【面白ネタ】いいな 素晴らしいな ビンテージカータクシー さすがドイツ人 こういう発想、日本にも欲しいな  ぜひ乗ってみたーい

874
- Advertisement -

ビンテージカータクシー: メルセデス・ベンツ190、ヴォルガ、VWブリ、アウディ100、そしてフォード スコーピオ。このクラシックなタクシーたちは、まだまだ現役。AUTO BILD KLASSIKは、1990年代前半のクラシックなタクシー5台を取り上げた。

何度も何度も特殊車両がタクシーとして設計されてきたが、定着したのはごく一部である。世界的に有名なロンドンタクシーも、メキシコシティのヴォーチョ(VWビートル)も、アメリカのチェッカータクシーも、どれも完璧なものではない。

タクシーは24時間稼働していることが多く、採算が取れてこその設備投資的商品である。そのため、最も高価な候補者が選ばれることが多いというわけだ。メルセデス。例えば80年代に他メーカーの本格的なサルーンが買えるような金額では、小さな「190」しか手に入らなかったのだが、車輪のついた広告看板として採用された。

タクシードライバーのための息を呑むような新車割引制度

そして、業界内で噂になった。ドイツでは、他のメーカーも、タクシー車両は街角で何十万人ものお客の目に留まるために、息を呑むような値引きをすることがよくあったと。例えば、「フォード スコーピオ」や「アウディ100(5気筒ガソリンエンジンのみ)」や「VW T3」がタクシー乗り場にやってくるようになったのだ。

東独のメルセデスは「ヴォルガ」と呼ばれた。トラビやヴァルトブルクに慣れたドイツ国民にとって、「M24」は夢のような車であった。タクシーの代名詞だった。そして、そのタクシー乗り場はビッターフェルト(ザクセン=アンハルト州)にあるのだが、そこにも行かなければならない。普段は運転席から評価することが多いのだが、今回は後部座席からのインプレッションとなる。乗車口、スペース、シートベルト、トランク、インテリアデザイン、通気性、快適性はどうか?

フォード スコーピオ: 釘付けになるディーゼル

それでは、1台目のタクシーに手を振って乗車してみよう。フォードの「スコーピオ」だ。席に着くと、後席では足を組むこともできる。プジョーのディーゼルの92馬力は、1.5トンの重さに対応する必要がある。運転手との会話は、ダッシュボードの、どこかまだらなプラスチックの風景に視線を注いでいればいいのだ。

1990年のフォード スコーピオ。このように、タクシーサインを持つ「ライトアイボリー」のスコーピオは、常にアウトサイダーであった。フォードは、スコーピオの洗練されたエアロダイナミクスを誇りにしていたが、お客さまは決してそれに魅力を感じていない。

なぜなら、この車は爪を立てるようなひどい音と大味なクルマの代表格だからだ。コールドスタートで石炭ストーブのような煙を出すのも、年式のせいかもしれない。90年式で37万km、おそらくそれ以上走っているはずだ。それ以外は目立たない車だ。サスペンションは快適で、ステアリングは十分に正確だ。

それ以外の点でも、昔の中級車であるフォードは、あまり刺激的ではない。1985年、業界紙が「今、世界で最も美しいフォード」と絶賛したが、お客さん(タクシー利用者)にはどうでもいいことであった。だが、世界初のABSを標準装備していた。

メルセデス190: 非常に窮屈な室内

ベルリンの壁崩壊直後の1990年、シュプレーヴァルトの小さな企業家が工場から購入したタクシー装備の「ベビーベンツ」は、走行距離ゼロ。32年後の現在、70万kmを走行しているが、ほとんど消耗していない感じだ。運転席をはじめ、すべてのシートが完璧なのは、やはりタクシー仕様のためで、表皮の凸凹が大きくなっているだけだ。

1990年のメルセデス190(W201)。タクシーパッケージでは、運転席ドアのアームレストに施錠可能なマネーボックスとアラームボタンが用意されていた。1990年には、ドイツ国内のタクシーの約65%がメルセデス製だった。

