トヨタ ハイランダー欧州上陸決定 ハイブリッドモデルのみ
2020年5月18日
トヨタ ハイランダー(2021): ハイブリッド、牽引能力、サイズ、価格、市場導入時期
トヨタの7シーターSUVが欧州にやってくる。トヨタは、最大7人乗りのスペースと広々としたインフォテイメントを備えた大型ハイブリッドSUVハイランダーを欧州市場に新たに投入する。その全情報。
他の国では20年前から存在したが、トヨタ ハイランダーがついに欧州へやってくる。
弟分のRAV4と同じく7人乗りSUVで、TNGAプラットフォームをベースにしているが、RAV4よりかなり大きい。
ハイランダーは全長4.94メートル、全幅1.93メートル、全高1.73メートル。ホイールベースは2.85メートルで、7人乗りでも十分なスペースが確保されている。大人が後列に乗っても問題ないように、2列目を18センチずらすことができる。シート数が多いにもかかわらず、SUVのラゲッジルームに容量は十分に備わっている。そこには658リットルのものが収まり、3列目と4列目のシートを倒すと1,909リットルに増加する。
ハイブリッド仕様のみ
ハイランダーは、アメリカではV6ガソリンエンジンも用意されているが、欧州にはハイブリッド仕様のみが導入される。2.5リッターのガソリンエンジンと、前後のアクスルにそれぞれ1つずつ電動モーターが備わり、四駆動の性能をサポートする(つまり2基のモーターを状況に応じて、それぞれに制御することによって走行する。言ってみればパートタイム式の四輪駆動なのである)。
性能数値に関してはEU市場ではまだ公式に登録されていないが、アメリカ市場では246馬力と指定されている。この比較的ハイパワーのハイブリッドシステムのおかげで最大2トンのトレーラーを牽引できる。
一風変わったデザインのインフォテイメント
ブラックのインテリアは、機能的で日常使いに適したものを目指している。コックピットには、12.3インチのディスプレーを備えた、昨今のトヨタが採用することが多い、珍しいかたちのセンターコントロールユニットが特に目を惹く。通常はセンターコンソールにあるスイッチやボタン類はすべて、付属のディスプレーの下に配置されているが、レクサスで採用され、あまりの使いにくさに、コテンパンに酷評された指でなぞる形式のコマンダーに比べると、はるかに使いやすく好ましいだろう。レクサスも妙なデザインと格式(?)にこだわらず、さっさとあんな使いにくいスイッチはゴミ箱に捨てるべきだ。
また、助手席側からダッシュボードの上にのびる装飾的な要素のおかげで、付属のコントロールユニットを視覚的に保持しているように見える。Apple CarPlayとAndroid Autoで、スマートフォンと宇宙的なインフォテイメントを接続できる。
運転中は、ワイヤレスまたはUSBポートのいずれかを介してスマートフォンを充電することができまる。いずれも目新しい装備ではないが便利なことは言うまでもない。
トヨタは、バックカメラの映像を利用した切り替え可能なデジタルバックミラーも用意している。これはドライブレコーダーとしても機能する(はず)なので、有用な装備と言えよう。
市場ローンチ時期と価格
アシスタンスシステムは、歩行者や自転車も検知する緊急ブレーキシステム、アダプティブクルーズコントロールシステム、交通標識認識システム、車線逸脱警報システム、車線逸脱警報システム、そしてハイビームアシストなど充実している。
トヨタ ハイランダーは2021年に欧州市場に投入される予定だ。
しかしメーカーはまだ価格についてコメントしていない。
我々は、この大型SUVが5万ユーロ(約600万円)を切る価格で販売されることはないだろうと予想している。
この比較的大型のSUVが日本に導入される可能性だが、現時点では低い、だろう。前にも書いたように、新形ハリアーが正式にローンチされ、日本中のトヨタディーラーでは今月から申し込みが開始された。そして現在日に日にバックオーダーが増え続けているほどの好調ぶりだと聞く。
昨年発売されたRAV4も大変好評のまま台数を重ねているし、C-HRも以前として人気が衰えず堅調な販売を毎月続けているし、ダイハツ開発ではあるが、小型のライズも絶好調であり数か月待ちの状況と聞く。
さらにさらに、近々ヤリス(つまりヴィッツ、昔で言うスターレットですね)がベースとなるSUV、ヤリス・クロスもスタンバイ状態で発売間近だし、ランドクルーザーもフルモデルチェンジを控えて最終段階、という状況だからだ。(うっかり忘れてしまいそうだが、レクサスにも覚えきれないほどのSUVがあるのだから、わが国で買うことのできるトヨタ製SUVはものすごく多い)
ハイランダーは7シーターということもあるので、すでに発売中のトヨタ製SUVの中の、さらにニッチな隙間を埋めることはできるだろうし、その場合にはマツダCX-8の強力なライバルになるだろうことは間違えない。7人乗りのハイブリッドシステムを持った、レクサスではない「普通のトヨタブランド」の実用的なSUV……発売すればきっとそれなりに人気を博すだろうし、出すことをもちろん反対する理由などない。だがあまりにも数が多すぎて、ユーザーが覚えきれない可能性も否定できないし、個人的には、もうこれ以上はSUVの車種を増やさなくともよいのではないかな、という気持ちが正直なところでもある、
Text: Katharina Berndt