レンジローバー スポーツのフラッグシップモデル 新型「RANGE ROVER SPORT SV」を新たに導入
2023年6月4日
ジャガー・ランドローバーは新たに導入する新型「RANGE ROVER SPORT SV」の詳細を発表した。「RANGE ROVER SPORT」史上最もパワフルなモデルで、最も先進的なサスペンションシステムや、ウェルネス効果を備えた触覚オーディオシステムなど、数々のテクノロジーを搭載している。
新型「RANGE ROVER SPORT SV」は、「RANGE ROVER SPORT」のラインアップの頂点に君臨するモデル。エアフローを強化する独自のデザインを採用し、より力強い存在感と地に足のついた美しいスタイルを実現した。
パワートレインは、最高出力635PS、最大トルク750Nmを発生する専用の4.4リッターV型8気筒ツインスクロールターボチャージドガソリンエンジン(MHEV)を搭載します。これは、先代モデルの「RANGE ROVER SPORT SVR」の5.0リッターV型8気筒スーパーチャージドガソリンエンジンよりもそれぞれ、60PS、50Nm増となっています。また0-100km/h加速は3.8秒で、最高速度は290km/hに達し、CO2排出量も先代モデルより15%低減している。
量産車としては初めて23インチのカーボンファイバーホイールとRANGE ROVERファミリー初となるカーボンセラミックブレーキをオプションとして用意し、さらにカーボンファイバーボンネットを含む空力コンポーネントを標準装備することにより、最大76kgの軽量化を実現している。
モダンラグジュアリーフィロソフィーを体現する新型「RANGE ROVER SPORT SV」の初年度生産分は、特別仕様車「RANGE ROVER SPORT SV EDITION ONE」として、招待を受け取った一部の顧客のみに販売される。最高レベルの機能、カラー、仕上げを組み合わせているほか、フロントスプリッター、センターコンソール、トレッドプレート、パドルランプに専用のブランディングを施している。
RANGE ROVER担当マネージング・ディレクターである、ジェラルディン・インガムは次のように述べている。「新型『RANGE ROVER SPORT SV』は、先代モデルの『RANGE ROVER SPORT SVR』を超える大胆な進化を遂げているだけでなく、最も目の肥えたお客様に向けたパーソナライズされたアプローチにおいても、RANGE ROVERの哲学を体現しているのです。」
革新的なダイナミクス
新型「RANGE ROVER SPORT SV」に採用している世界初の6Dダイナミクスサスペンションシステムは、油圧連動式ダンパー、高さ調整可能なエアスプリング、ピッチコントロールを組み合わせている。この革新的なセミアクティブシステムは、従来のアンチロールバーを不要とし、コーナリングや加速時にピッチおよびロールを大幅に低減させてボディを水平に近い状態に保つ。そして、軽量化、グリップの向上、快適性、洗練性に大きく寄与している。
6Dダイナミクスサスペンションシステムは、選択したドライブモードに応じて、コアモデルの「RANGE ROVER SPORT」よりも10-25mm車高を低く設定し、先進のシャシーおよびサスペンションシステムとシームレスに連携して作動する。インテリジェントオールホイールドライブ、オールホイールステアリング、トルクベクタリングバイブレーキング、コンフィギュラブルダイナミクス、アクティブロッキングリアディファレンシャルには「SV」独自のチューニングが施されており、なかでも新採用の「SVモード」は、スポーツカーを彷彿とさせるドライビングエクスペリエンスを提供する。
JLRのビークル・プログラム担当エグゼクティブ・ディレクターである、ニック・コリンズは次のように述べている。「新型『RANGE ROVER SPORT SV』は、最高のパフォーマンス、比類のない魅力、機能性、洗練性を巧みに融合させています。世界最高レベルの専門知識を誇る、当社のハイパフォーマンススペシャリストの実力を示しています。」
新型「RANGE ROVER SPORT SV」は、ジオメトリーと整合性を見直した新しいリア・サブフレームやサスペンションリンクなど、特別に開発したシャシーコンポーネントも備えている。新しい電子制御パワーアシストステアリングラックは、これまでのRANGE ROVERファミリーのなかで最もタイトなレシオで、俊敏性とステアリングフィール向上に寄与している。
RANGE ROVERファミリーとしては初めて、285mmのフロントタイヤと、フロントよりも20mm幅広い、305mmのリアタイヤを装着している。ミシュランのパイロットスポーツオールシーズン4タイヤを標準装備している。
これらのテクノロジーを組み合わせた結果、新型「RANGE ROVER SPORT SV」は、オールシーズンタイヤで、1.1Gを超える横加速度を生み出します。これは、サーキット走行に特化したスポーツカーに匹敵する数値で、先代モデルの「RANGE ROVER SPORT SVR」のサマータイヤ装着時と比較して、22%向上している。