一方、車内の狭さには苛立ちを覚える。狭いドアもあまり開かず、後席の足元も狭く、背の高いドライバーが助手席のシートを後ろにスライドすると、後席との隙間はゼロに近づいてしまうのだ。「W201」のトランクも、赤ちゃんサイズ(410リットル)だ。

でも、一度座ってしまえば、安心感がある。当時、真新しかった75馬力の「OM601」プリチャンバーディーゼルエンジンは、どこか遠い地下で音を立てていた。しかし、完全に密閉されているため、不快感は全くなく、これは当時のセンセーションであった。そして、ハンドルを握ると、その走りのよさに驚かされる。調和がとれている、バランスがとれている。「190」は良い靴のようだ。当時としては新しいスペースステア方式のリアアクスルは、カーブでのハンドリングが素晴らしく、機敏で軽快な走りを実現している。

GAZヴォルガM24: 酒豪のロシア人

東ドイツのタクシー運転手は、西洋の車を手に入れることができなかったのだ。ドイツ民主共和国でタクシーを運転することは、ヴォルガを運転することだった。そこに、本物の幻の巨人がいることが判明したのだ。「M24」は全長4.73mという堂々たるサイズだが、ドアはかなり小さめだ。

また、リアに大きく張り出した部分には、思いのほか小さなトランクが隠されている。この点でも、当時、巨大なブーツは、主にかさばるスペアホイールと大きな燃料タンクに占有されているため、巨大なブーツにしか見えなかったアメリカ車をコピーしたものである。

1976年発売のGAZヴォルガM24。

ヴォルガは、1968年から8年間という驚異的な年月をかけて作られた。デザイン的には、1976年式が一番古い。そして、最も希少なもの。ヴォルガはすでに東独でも極めて希少である。しかし、だからといって、その品質について結論を出すことはできない。残念ながら、ソビエト連邦時代の製品には、比較対象があまりないのだ。

ヴォルガの走りはどうなっているのか?言ってみれば、素朴な感じ。欧米のモデルのしなやかさは、コピーされなかった。他に優先すべきことがあったのだ。やはりロシアの地形は、「M24」にサバイバルに不可欠な地上高を要求した。堅牢なサスペンションはバッキバキ、ドラムブレーキは割と緩やかに減速してくれる。しかし、80km/hという最高速度は、退屈だ。そのくせロシア人らしく、お酒も好きで、11リットル以上飲む(リッターあたり9km)。

アウディ100: プレミアムな憧れ

5気筒のガソリンエンジンを搭載したアウディは、残念ながらあまり良いとはいえないが、とても楽しい。ああ、あの素晴らしい5気筒の咆哮は、まるでラリーの「クワトロ」のようだが、もちろんとても控えめだ。加速するときは、特にウェット路面では前輪に気を配る必要がある。今のクルマとほとんど変わらない正確なステアリング。さらに、鋭い切れ味のブレーキ、柔らかいオートマチックトランスミッションなど、「アウディ100」がプレミアムであろうとする努力が感じられる。

1986年のアウディ100(タイプ44)。

また、外観についても、スチールとアルミニウムの複合ドアは、後に大型の「アウディA8」で採用されるオールアルミニウムへの移行を予期させるものだ。後部座席は、「フォード スコーピオ」と同様、ゆったりとしたスペースが確保されているのがいい。ステアリングの後ろも、すぐにくつろげる。駐車の時だけ、長い車なので大変だ。しかし、タクシーは駐車するのではなく、停車するだけだから問題ない。

ついにビッグBMWやメルセデスの仲間入りを果たしたという野望は、「タイプ44」のラインにも表れている。超空力(Cd値0.30)は、当時の世界記録である。しかし、市街地ではほとんど役に立たない。晴天時には、急勾配の窓のため室内がかなり熱くなるため、燃費対策としてエアコンが必要になるのだ。

