【このバイクなんぼ?】チャーミングで希少なクラシックスクーター ハインケル ツーリスト 60年以上前の独製スクーターはいくら?

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夏を夢見て: この歴史的なスクータータイプの「ハインケル ツーリスト」は現在eBayで売りに出されている。写真で見ると、赤黒く塗られたボディはまるで工場から出荷されたばかりのような非常に良いコンディションだ。

「ハインケル ツーリスト(Heinkel Tourist)」は、1953年から1965年にかけてハインケル航空機で製造されたスクーターである。

60年代、スクーターに乗る。一方でイタリアからはドルチェビータバージョン、つまり様々なデザインのベスパが登場した。その一方で、「ハインケル ツーリスト」もあった。ずんぐりと張り出した板金ボディで、車輪がほとんど見えないという、いかにもドイツらしい二輪車である。

つまり、地中海の優美なデザインに対抗する印象的なデザインだ。そして、いくつかの利点もある。ハインケルは1954年の製造当初から4サイクルエンジンを搭載していたので、2ストオイルの香りのするマフラーはない。さらに、2代目「102 A1」シリーズからは、電動スターターが採用されて面倒なキックスタートから解放された。

eBayに出品されたのは、1961年に製造された最強のエンジンを搭載した「103 A2」という最終段階のツーリストである。9.5馬力を発揮し、300kgのスクーターを時速95kmまで加速させる。保護シールド(骨董品店やハインケルクラブで入手可能)をねじ込めば、時速100km以上にもなると言われている。

シールドの有無にかかわらず、「ツーリスト」はその名にふさわしく、快適でスムーズ、そして経済的な乗り心地を実現している。エンジンはトリプルマウントで、旧シリーズのような気になる振動を解消している。また、全長が0.5メートル以上長くなったことで、荷物や同乗者のためのスペースも広くなった。燃料タンクは11リットルで、300km以上の走行に十分な容量だ。

他のスクータータイプ同様、ツーリストのタンクもシート下にある。ヴィンテージスクーターは無垢な姿を見せている。

多くの写真から判断すると、出品されたモデルは素晴らしいコンディションである。塗装はオリジナルの赤と黒のツートンカラーだ。まるで納品初日のような輝きで、その修復のレベルが信じられないほどだ。板金損傷は写真では確認できない。

タッチダウンなどの事故被害の手がかりとなるランニングボードも、無傷の状態を保っている。もちろん、明るい場所で入念な目視検査が必要だが・・・。そして重要な点は、ハインケルにはクラッシュバーがあり、車体へのダメージを効果的に防ぐことができることだ。

スピードメーターの表示が17,061kmとある。スピードメーターは5桁しかないので、すでに最初の10万km以上を走ったと推測される。ほとんど摩耗していない。

ハインケル ツーリストのチェーンがよく封じ込められている

「ハインケル ツーリスト」のタイプは、技術的にあまり要求されない。すべての部品はクラブやインターネットで入手可能だ。ギヤの動きが鈍い、あるいは粘りがある場合、必ずしも不具合があるとは限らない。多くの場合、慎重に調整すればよいのだ。チェーンはカプセル化されているので、汚れが付着することはない。

出品されたハインケル製スクーターは、半年前に新たに車検を受けたばかりで、技術的には欠陥がないはずだ。スピードメーターは17,061km。目盛りは5桁なので、すでに一度「ゼロヨン(10万km)」を超えているものと思われる。しかし、この程度の走行距離であれば、エンジンや車両に問題はない。

条件次第では良い提案

ハノーバー地域の売り手は、赤と黒の観光スクーターに3,200ユーロ(約45万円)を要求している。コンディション3、つまり目に見える傷がある中古品の場合、正式な見積もりは2,900ユーロ(約42万円)程度だ。もちろん、この個体の場合、目に見える不具合はない。このシリーズの希少なコンディション「1」、つまり新品同様の車両が5,600ユーロであることを考えれば、この価格は決して過大なものではないだろう。

ショックアブソーバーとホイールベアリングの機能を点検する必要がある。クラッチのつながりや滑りはどうか、すべてのギアがシフトアップするか、長時間の立ち乗りでブレーキがきつくなっていないかなども、未舗装路で確認することができる。

Text: Roland Wildberg
Photo: ebay.de/zuendapp-le