誰がなんと言おうとあの頃は楽しかった 過去20年のヤングタイマーの価値 その1
2020年4月27日
未来にクラシックになる可能性を持つヤングタイマー×75台
すでに懐かしく、そして楽しい。多くの古い車がスクラップになってしまい、クラシックカーになるのはごくわずかだ。しかし、これらの車は将来クラシックになる可能性を秘めている! 過去20年間のセレクション。
90年代から2000年代前半の車は、今でもストリートシーンの一部として活躍している。この時代は長寿のヤングタイマーが多い。
それとは別に、アウディA4、メルセデスSLR230、ボルボS80などは今でも非常にモダンな走りをしている。
しかし、そのクルマがすべてクラシックになるために必要なものを持っているわけではない。
結局のところ、コレクターズカーには日常の整備とは異なる要求が課せられているのだ。そして、本当の車好きは、古いルノーやシトロエンの愛好家が昔から知っているように、何よりも寛容である。日常のお供とコレクターズアイテムの境界線は、激しい議論の対象となっている。
しかし、過去20年間のいくつかの車については、その判断は簡単だ。
2030年には、これらの車はオールディーズフェアに出没し、クラシックラリーの一部を形成しているはずだ!
ここでは、クラシックの可能性を秘めた車を主観的に選んでみた。
さあ能書きはそのくらいにして、早速始めよう。
ヤングタイマー約75台、アルファベット順にご紹介。
アルファロメオ164
アルファロメオ164(1987年~1997年): 伝統派のアルフィスティが不平不満を言おうとも、我々は前輪駆動がアルファの魅力を損なったりしないということを知っている。それに164は素晴らしいV6エンジンを搭載している。
デザインよし、四輪駆動さえもあったメカニズムも当時かなり凝っていた。ランチア・テーマ、フィアット・クロマ、サーブ9000という兄弟もいる。
Photo: Aleksander Perkovic
アルファロメオ スパイダー
アルファロメオ スパイダー(タイプ916、1994年から2005年): 四半世紀に及ぶスパイダーのユニークなフォルムを捨てたことは、多くのベテランスパイダーファンの怒りを買ったのだった。しかし、新しいスパイダーは一貫したウェッジラインで見事に二極化を果たした。今日、そんなことを試みるメーカーがどこにあるだろうか?
深海魚のようなフロントグリルも好事家にはたまらない。
Photo: Sandra Beckefeldt / AUTO BILD
アルファロメオ159SW
アルファロメオ159SW(2005年から2011年): 世界でももっとも綺麗なワゴンの一台。そして今後のアルファロメオのデザインを考えた時に、よりその価値は高まることも予想される。
蛇足ながら、159セダンのほうは当時の映画の悪役として登場することが多かった(例えば、007とか)
Photo: Holger Schaper
アルファロメオ ブレラ
アルファロメオ ブレラ(2005年から2011年): それは、最も美しいアルファクーペの系譜に非常にフィットしている。ジュリエッタ スプリント、ジュリアGT、ブレラ。きれいで、余計なものを一切まとっていない完璧なプロポーションだ。 もうこういうアルファロメオは世の中に登場してくれないのだろうか。
Photo: Manufacturer
アウディ カブリオレ
アウディ カブリオレ(1991年から2000年): 前オーナーに台無しにされなかった多くの個体が生存する。素晴らしい5気筒エンジンの一部もオリジナルのままで残ってくれることを願っている。ノーマルでさらっと乗って、動態保存してやりた。
Photo: Hans-Joachim Mau
アウディTT
初代アウディTT(1998年から2006年): デザインの古典として生まれ、そのスタンスを貫いた。鉄兜のようなデザインだが、未来でも評価されること間違いなし。
Photo: Uli Sonntag / AUTO BILD
アウディV8
アウディV8(1988年から1994年): 今日のアウディのラグジュアリークラスは、親しみという点からは程遠い。そして、2つ目の理由はV8を運転するのは本当に楽しいということだ。地味だが、理科系の理屈っぽいエンスージャストにはぴったりの1台だ。
Photo: Christian Bittmann
アウディR8
アウディR8(2006年から): 唯一のサラブレッドであるアウディのスーパースポーツカーは、すでにエクスクルーシブで例外的なレーサーだ。そしてドイツのスター、ポルシェが独り勝ち状態の今日、R8はますます希少価値を増している。ロバート・ダウニー・ジュニアのように髭をはやして、アイアンマンのステッカーを貼って乗ろう。
Photo: Werk
アウディRS6
アウディRS6(2002年から2004年): そのボンネットの下には、コスワース製のエンジンが搭載されている。それはクワトロ四輪駆動システムを備えたバージョンとしてのみ利用可能だったからだ。そして、トランスミッションの寿命のために、パワーは450馬力に制限されていた(それでも十分以上、であるのでご心配なく)。
Photo: Audi AG
BMWバウアTC4
BMWバウアTC4(1992年から1996年): E36世代のうち、4ドアモデルとして製造されたのは311台のみ! 希少性を求めるハンターたちは、この奇妙なバウアを見て素通りすることはできない。
