VW ゴルフ8 エントリーモデル価格発表! 本国では2万ユーロ弱
2020年5月1日
VWゴルフ 8ベースモデル(2020): 価格、エントリーレベル、基本装備、ライフパッケージ
日本での価格が気になる 新型VWゴルフ 8だが、エントリーモデルの欧州市場向け価格が正式に発表された。その価格は2万ユーロ(約240万円)を切った。
これが1リッターのエントリーモデル。たっぷりした扁平率のタイヤと地味なホイールキャップ。これはこれで質実剛健で実によい。本来、ゴルフとは、そしてフォルクスワーゲンとは、こういうクルマのことを言うべきなのだ。
フォルクスワーゲンは新しいVWゴルフ8のベーシックバージョンを公表し、価格を明らかにした。
VWは、そのラインナップで最も人気のあるモデルである、第8世代コンパクトクラスを20,000ユーロ(約240万円)未満から提供するという約束を果たし、近い将来、19,995ユーロ(約2,399,400円)という価格で販売開始される。しかも、昔はエントリーモデルといえば3ドアモデルであったが、今回は5ドアモデルとして提供されるというのだ。
しかし、過去最低のベース価格でどれだけの装備のゴルフを手に入れることができるのだろうか?
我々は、最安値のゴルフ8が何を提供しているのか、そして様々な装備を追加するにはいくらかかるのかを調べてみた。
基本的なゴルフは 90 馬力
正確にはタイトルが付けられていない基本バージョン1.0 TSIのボンネットの下には、90馬力3 気筒エンジンが搭載されている。
ギアシフトは5速マニュアルトランスミッションを介して行われる。
ベーシックバージョンのゴルフ8のボディカラーは、写真にある「ウラングレー」一色のみとなる。そしてハブキャップ付きの15インチスチール製ホイールを採用している。
インテリアを見ると、2つのディスプレイを備えた最も手頃な価格のゴルフは、決して装備をケチられているようには見えず、スピードメーターはデジタルで、ラジオは大型タッチスクリーンで操作する。しかし、デジタルの機能のいくつかは当然省かれており、レンジは最も安価な構成でやや貧弱なものであることも確かである。
これらの追加機能は便利だ
もう少し快適さを求める人なら、ある程度の追加装備は避けられないだろう。
最も安いソリッドカラーペイント(白)は230ユーロ(約2万7千円)の追加料金がかかり、メタリック効果の場合はさらに610ユーロ(約7万3千円)の追加料金がかかる。
アルミホイールなしではダメな人は、980ユーロ(約11万7千円)の追加料金で交換することができるし、ホイールの直径も 16 インチに増加する。
快適さの機能に関して言うなら、このエントリーモデルには超音波センサー式のパーキングエイドは標準装備されていない。しかしこれも580ユーロ(約6万9千円)で装着できる。このPDCシステムは、背面だけでなくフロントでもビープ音を鳴らしてくれる。
VWの価格表によると、クルーズコントロールは220ユーロ(約2万6千円)のエクストラな費用がかかる。
あなたが寒い季節に暖かいシートを望むならば、加熱システム付きのフロントシートとレザーのステアリングホイールとがセットになったウィンターパッケージが、625ユーロ(約7万5千円)で追加できる。
真ん中のディスプレイにより多くの機能を与えるためには、225ユーロ(約2万7千円)の「App-Connect」オプションが便利だ。これによって、Apple CarplayとAndroid Autoを兼ね備えた高価な車載ナビゲーションシステムに取って換わる。
記載されたすべてのエクストラコストを合計すると、2,860ユーロ(約34万円)となる。
つまり、「ほかのゴルフ並みの」追加装備を備えたベースモデルゴルフの価格は最終的に22,855ユーロ(約274万円)となるという理屈だ。
そう考えると普通のTSIコンフォートライン並みの価格になってしまうわけなので、このベーシックなゴルフを、ジーンズとTシャツ姿のように、あっさり乗るためには、自分がどのオプションを本当に必要とし、どのオプションを切り捨てることが良いのか、熟考を重ねてからオーダーすべきであるともいえる。
「ライフパッケージ」はわずかに高い
我々の構成では、ゴルフはすでに、「ライフパッケージ(注:日本で言う、TSIコンフォートパッケージ)」の水準に近づいている。新しいVWゴルフ8ライフパッケージは、基本バージョンで、我々が選択した追加装備をしたベーシックバージョンより2,090ユーロ(約25万円)高い、24,945ユーロ(約299万円)で、アルミホイールは標準装備されている。
しかし、「ライフパッケージ」の最も重要なポイントは、より強力なエンジンだ。ここでも1リッター3気筒エンジンがボンネットの下で作動しているが、90馬力ではなく110馬力なのだ。20馬力の差は大きい。この差をどう考えるのか、そして価格との兼ね合いを、もう一度見直してみるべきである。
VWゴルフ 8は、ベーシックなベースモデルでも、最低限必要なすべてを備えている。
しかし、もう少し高レベルでの快適性を重視する人は、より多くのエンジンパワーとより良い標準装備を備えたゴルフ「ライフパッケージ」が賢明な選択ではないかどうかを検討すべきだろう。決してこのエントリーモデルを否定する気はないが、オプションの価格を考えた時には、素直にうなずけないことも確かである。
追記:
ベースモデルがあって、自分の好みで追加装備を選べるというのは素晴らしいアイデアだ。日本市場に導入されるかどうかについては、はなはだ懐疑的だが、実現したら、大きな話題になるだろうし、若い層を含め、多くの新しいゴルフファンが生まれることは間違いない。
ゴルフとは、そしてフォルクスワーゲンとは、本来このベーシックなモデルのような車であるべきだし、今の「プレミアム」なゴルフが正解なのかどうかは、疑問に感じることも多い。個人的にはこの質実剛健なゴルフを、ぜひ見てみたい。
Text: Andreas Huber
加筆修正: 大林晃平
Photo: Volkswagen AG