【クラシック オブ ザ デイ】ポルシェのスポーツカーのアイデアの原点を体現しているポルシェ968CS（クラブスポーツ）とは？

ポルシェ968 CSは、ツッフェンハウゼンが生んだスポーツカーのアイデアの原点を体現している。速さだけでなく、ニュートラルさも兼ね備えている。

「911」は、ポルシェの最高峰を意味する。しかし、何十年もの間、4気筒エンジンの方がずっと重要だった。「ポルシェ968CS」のように。これは、ポルシェのドライバーのための車だ。要求が多すぎることなく速く、装備を減らしてスリルを味わうことができる。

クラブスポーツはポルシェのルーツに立ち返る

AUTO BILD KLASSIKは、2018年、「ポルシェ968CS」について、ポルシェのスポーツカーコンセプトの原点に非常に近いと書いている。兄弟モデルよりも少ない装備で、安価に購入できた。

ポルシェは、不振に陥った968の販売を伸ばすために968 CSを考案した。 ウィンドウレギュレーター、ミラー、シート調整などの電装品は省かれ搭載されていませんでした。 ポルシェはステアリングホイールをエアバッグ付き3本スポークモデルに置き換え、シートを軽量シェルに置き換えた。 後部座席はラゲッジネットに変更された。

「968CS」は標準仕様で20mmローダウンされ、17インチホイールも装着された。1994年には、リミテッドスリップディファレンシャルが追加された（希望者のみ）。「968CS」は、快適性よりも動力性能を重視するスポーティなドライバーにアピールすることを意図していた。

968 CSのアスレチックな外観

性能面では、「CS」も普通の「968」と変わらない。3リッター4気筒エンジンも240馬力を発生し、最高速度も252km/hである。とはいえ、このクルマは通常の「968」よりもほんの少し硬く、運動性能は高い。レーストラックでは、そのバランスは納得のいくもので、ドライバーの手によく馴染み、ほとんど見劣りすることなく速く走ることができる。

むろん、当然、購入前には、クルマそのものだけでなく、その歴史も十分に調べておく必要がある。レース場での使用は、必ずしもノックアウトの基準にはならないが、その痕跡は残る。装備が限られる「CS」だが、その価格は、高級クーペ968のそれよりもやや高い。

Text: Lars Hänsch-Petersen
Photo: Jan-Henrik Muche / AUTO BILD