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【初テスト】SUVとなって帰ってきた! 新型ルノー エスパスに初試乗 フランス製7人乗りSUVの性能と使い勝手は?

2023年6月8日

ルノー エスパス初試乗: 新しいコースで宇宙旅行。6代目はSUVになり、7人乗りで、199馬力のハイブリッド駆動が搭載されている。

初代「ルノー エスパス」が発売されたとき、このフランス車は、「クライスラー ボイジャー」とともに、バンという新しいジャンルを確立した。広くて、可変性があって、実用的で、家族向けのクルマ。「エスパス」とは、本来スペースという意味だ。それは1984年のことで、はるか昔のことだ。そして、2023年、「エスパス」の6代目がやってきた。そして、それは、もはやバンではなく、SUVである。技術的には、新型「エスパス」は「オーストラル」の延長版で、ホイールベースが7.1cm、外寸が21.2cm伸びている。

フロントとリアにたっぷりとしたスペース

デザインは現行のルノーラインをベースにしており、基本的には「オーストラル」や「メガーヌE-TECH」と同様である。アップライトで直線的なフロント、非常に狭いウィンドウバンドで上昇するサイドライン、そして典型的なスイープテールライトを持つリアという組合せだ。

新型エスパスに標準装備されている2つの折りたたみ式シートは、小さなお子さまにしか使えないものだ。ただし、この2つのシートはキャンセルすることも可能で、価格は据え置かれる。トランクは7人乗りで159~1714リットル、5人乗りで581~1818リットルの容量を備えてる。

最新鋭のコックピット

コックピットは、「アウストラル」や「メガーヌEテック」にも搭載されている、12.3インチのデジタルメータークラスターと12インチのタッチスクリーンがセンターに配置されている。計器類は設定可能だが、全体的に地味である。マルチメディアはGoogle AssistantとMapsと連携しており、他の表示に迷うこともあるが、非常によく機能している。ルノーはコネクティビティに力を入れており、多くのアプリが統合されている。例えば、子供との長旅のための遊び心のある音楽クイズなどだ。

新型エスパスの車内、特にリアには十分なスペースが確保されている。リアシートは可動式、背もたれの角度も調整可能だ(最大31度)。

エンジンの選択はバリエーションが少なく、というか1種類だ。131馬力の1.2リッター3気筒ターボ、トランスミッションに組み込まれ、ドライブとして利用できる68馬力の電動モーター、スタータージェネレーターとして働き、クラッチレス「マルチモード」トランスミッションでギアチェンジする25馬力の電動モーターで構成されている。これは、eドライブが2速、内燃機関が4速となっている。ニュートラルも含めると、合計15通りの駆動ギアと駆動の組み合わせが可能となっている。システム出力は199馬力だ。

価格は43,500ユーロ(約660万円)から

複雑そうだが、実際そうだ。重量約1.7トンの「エスパス」は、ゼロから100km/hまでのスプリントを8.8秒、最高速度は174km/hでリミッターがかかるようになっているが、このシステムはかなり頻繁に切り替えを行うためぎくしゃくすることがあった。そして、小さな3気筒エンジンは、負荷がかかると緊張した音がする。また、スロットルレスポンスがやや遅れるため、気を遣いながら慎重に走ったほうが楽だ。また、試乗車の20インチホイールでは、かなり硬いという印象だ。リアアクスルステアリング(最大5度、アイコニックに標準装備)はいいアイデアだが、ステアリングは全体的にフィードバックが少ないタイプだった。

新型エスパスは199馬力を誇るハイブリッドシステムを搭載。

価格は43,500ユーロ(約660万円)から。この価格に対して、装備は19インチLMホイール、オートエアコン、LEDライト、ドライブモードスイッチ、スライド式リアシート、センサー付き電動テールゲートなどなど、かなり充実している。今回乗った「エスパス」は「アイコニック」で、20インチホイール、リアアクスルステアリング、アダプティブクルーズコントロール、eフロントシートヒーター、パンチングレザー張りなど、48,300ユーロ(約735万円)だった。ちなみに「クライスラー ボイジャー」は2016年から製造されていない・・・。

結論:
新型「ルノー エスパス」は、スペースが広く、インテリアも可変性が高く、優れた使い勝手だ。SUVとしても。ハイブリッドシステムは、技術的に非常に興味深いものだ。

Text: Dirk Branke
Photo: Renault