ホンダ シビック タイプR ニュルブルクリンクでのラップレコードを更新! シビック誕生50周年の節目を祝う
2023年4月25日
新型ホンダ シビック タイプRがニュル最速の称号を奪取!よりシャープなルックスとパワーで、ホンダはシビック・タイプRを再登場させた。このコンパクトが、ニュルブルクリンクで記録を更新したのだ。
・ニュルブルクリンク – シビック・タイプRがラップレコードを更新
・外観 – シビック・タイプRの5種類のペイントスキーム
・インテリア – スポーティなアクセントとドライビングモードの改善
・エンジン&ドライブトレイン
・ファーストドライブ回顧録 – シビック タイプRは見た目だけお行儀がいい
シビックの50歳の誕生日に合わせて、ホンダは、スポーツバージョンの「タイプR」をリニューアルした。シビックe:HEVのシルエットをベースにしながらも、お行儀の良い兄貴分よりも、ふくよかで低いスタンスを持つ、日本のコンパクトカーである。
ニュルブルクリンク: FF最速!ラップレコードを更新!
つい最近、日本を代表するホットハッチモデルは、スポーツカーにとって、最も重要なスピード記録のひとつであるノルドシュライフェのファストラップに挑戦した。「タイプR」は、20.832kmを07分44秒881で駆け抜け、前輪駆動車のラップレコードを更新した。
先代は2017年、クルマファンにとって神聖なアスファルトに、1秒短い07分43秒8というタイムをすでに焼き付けていた。しかし、極めて単純なことだが、2019年、当該記録ラップのコースレイアウトが変更され、12.6キロメートルから現在の12.832キロメートルに、232メートルに延長されたのだった。したがって、旧「シビック タイプR」のタイムは、旧コース、200メートル以上も少ない距離で達成したものだった。
外観: 5種類のペイントフィニッシュ
しかし、その前に新型「シビック タイプR」のデザインについて少し触れておこう。フロントでは、細くなった新しいヘッドライトに加え、大きくなった中央のエアインテークが印象的だ。ボンネットは先代よりも少し控えめで、エンジンから暖かい空気を吸い上げるための通気口が設けられている。
このほかにも、フロントホイール後方に空力特性を向上させる大きなエアアウトレットや、大型のリアディフューザーがデザインされている。また、サイドウィンドウはBピラーから先がダークカラーになっている。「タイプR」には、「チャンピオンシップ・ホワイト」、「ラリー・レッド」、「レーシング・ブルー」、「クリスタル・ブラック」、「ソニック・グレー・パール」の5色のボディカラーが用意される。
再び3本のテールパイプを採用
新型スポーツシビックにも、大型のリアウィングが装備されているが、そのデザインはより控えめでフラットなものとなっている。もうひとつ、重要な特徴である、中央に配置されたテールパイプも継承されている。先代は3本のテールパイプのうち、真ん中が他の2本より細かったが、新型では、真ん中が一番太くなっている。
インテリア: スポーティなアクセントと改善されたドライビングモード
インテリアを見ると、ホンダは基本的に水平にデザインされたコックピットやデジタルメーターなど、新型シビックのコックピットをそのまま採用していることがわかる。「タイプR」はそれらに、独自のディスプレイ、スポーツシート、タイプRにお決まりのアルミニウム製シフトノブが採用されている。そしてもちろん、色は黒と赤が支配的だ。
性能データロガー、「Honda LogR」を改良し、収集したデータをスマートフォンアプリに送信。これにより、ドライバーは様々な測定値をリアルタイムでモニタリングし、記録することができる。また、ドライビングセッティングもスポーツ仕様に変更し、「コンフォート」、「スポーツ」、「+R」の各モードで、6つのパラメーターを個別に調整できるようにしている。
エンジンと駆動
先代同様、「シビック・タイプR」はおなじみの2リッター4気筒エンジンを搭載している。「シビック」は自然吸気から、2リッターターボに変更されたため、パワーは310馬力から、その後320馬力、そして現在は329馬力に向上している。最大トルクは、420Nmと、以前より20Nm増えている。その結果、0から100km/hまで5.4秒、最高速度は275km/hとなった。
6速マニュアルギアボックスと前輪駆動
新型「タイプR」には、マニュアルギアボックスも搭載されている。6速ギアボックスはさらに進化し、ドライバーとクルマがよりダイレクトにつながる感覚を実現している。最適化されたブレンボ製ブレーキシステムは、減速に多大に貢献している。
また、新型「シビック・タイプR」は前輪で駆動し、19インチホイールとカスタマイズされたミシュラン製パイロットスポーツ4Sタイヤが、最適なトラクションを確保する。
ファーストドライブ回顧録: 見た目だけお行儀がいい
AUTO BILDは、昨年末にかつてのF1サーキットであるエストリルで、新型「タイプR」を初めてドライブした。ここは、1985年に、アイルトン・セナが、雨の中でF1初優勝を飾った場所であり、その後、ブラジル人レーサーは、ホンダで3度ワールドチャンピオンになることになる。そして、今回も雨だった。しかし、朝、「タイプR」に乗り込むと、コースはまだ少し湿っている。
新型ホンダ・シビック・タイプRの走り
私たちは、徐々に限界に近づくことを好む。いきなり限界走行をすると短時間でセッティングを煮詰めることができないからだ。しかし、スポーツESPは第1コーナーを抜けたところで調整する必要があることがわかった。
滑りやすいし、265タイヤはまだ温度が上がっていない。ちなみに、このタイヤサイズに対応するために、ホンダはフロントアクスルのジオメトリーを調整し、キャンバー剛性を16%アップさせた。
ドライ路面では、そのポテンシャルを発揮することができる
周回を重ねるごとに改善され、どんどん速くなり、コースはどんどん乾いていく。ただし、ステアリングを切りすぎると、すぐにフロントアクスルが滑ってしまう。しかし、ターン4が乾いて、シビックは初めてそのポテンシャルを発揮する。でも、今度はドライコンディションで走りたい。そこで、午後に、もう3ラップすることにした。そして今、「タイプR」は、私たちがこれまで乗ってきたコンパクトカーの中で、もっとも楽しいものになった。
エンジンはパンチがあり、即座に反応し、とんでもなくいい音がする。リアアクスルは常に安定している。それを嫌がる人もいるかもしれないが、信じられないほど速いのだ。そのため、極端に遅れて減速したり、ステアリング角のあるコーナーでブレーキをかけたりすることもできる。
Text: Robin Hornig, Katharina Berndt and Sebastian Friemel
Photo: Honda Motor Europe