VW T3ブリ: 量は多いが勢いはない

同時代の「VWバス」では、そんなことは忘れ去られている。「VW T3」は、プレミアムでもなく、スピードもなく、確かに快適性もない。めちゃくちゃ広いスペースと少ないパワー、そしてもろい性格の組み合わせだ。高速道路では、公称127km/hの最高速度が可能とはいえ、制限速度ギリギリで走るのがベストだ。70馬力のターボディーゼルエンジンを搭載する「T3」は、ギア比が極端に短く、3速オートマチックしか搭載していないからだ。

VW T3ベルリンタクシー(1988年製)。

これが「ベルリンタクシー」の仕様である。そして、VWが1987年に思いついた、分断された都市の西側でタクシー業界にクルマを提供するというアイデアである。城壁都市では、最高速度や華やかさではなく、積載量、ランニングコストの低さ、メンテナンスのしやすさが重要視されたのだ。「ブリ」はその条件に合っていたようだ。オートマチックトランスミッションにターボが組み合わされ、確かな走りを実現していた。また、電動リモコンスライドドアは乗降を容易にし、自動で伸縮するステップも備えている。

VWの「T3」が優れているのはその広さであり、なぜタクシーでその点を重視しなかったのか、あるいはされていないのか、不思議だ。一方、品質や雰囲気は、機能的にはもろいままだ。エンジン音はうるさいし、スライドドアはガタつくし、表面は上質に見えるのに、どこにもエレガントさがない。しかし、他の4人の仲間たちと同じように、タクシー運転手もクルマの世界と同じように多様であることを示している。

クラシックカータクシー5選

1990年製のメルセデス190D(W201)、1986年製のアウディ100タイプ44、1988年製のVW T3ベルリンタクシー、1976年製のGAZウォルガM24、1990年製のフォード スコーピオ(右から)など、初代のままで走行距離を稼ぐ車たち。

VW T3 ベルリンタクシー

ベルリンのタクシーは、タクシー5人組の中で最も珍しい存在かもしれない。70馬力のターボディーゼルを搭載したこのT3は、超ショートギアで、トランスミッションは3速ATのみ。1987年、ベルリンのタクシードライバーを魅了するために誕生した。積載量も多い。コンパクトな外形寸法、良好な全周囲視界、許容範囲の燃費、容易なハンドリング。

一方、ベルリンでは、高性能や最高速度が求められていたわけではなく、ドイツ民主共和国の広大な海に浮かぶ島のようなものであった。このとき、ベルリン周辺の田園地帯に遠出する人はいなかったのだ。だからターボディーゼルはそれで十分だった。

メルセデス 190 D (W 201)

メルセデス190 D(Cd値0.33)の優れたエアロダイナミクス、しかしスペースは非常に小さい。でも、メルセデスは今でもいい顔をしている。ボンネットの下には、75馬力のOM 601プレチャンバーディーゼルが収まっている。

フォード スコーピオ

スコーピオのタクシーは、ゆったりとしたプロポーションだが、90年代のフォードの典型的なデザインで、とてもプラスチッキーだ。

角張ったノッチバックはコーヒーブレイク時にコーヒーカップを置くスペースを提供する。

アウディ100

タクシールックでは、アウディ100(タイプ44)も同様に珍しい。Cd値(空力値)では世界チャンピオンだったが、街乗りではあまり意味がない。一方、アウディは日差しの強い室内でヒートアップしてしまう。

ハンドルカバーは後付け。いずれにせよ、オートマチックは毎日のタクシーライフを楽にしてくれる。パワフルな5気筒エンジンを搭載したアウディには十分なパワーがある。

ヴォルガM24

東ドイツのドイツ民主共和国では、ヴォルガM24は西側のメルセデス以上にプレミアムな車であった。

2.5リッターの排気量と98馬力、これらは長いカーライフのための良い前提条件だ。ドイツ民主共和国ではRAL1015のライトアイボリーを使用する義務がなかったため、タクシーは白、青、黒など様々な色が使われていた。

このタクシー5人組は、合計で約160万kmの走行距離を記録している。だから、元タクシーを買うというのは、特別な勇気がいることなのだ。だが間違いなく魅力的だ。

Text: Bernhard Schmidt
Photo: autobild.de