【サーキットテスト】マンタイレーシングによる666万円のチューンナップが施されたポルシェ911 GT3 その圧巻の走行性能とは?

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マンタイ ポルシェの戦闘力を確かめる。ザクセンリンクでの1分27秒93が十分な速さでないかのように。マンタイレーシングは最適解をキットに詰め込んだようだ。GT3はどこまで速くなるのだろうか?

45,114.09ユーロ(約666万円)!現行「ポルシェ911 GT3」用のマンタイキットが、まさにこれだけの値段なのだ!クレイジーだろ?この値段で、リアルスポーツマシン、つまり4つの車輪とシャーシといくつかのスポイラーを手に入れることができるのだ。しかも、ただのキットではない。マンタイのスペシャルなノウハウがたくさん詰まっているのだ。

マンタイに言わせれば、頻繁にサーキット走行をするドライバーが常に求めている「おもちゃ箱」を提供しているだけなのだ。コーナリング性能のさらなる向上、シャーシの調整オプションの充実、コンポーネントの軽量化、ダウンフォースの強化などなど。「GT2」や「GT3 RS(991.2)」では、ノルトシュライフェ(ニュルブルクリンクサーキット北コース=通称”緑の地獄”)で市販車より4.7秒、2.1秒も速く走ることができたのだ。

エアロパッケージは控えめに見えるが、効果的である。

キットはどこで買えるのか?

45,114.09ユーロ(約666万円)のキットには、圧縮・伸長ダンピングとスプリングレートが調整可能なコイルオーバーサスペンション(フロント: +10%、リア: -7%)、リアホイール用のエアロディスクを含む20/21インチの軽量ホイールセット(タイヤなし)、専用ブレーキパッド、スチールフレックスライン、大型フロントリップとフラップ、アンダーボディ内の追加エアディフレクター、大型サイドプレート付きカーボンリアウイングなどのエアロパッケージが含まれているのだ。どこで買えるのか?マンタイで、またポルシェセンターでも、「ポルシェ テクイップメント」の一部として正式に販売されている。

標準的な「GT3」と比べて、「マンタイGT3」はどのような走りをするのか?我々はそれを知りたいと思い、ザクセンリンクサーキットへのサポートを含むマンタイへのマシンの貸与を依頼した。マンタイは快く我々のリクエストに応じてくれた。今、冬晴れの中、ピットではS-GO 5006がジャッキアップされている。ワクワクドキドキ。

アンダーボディの様々なエアディフレクターと、大きなリアウイングがより多くのダウンフォースを生み出す。

2人のマンタイメカニックが、60度で予熱され、空気圧1.85バールに調整された使用済みのミシュランCup2Rのセットを組付ける。キャンバーは2.3度、リア ウィングは急勾配に設定されている。さらに前後のダンパー調整(クリック)は、フロント伸び側、低速(7)、高速(9)、(縮み側)低速(7)、高速(8)、リア(伸び側)低速(7)、高速 (9)、(縮み側)低速(7)、高速(6)に調整済みだ。

そしていよいよテスト開始。正確なコーナリング、自然吸気エンジンの雄叫び、ギアボックスが常にボクサーエンジンにシンクロし、コーナー出口での負荷のかけ方も完璧だ。よし、ボックス、ボックス、もっと速く走れるようにしよう。熱の入った新しいカップ2-Rタイヤを装着し、スロットルに火を入れる。

信じられないほど速いマンタイ

「マンタイGT3」は決してレールにはめ込まれたメカニカルグリップモンスターに進化しているわけではない。荷重の変化や慎重なステアリング操作に反応し、コーナーの立ち上がりでは多少のドリフトを許容し、ブレーキングでカーブに入る、まるで遠心力を打ち消すように勝手に曲がっていく。非常に繊細で精度が高く、オンザレール感覚でコーナーをクリアする。

装備のせいかもしれないが、マンタイは部品が軽いのに、ノーマルより4kgも重いのだ。

とにかく速い。信じられないほど速い。もはや、レーシングカーの領域だ。このザクセンリンクで先代より3.3秒速いタイムを記録した。しかし、信じられないことだが、このポルシェとマンタイは「まだいけるはずだ」と固く確信しているかのように私を煽る。

スペシャルサスペンションを装着すると、縁石を無鉄砲に飛び越え、グリップと自信は標準車とは別世界のように感じられる。ターンイン時の挙動の速さは、他の追随を許さない。ステアリングは、最高のフィーリングで円を描く。

伸び側・縮み側の4段階調整が可能なコイルオーバー式サスペンションはテスト用にセットアップされた。

初回アタックタイム: 1分27秒91、ほぼ平均的なタイム。ブレーキでコンマ数秒アップかな?クリーンで、ポイントまで完璧で、安定性もあり、標準の「GT3」より明らかに優れている。負荷が大きくなると、ブレーキがどんどん良くなるのだった!

そして3周目、VWブリッジの下の高い縁石をさらに速く越えるために、ブレーキングポイントをさらに3メートル後に設定した。その結果、クルマは非常に落ち着いていて、セットアップを工夫すればもっと速く走れるはずだ。1つか2つの高速コーナーでは、フロントアクスルの追従性が向上し、中央のウィングのセッティングで十分かもしれない。

結局、ラップタイムをさらにコンマ8秒短縮することができた。このレベルの高性能車では傑出したものだ。

テクニカルデータおよび価格: ポルシェ911 GT3マンタイ
• エンジン: B6、縦置きリア
• 排気量: 3996cc
• 最高出力: 510PS@8400rpm
• 最大トルク: 470Nm@6100rpm
• 乾燥重量: 1,454kg
• 0-100km/h加速: 3.4秒
• 最高速度: 318km/h
• 平均燃費: 8.0km/ℓ
• 価格: 224,413ユーロ(約3,300万円)より

結論:
「GT3+マンタイパッケージ」を買って、完璧なセッティングをすれば、少なくとも新型「911 GT3 RS」と同等の走行性能(+速さ)は得られるはずだ。

Text: Guido Naumann
Photo: Ronald Sassen / AUTO BILD