【動画付き】ヴァルター ロールのスーパーポルシェ
2020年4月30日
ヴァルター ロールの愛車 911ターボエンジン搭載ポルシェ356 Bロードスター
ラリー界のレジェンド、ヴァルター ロールは、情熱的なポルシェドライバーとして知られている。最近、彼は911ターボのエンジンを搭載したオープン356という非常に特別なポルシェを手に入れた。
ポルシェを知り尽くしているヴァルター ロールは、もはやどのツッフェンハウゼンの遺伝子を持つスポーツカーを見てもほとんど驚かない。ラリー界のレジェンドであるローレルの日々の暮らしとポルシェへの情熱を知っている人ならば、誰でもこのことは理解できるだろう。
結局のところ、ロールはあらゆるタイプのポルシェに乗ってきただけでなく、数々の歴史的なモデルの開発にかかわってきた。ポルシェの歴史の中で数々のマイルストーンモデルの開発における彼のテストドライバーとしての貢献は多大なものだ。
しかし、そんなことよりもっとすごいことが彼のプライベートライフに起きたのだった。ロールはつい最近、自分のガレージに特別なポルシェのニューカマーが届き、感激しているのである。
260馬力のスペシャルポルシェ
航空機メカニックのビクトール グラーザー氏は、偉大なるアイデアを、ポルシェ356をベースに思いついた。グラーザー氏は長年オーストラリアに住んでおり、そこでは偉大なポルシェ愛好家として知られている人物だ。そんな彼がヨーロッパに帰ってきたとき、彼の3台のポルシェ356も一緒に戻ってきた。
現在、ヴァルター ロールのガレージに納まっているのは1959年製のポルシェ356 Bロードスターで、グラウザー氏がオーストリアに戻った時にはすでに1977年製のポルシェ930の6気筒ターボをリアに備え、260馬力を発揮する356だった。
しかし、残念ながらグラウサー氏はこのプロジェクトを完成させる前に、2008年に不慮の事故で亡くなってしまう。
そこで、クラシックポルシェのスペシャリストとして実績のあるディーツが、グラウサー氏の遺志を継ぐことになったのである。
スーパー356は、その時すでにポルシェ911 Sを彷彿とさせるフロントリップ、ボンネットの2つのエアインテーク、フレアフェンダーを備えていた。
ディーツはさらにレストアを行い、溶接と必要な板金作業を行い、エンジンとシャシーを調整し、フロントガラスをボディに取り付け、右ハンドルを左ハンドルに変更した。
その間に356 3000 RRと命名されたこの車は、赤とシックなスレートグレーのペイントで新しいインテリアも手に入れた。
最終的にクリエイターのグラウサー氏は、お気に入りのポルシェに356/930という名前をつけていた。
車の新しい名前は、「ロール ロードスター」だ。
ロール、熱情を発揮
ヴァルター ロールは、ディーツによって改造された356の試乗を依頼されたとき、最初は懐疑的だった。しかし、スーパーポルシェのバランスの良さを実感するや、彼はたちまちこのクルマに夢中になったという。2度のワールドラリーチャンピオンがそのパフォーマンスに抵抗できなかったのも不思議ではない。
「本当に楽しいですよ」と彼は、この特別なポルシェについて語っている。
ボンネットの2つのエアインテークには、ロールが以前にモンテカルロラリーで4度の勝利を収めたときの優勝プレートが取り付けられたほど、この車に魅了されているのである。
Text: Lars Hänsch-Petersen