大幅に向上させることに成功した。魔法の言葉、それは「アクティブエアロダイナミクス」だ。

印象的なテールパイプの上には電動で伸縮するスポイラーがあり、その下には、センテナリオのそれに強く似た巨大なディフューザーがある。

もちろんシザースドアだ

我々はレヴエルトのコックピットをじっくりと見せてもらうことができた。まず驚くのはエントランスで、「アヴェンタドール」に比べてシンプルなデザインになっている。もちろん、ドアはV12搭載モデルのトレードマークであるシザースドアだ。

もちろん、V12搭載のレヴエルトには特徴的なシザースドアが採用されている。
書類上、新型レヴエルトは純粋な電動走行も可能なプラグインハイブリッドだが、エコカーとは実質的に何の関係もない。特にすべてのランボファンにとって重要なのは、自然吸気V12は、3基の電動モーターによってサポートされているということだ。

インテリアはモダンだ。12.3インチのデジタル計器のディスプレイはシンプルになっている。センターコンソールの縦型8.4インチディスプレイは、新しいHMIの一部となっている。

中央のモニター上のエアコン吹き出し口にも「Y]のモチーフがある。
助手席前の9.1インチモニターが新しい。

そして、コンテンツは1つのスクリーンからもう1つのスクリーンにスワイプするだけで表示されるようになった。真新しいのは、助手席用の9.1インチディスプレイだ。マラネロは明らかにこれをコピーしているのではないだろうか。

1.85mを超える人向けにも

身長1.85メートルを超える人でも、「レヴエルト」にはゆったりと座ることができるようになっていて、「アヴェンタドール」に比較して、ヘッドルームが26mm、レッグルームが84mm拡大されている。

ラゲッジスペース

ちなみに、ラゲッジスペースには2個のトランクが入ることになっている。さらに、収納スペースも増え、必要であればシートの後ろに荷物を収納することも可能となっている。充電用プラグの差込口もここだ。

レヴエルトのトランクルーム。充電プラグはここに挿す。

4つのダイヤルを備えたステアリングホイール

レーシングカー「エッセンツァSCV12」にインスパイアされ、タッチパネルを一切排除した新しいステアリングホイールには、触覚的に美しい4つのロータリースイッチを備えている。これらは、「ドライビングモード」、「リフト」、「ハイブリッド」、「スポイラー」の設定に使用することができるようになっている。「レヴエルト」では、4つのドライビングモード(Città、Strada、Sport、Corsa)と3つのハイブリッド設定があり、合計13種類の組み合わせが可能となっている。

レヴエルトの新しステアリングホイールは触覚的に美しい4つのロータリースイッチを備えている。ドライビングモード、リフト、ハイブリッド、スポイラーの設定に使用することができる。

最高速度350km/h以上

0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は350km/h以上、レーストラックでは「アヴェンタドールSVJ」よりも速いというのだから、これは期待できそうだ。

これまで述べてきた技術的なハイライトに加え、全輪操舵(最大3度)、ブレンボ社との共同開発によるブレーキシステム(フロントアクスルに10ピストンキャリパーと410ミリディスクを装備)も搭載されている。

タイヤはブリヂストンがレヴエルト専用に「POTENZA SPORT」を開発した。タイヤ空気圧ゼロでも80km/hで80kmまで走行できるランフラットタイヤである。また、冬タイヤは、これまた専用設計の「ブリザック」が用意されている。

レヴエルトは2025年まで完売している

「レヴエルト」は「アヴェンタドールSVJ」よりも高くなると言われているが、すでに2024年と2025年の分は完売していおり、最初の顧客車両は、2023年の最終四半期に納車される予定で生産は進んでいるとされる。キャパシティがフルに活用され次第、1日あたり7台の「レヴエルト」が製造される予定だ。

この時代に9500rpmで回転する6.5リッターV12を搭載することは、ランボルギーニにしかできないことだ!ちなみに、この新しいV12トップモデルは、工場の最も古い部分で生産される予定だ。「ミウラ」や「カウンタック」が手作業で製造された場所だ。そういう意味では、V12万歳だ!

Text&Photo:アウトビルトジャパン