「トヨタGRカローラ サーキットエディション」を文字通りサーキットでテストドライブ 世界中で人気の日本製高性能小型車の走りやいかに
2022年12月12日
GRサーキットエディションは、トヨタカローラをコーナリングプレデターへと変身させる。トヨタはヤリスに続き、その兄貴分をGRラインナップに選んだ。我々は、そのGRカローラ サーキットエディションをサーキットで走らせてみた。
ぽっちゃり系の「トヨタGRヤリス」は、スポーティな小型車ファンなら誰もがハマる、まさにマジックキューブ(ルービックキューブ)だ。そして今、トヨタはその兄貴分である「カローラ」に、少なくともアメリカでは、ちゃんとビタミンを補給しているのだ。「トヨタGRカローラ サーキットエディション」をご紹介!
巨大なウィングフレア、巨大なエアインテークを持つ武骨なフロント、あらゆる種類のスポイラー、カーボンルーフ、3本のテールパイプを持つリアエプロンなど、日本人はこのコンパクトなワールドモデルに強力なビジュアルアタックを施したのだ。このようなクルマは、ボンネットの中にいろいろなものが入っているに違いない。そうなんです、その通り!
300馬力のGRカローラ
フロントには1.6リッターターボ3気筒エンジンが搭載され、6速マニュアルギアボックスを経由して最高出力300馬力、最大トルク370Nmを発揮し、両軸にトルセンデフを備えた可変4輪駆動に供給される。通常の走行モードでは、駆動力の60%がフロントに送られるが、リアヘビーがお好みの方は、センターコンソールのロータリーコントロールで最大70%のパワーをリアに送ることができるようにもなっている。
カローラの車体で、たくさんの楽しみを
1.5トン近い車重を持つ「GRカローラ サーキットエディション」は、静止状態から100km/hまで、6.1秒で駆け上がり、最高速度は230km/hで電子制御リミッターが作動する。トヨタはトレッドの幅を広げ、路面と連動するスティッキーな235ミリ幅のミシュラン製パイロットスポーツ4タイヤを装着している。
総じて、トヨタはシャシーのセッティングに見事に成功している。ステアリングからのフィードバックは素晴らしく、パワー配分によっては駆動力さえも邪魔にならない熱いコーナリングを実現することができる。カントリーロードでは、頑丈な日本製のスポーティなコンパクトモデルは運転するのが本当に楽しい。
誰もがその音を好むわけではない
喉越しといえば、「GRカローラ」の3本出しエキゾーストはゴロゴロとした音がするが、エンジンはまったく別物だ。1.6リッターターボユニットは、3つの燃焼室から十分なパワーを得ていることだけは否定できない。
少しガラガラしたビビリ音は、今も昔も好みの問題だ。そして、エンジンの話もついでに。100km走行あたり9.8リットル(リッターあたり10.2km)という数値は、すでに過大な燃料消費量である。もし飛ばしたら、当然のことながら、高額の快楽サーチャージを支払うことになる。
また、ドライバーの操作性を向上させるために、「GRカローラ サーキットエディション」には、シートやペダルの形状を工夫したスポーツシートが採用されている。本革のステアリングホイールは、暑くなるとアルカンターラのカバーがあるとさらにグリップ感が増すと思うが、本革の表皮もとても気持ちいい。デジタルメータークラスターはやや過負荷気味だが、情報の洪水にはすぐに慣れる。
これはダッシュボード中央の8インチタッチスクリーンにも適用され、ナビゲーション、サウンドシステム、車両機能のコントロールに使用できる。スポーティなコンパクトモデルとして印象的なのは、さまざまな安全システムに加え、エアバッグだけでも10個を搭載していることだ。
ドイツでは未発売
「トヨタGRカローラ サーキットエディション」は、米国では42,900ドル(約610万円)から販売され、ドイツでの発売は予定されていない。だが、昨今の日本製高性能コンパクトモデルの人気の高さや「GRヤリス」の成功などを鑑みれば、ドイツ(&欧州)でも、かなりな需要は見込まれると思われるのだが・・・。
Text: Stefan Grundhoff
Photo: Toyota