さよならダッジ チャレンジャー マッスルカーの残酷なまでの性能を有した最終型「ダッジ チャレンジャーSRTデーモン170」とは?

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「ダッジ チャレンジャーSRTデーモン170」1040馬力(!)のスペシャルモデルでさようなら。ダッジ チャレンジャーに搭載されたヘミV8の時代が終わろうとしている。そのフィナーレを飾るのは、マッスルカーの残酷なまでの性能を有した特別仕様車だ。

「ダッジ チャレンジャー」と「ダッジ チャージャー」の未来は、電気自動車だ。ダッジはすでにそのことをまぎれもなく明言している。ボンネットに野太い、伝説のヘミV8エンジンを搭載する時代は終わったのだ。ファンが内燃機関に別れを告げるのを少しでも容易にするために、アメリカのメーカーは「ダッジ チャレンジャー」と「ダッジ チャージャー」のラストコールエディション、合計7種類を発売することにした。

いずれも限定車であり、特別な装備が施されている。1,000台限定のチャレンジャー「シェイクダウン」から始まり、同じく1,000台限定のチャージャー「スーパービー」、「キングデイトナ」、「ブラックゴースト」、そして「チャージャー」と「チャレンジャー」の特別仕様車「スウィンガー」の6バージョンと7番目となるバージョンの「デーモン」。だが、その「ナンバー7」は2022年のSEMAでデビューする予定だったが、スーパーチャージドV8エンジンの安定性に問題があり、さらなる改良のために初公開が延期された。

時速100kmまで2秒を切る

6.2リッターHEMI(ヘミ)V8エンジンが全面的に改良され、3リッターのスーパーチャージャーと組み合わされている。このV8モンスターにE85燃料を供給すると、驚愕の最高出力1,040馬力(!)と最大トルク1,281Nm(!!!)が後輪を駆動するのだ。パワーは、おなじみの8速オートマチックトランスミッションで伝達される。通常の燃料を充填した場合でも、912馬力を発揮する。

ドラッグストリップでの安全性を高めるために、オプションでロールバーとブレーキパラシュートが用意されている。

これによって、「チャレンジャーSRTデーモン170」は1.66秒で時速60マイル(97km/h)を突破することになっている。結局、「デーモン」は完全停止状態から1/4マイル(約402メートル)までを8.91秒で走りきり、最後にはスピードメーターに243km/hが表示される。しかし、実際にドラッグストリップでこのパワーを使いたい「デーモン」購入者は、ロールバーとブレーキパラシュートを同時に付属品から注文しなければならない。0-1/4マイル走行を9秒以下でこなす車にはこれらを装備する規定になっているからである。

3,300台しか生産されないチャレンジャー デーモン170

「チャレンジャー デーモン170」の外観は、ボンネットに大型のエアインテークを装着し、専用フロントエプロンで後方のラジエーターにフレッシュエアを供給している。そして、トランクリッドにはファットなスポイラーリップが装着されている。タイヤはオプションで2ピースのカーボン製ホイールに装着される。

インテリアは、ロールバーとドライバーズシートのみだ。ただし、レザーを含むフルキャビンオプションも注文可能となっている。「チャレンジャーSRTデーモン170」は、米国市場向けに3,000台、カナダ向けに300台、最大3,300台が製造される予定だ。ダッジは、ベース価格を96,666ドル(約1,300万円)と発表している。

Text: Sebastian Friemel
Photo: AUTO BILD / Stellantis