【チューニング特集その9】記録更新なるか? ブラバス ロケット900 ブラバスのチューンナップしたメルセデスAMG GT 63は900馬力!

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900馬力のオーバーザトップロケットで記録更新を目指す。2006年のオリジナルに劣らず、ブラバス ロケット900は印象的だった。

2005年、ブラバスは「ロケット」という名の怪物を発表し、自動車界とIAA(フランクフルトモーターショー)来場者に衝撃を与えた。外観はやや控えめだが、板金の下は完全に再設計された「メルセデスAMG CLS」だ。

ブラバスが目指したのは、「世界最速のリムジン」である。もう一度言う。ボットロップに本拠を置く同社は、1996年に330km/hの「E V12」で、すでに記録を達成していたのだ。そして2003年には、時速350.2kmに達する「E V12ビトゥルボ(ツインターボ)」を発表したのである。次は、さらにスピードを上げることだった。

視覚的にも技術的にも、パワーアップした4.5リッター、8気筒ビターボは芸術の域に達している。

それはどうやって?V8からV12に換装し、排気量を5.5リッターから6.2リッターに拡大し、大型ターボを2基搭載することで、より高性能を実現したのである。全部で730馬力、1320Nmという驚異的なパワーだ。2006年にイタリアのナルドサーキットで開催された、「コンチ ハイスピードイベント」で、新記録を樹立するのに十分な性能だった。そして、期待通り、ブラバスのドライバー、ハンス ゲオルク ホーンがついに365.71km/hという息をのむような記録を打ち立てたのだった。

ロケット900は330km/hに制限

14年後、ブラバスはこの伝統を受け継いでいる。そして、これは現行の「メルセデスAMG GT 63」をベースにした「ロケット900 ワン オブ テン(ONE OF TEN)」と、その名の通り、900馬力の強さを誇る。排気量をアップし、あらゆる仕掛けを施して・・・。

カーボン製のウィングを延長することで、リアは7.8cm広くなり、335のタイヤを装着するのに十分なスペースが確保された。

新記録?まだ、新型「ロケット」は重量とタイヤの関係で330km/hに制限されているが、もっと速く走れる可能性は高い。過去の記録を破る瞬間は近いうちにパペンブルグで見られるだろう。その際には最新の情報をお届けする。

テクニカルデータ&価格: ブラバス ロケット900
エンジン: V8ツインターボ、フロント縦置き
排気量: 4407cc
最高出力: 900PS@6200rpm
最大トルク: 1050Nm@2900rpm
駆動方式: 全輪駆動/9速オートマチック
全長/全幅/全高: 5066/2068/1439mm
乾燥重量: 2,120kg
0-100 km/h加速: 2.8秒
最高速度: 330km/h
平均燃費: 8.6km/ℓ
価格: 500,000ユーロ(約7千万円=2020年当時)

結論:
2006年に発売された「ロケット」のオリジナル最速記録達成車は、もう手に入らない。だから、現行モデルで「やりくり」する必要があったのだ。そして、その印象は先代に勝るとも劣らないものだった。力強い姿、とどまることを知らない稲妻のような速さ。

Text: Guido Naumann
Photo: Brabus