VWゴルフ8 リコールか? エマージェンシーコール〝eCall″不備

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早くもVW8ゴルフ出荷停止 自動緊急通報システムに問題発生 ソフトウェアに問題か

ゴルフ8の納車停止! 緊急通報システム「eCall」の問題発生によりVWがゴルフ8の納車を停止した。ヴォルフスブルクのメーカーにとって最も重要な大量生産モデルの自動エマージェンシーコール「eCall」に問題発生が理由とされる。その最新情報!

VWは新型ゴルフ8の納車を一時停止した。内部調査によってメーカーは、自動エマージェンシーコール「eCall」が状況によっては確実に機能しないことを発見した。ゴルフ8の一部の車両で、オンライン接続ユニット(OCU3)のコントロールユニットのソフトウェアが確実にデータを送信できない可能性があることが判明したのだ。
その結果、「現状ではeCallの完全な機能を保証することはできない」と広報担当者は語った。
そのためゴルフ8は、いまのままでは、EUの法令2007/46/ECに違反することになる。2018年4月以降、EUで新たに認可されたすべての車種には、「eCall」の搭載が義務付けられているからだ。

すでに納車されたゴルフ8はリコールとなるか?

フォルクスワーゲンは、この問題を連邦自動車交通局(KBA)に通知、報告した。
まずは、現在までに納車された「ゴルフ8」の全車を対象に、ソフトウェアアップデートを伴うリコールが行われると予想されている。
そしてその部分が改善されたゴルフ8の納車がいつ再開されるかはまだわかっていない。
昨年、新型VWゴルフが生産開始された際にも、すでにソフトウェアの問題による遅延が発生していたという。
クルマが走る、曲がる、停まる、という本来持っていなくてはいけないはずの機能ではないかもしれないが、それでも法令に違反することは確かである。
昨今リコールの類はますます増えていることは、もちろん自動車が様々な要因で複雑になり、以前には想像もされなかった機能や性能を持つことで、その部分のテストや検証を行わなくてはいけないという、メーカーの作業や負担は膨大なものになっていることが理由であることは言うまでもない。
さらにメーカーの持つ膨大なラインナップもその作業に拍車をかける。以前の(といってもついこの間のような気もするが)VWであれば、ポロ、ゴルフ、パサート、それにバナゴンのようなバンと、シロッコのような少数の2ドアクーペくらいがラインナップのすべてであった。それがいつの間にか、FFのビートル(もはや生産中止ではあるが)、シャラン、ティグアン、トゥーラン、Tクロス、UP!、アルテオン、それにオールトラックとEVモデルと、年々増加の一途をたどっている。これでは従来のような十分な耐久テストも実証実験も行えないまま世の中に出てしまっていても不思議はない。
他のドイツメーカーも同じ状況ではあるが、開発から実験、さらには生産まで、外部のメーカーに丸投げしている場合も多い。もちろんその場合でも最終責任はメーカーにあるが、それほど最近の開発は複雑で手間がかかっているという証明でもあろう。
今後自動運転システムや、より複雑なエレクトニックデバイスの装着により、エンジニアや実験部門の手間や作業時間はますます増えるのではないだろうか。
21世紀に自動車を作り、リコールの出ないように仕上げるというのはなんと大変なのだろう、とプラモデルもろくに仕上げられない不器用者は妙に心配してしまうのである。

Text: Stefan Voswinkel
加筆:大林晃平