【面白ストーリー】マクラーレンF1より速かった1000馬力ワンオフモデル ローテックC1000ってどんなクルマ?
2023年4月24日
ローテックC1000:1995年に登場したこの1000馬力のワンオフモデルは、マクラーレンF1よりも速かった。カーボンシャシー、1000馬力、400km/hを超える最高速度は、当時としてはまさにクレイジーなものだった!
多くの人にとって、このクルマは謎に包まれた存在であり、いずれにせよ、多くの点で注目に値する。その近未来的なデザイン、非常識なエンジンスペック、そしてワンオフカーとしての地位など、「ローテックC1000」は間違いなく非常に特別なクルマだ。
パガーニがメルセデスベースのV12エンジンを搭載した「C12」を発表するずっと前に、シュトゥットガルトからもう1台の90年代のスーパーカーが自動車界に旋風を巻き起こし、無名のまま消えていった。
3.4百万ドル(約4億6千万円)の生産コスト
ワンオフの「C1000」を開発したのは、グループ2やグループCのレーシングカー、そして精巧なポルシェの改造で知られる、独バイエルン州コルベルムーアのローテック(Lotec)社。1990年、アラブ首長国連邦の裕福なビジネスマンから、「世界最速のクルマを作ってほしい」という依頼があり、1991年から製作を開始。
そして、1991年に開発、製作が開始され、約4年の歳月と340万USドル(約4億6千万円)を費やして、「C1000」は納車された。シャシーとボディにカーボンを使用し、重いエンジンを搭載しながらも、総重量は1,080kgにとどまった。
エンジンといえば、ローテックはメルセデスに協力を求め、5.6リッターV8をリアに搭載し、ヒューランド社の5速レーシングギアボックスを介して、2基のギャレットターボチャージャーにより、後輪に1,000馬力という驚異的なパワーを伝えた。パワーウエイトレシオから想像できるように、ローテックC1000はかなり軽快だった。0-100km/hのスプリントタイムは3.2秒とされ、8秒後には200km/hのマークに達した。
最高速度は400km/h以上
現在の基準で考えても、十分すぎるほどすごいことだ。理論上の最高速度は431km/hとされていたが、この値は実際には検証されなかった。その理由は、当時、その速度に耐えられるタイヤがなかったからだ。
しかし、テストをおこなったレーサーのクルト ロッターシュミッドによれば、テスト走行では、380km/hに達したという。この魅力的なハイパーカーは、「carscoops」が報じたように、最近売りに出されて、アメリカ人によって購入されたが、「C1000」がいくらで取引されたかは不明だ。その時点で、この1台はわずか4,145kmしか走っていないことも確認された。
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Text: Sebastian Friemel
Photo: instagram/werarecurated