ダイナミックなオンロードパフォーマンスを強化するために、特別に開発したハイパフォーマンスブレーキシステムを採用。標準装備の混合メタルデュアルキャストブレーキと、オプションのカーボンセラミックブレーキ(CCB)のどちらかを選択することが可能だ。
初採用のCCBは、新型「RANGE ROVER SPORT SV」に標準装備の改良型デュアルキャスト鋳鉄製ブレーキディスクと比較して、高温に対する耐性があり、長寿命で、バネ下重量を合計34kg削減、究極のブレーキ性能を実現する。
どちらのブレーキを選択した場合でも、専用のブレンボ製8ピストンOctymaフロントキャリパーとの組み合わせとなり、これはRANGE ROVERファミリーとしては最大サイズとなる。新型「RANGE ROVER SPORT SV」専用に開発されたキャリパーには、ブレーキ効率を最大限高めるために、独自のクロスシェイプピストン配列を採用。この専用キャリパーのカラーは、イエロー、レッド、カーボンブロンズ、ブラックから選択することができる。
さらなる軽量化を追求し、新型「RANGE ROVER SPORT SV」には、量産車としては初となる23インチ超軽量カーボンファイバーホイールがオプションとして用意された。この革新的な5スプリットスポークホイールは、従来の23インチの鋳造アロイホイールと比較して、ホイール1本あたり約9kg(合計35.6kg)軽量で、パフォーマンス、ハンドリング、乗り心地を大幅に向上させる。このホイールは驚くほど軽量で、鋳造または鍛造アロイホイールと同様、最も厳格な耐久性および堅牢性基準に従って設計およびテストがされている。
ドライバーは、ステアリングホイールにある新しい「SVモード」ボタンを押すことで、新型「RANGE ROVER SPORT SV」のダイナミックなハードウェアのメリットを最大限に引き出すことができる。従来の「ダイナミックモード」を超える「SVモード」は、ステアリング、8速オートマチックギアボックス、スロットルレスポンス、エキゾーストノート、6Dダイナミクスサスペンションシステムを最適化し、車高をさらに15mm下げ、最もダイナミックで直感的なドライビングエクスペリエンスを提供する。「SVモード」では、サーキット走行に適したスタビリティコントロールプログラム「TracDSC」も作動する。
自信に満ちたデザイン
新型「RANGE ROVER SPORT SV」のハイパフォーマンスなエクステリアデザインは、エアフローを強化したフロントエンド、形状を見直したボディサイド下部、リアエンドのハイライトであるカーボンファイバーフィニッシャーを備えた4本出しテールパイプのアクティブエキゾーストシステムなどで構成している。「RANGE ROVER」のレタリング、フロントバンパーブレード、グリルサラウンド、ボンネットベント、サイドベントにはカーボンファイバーを使用しており、さらにカーボンファイバーボンネットは、センターセクションを露出させるようにすることもできる。
JLRのチーフ・クリエイティブ・オフィサーである、プロフェッサー・ジェリー・マクガバンOBEは次のようにコメントしている。「新型『RANGE ROVER SPORT SV』のクリーンでリダクティブなデザインは、ドラマチックなプロポーションとスポーティな個性を増幅させます。」
コックピットのようなインテリアには、背面に専用のサテンカーボンファイバーを使ったヘッドレスト一体型SVパフォーマンスシートを採用しており、より立体的な造形のサイドボルスター、ライトアップされた「SV」ロゴを配したバックレストなどを装備している。さらに、軽量で滑らかな手触りの3D Knit to formテキスタイルを使用した、新しいUltrafabrics™ PUインテリアも用意している。世界初の半透明エッジリット付きギアシフトパドルを太くなったステアリングホイール後方に配置し、コンソールにはブラックセラミックのギアシフターがある。
没入感を体験できる触覚サウンド
新型「RANGE ROVER SPORT SV」では、前席の乗員がサウンドを全身で感じることができ、ウェルネス効果を備えた多次元オーディオ体験を提供するボディ&ソウルシート(BASS)を導入した。これにより、新型「RANGE ROVER SPORT SV」は、業界をリードするSUBPAC™の触覚オーディオシステム(世界のトップレコーディングアーティストや作曲家が使用するテクノロジー)を組み込んだ、世界初の量産車となった。
このBASSは、SUBPAC™のAI最適化ソフトウェアと前席乗員の背面にトランスデューサーを組み込んでおり、再生するメディアをリアルタイムで分析し、音源に忠実なオーディオ振動を生成して、極めて魅力的で没入感のある音響空間を作り出します。このシステムは、29のスピーカー、1430WのMERIDIAN™シグネチャーサウンドシステムと組み合わせて作動する。
Text:アウトビルトジャパン
Photo:ジャガー・ランドローバー・ジャパン