Photo: BMW Group
BMW Z3クーペ
BMW Z3クーペ(1998年から2002年): Z3クーペは2シーターのエステートカーとしての特別な役割を果たしている。その奇妙なシルエットとM3エンジンを搭載した車だ。普通のM3はアメリカ製だが、これはちゃんとドイツ製なのも高ポイントの理由だ。
Photo: Toni Bader
BMW M5 E34
BMW M5 E34(1988年から1995年): 魅惑のストレート6を搭載した4ドアスポーツカーだ。今のM5のようにやりすぎ感も少なく、そういう意味では本筋のM5である(本当はこれぐらいのアンダーステートメントであるべきだ)。
Photo: BMW AG
BMW 1シリーズ
BMW 1シリーズ(第1世代、2004年から2011年): 最後の本当にコンパクトなBMWの後輪駆動車を恋しく想い嘆いている。第一世代は特にコンパクトで貴重。M130なども大変バランスよし。
Photo: Angelika Emmerling
シトロエンC3プルリエル
シトロエンC3プルリエル(2003年から2010年): ある時、ふとオーナーズマニュアルに目をやれば、そこにはトップのアーチブリッジが取り外せると書いてある。これにより、このコンバーチブルピックアップセダンは、シトロエンの純正クラシックとしてカルト的な地位を獲得するのに十分なステータスを有している。
でも取り付け、取り外しは慎重に。あっという間にピラーのツメが折れて、使えなくなったり、幌が破れたりする。
Photo: Christian Bittmann
シトロエンC6
シトロエンC6(2005年から2013年): このハイドロニューマティックのユニークさだけで、他のどんなモデルとも異なる。デザイナーたちが与えた少し目立ちすぎるデザインも希少価値を高めている。さらに言えば、このころのハイドロが壊れることはほとんどない。最後の大型巡洋艦ハイドロシトロエンである。写真のようにC6でもこんなコーナリングが可能ではあるが、普通はやっちゃいけない。
Photo: Toni Bader
DS5
DS5(2011年より): バン、エステートカー、航空機のコックピットをミックスした印象的なスタイルは、多くの保守的なモデルよりも多くの窓を備えている。思い出に残る、際立ったキャラクターを備えたタイプだ。
Photo: Uli Sunday
クライスラー300C
クライスラー300C(2004年から2010年): クライスラーのスワンソング(お別れの歌=大型セダンとの別離)ほど、アメリカンなモデルは存在しない。デカく、クールで、ファットだ。そしてその押し出しの強さはさすがだ。
中身はメルセデスベンツW210 の兄弟だが、はるかにこちらの方がアメリカンで、いい意味でゆるゆる。買うなら迷わずこっちだ。
Photo: Sven Krieger / AUTO BILD
ダイハツ コペン
初代ダイハツ コペン(2003年から2011年): キュートな顔の裏には、カエルのような目の魅力が生きている。そして現代のテクノロジー。そしてハードトップまで。まだまだ中古車市場に在庫はあるので、お好きな方はぜひ買いましょう。税金も安いですし。
Photo: Uli Sunday
ダッジ ヴァイパーRT/10
ダッジ ヴァイパーRT/10(1992年から2002年): このアルミレーサーは、昔のマッスルカーの雰囲気を90年代に持ち込んだ。406馬力の8リッター10気筒エンジンから火を噴いて走った。もう二度とこういうクルマは出ないし、本当に買うなら今のうち。ガソリンがなくなるまではちゃんと乗れます(でも細かいトラブルは多いそうなので、お気をつけて)。
Photo: Ingo Barenschee
フェラーリ550
フェラーリ550(1996年から2001年): 550は60年代の魅力的なGTシルエットを蘇らせてくれた。これまでのほぼ全ての中古フェラーリは顧客から好まれるオールディーズになっている。こういう「普通の」V12フェラーリは意外と安いので、探しているうちに好物件に巡り合うことも多々ある。
Photo: Tom Gidden ©2019 Courtesy of RM Sotheby’s
フィアット バルケッタ
フィアット バルケッタ(1995年から2005年): バルケッタは、1990年代のロードスタールネッサンスへのイタリアの貢献だった。そして、クラシックとしてのステータスを手に入れた後、”小さなボート”は室内がタイトなことなど気にならなくなる。内装もおしゃれだし、FFであることもオープンで走り出せば気にならない。しょせんオープンカーっていうのは、そういうことを気にせずに、雰囲気を楽しみながら乗る車だ。
Photo: Thomas Ruddies
フィアット ムルティプラ
フィアット ムルティプラ(1999年から2004年): 新しい、型破りなデザインを生み出す勇気は報われるべきだ。そして、クズのような評判の車は、数十年後にファンコミュニティを征服するのは確実だ(AMCグレムリンやVW 411も参照)。
内装はじょじょにベタベタしはじめるが、それもどうやって克服するか、楽しみのひとつ。3人並んで乗って、わいわいがやがやおしゃべりしよう!
Photo: Wolfgang Meier
フィアット500アバルト
フィアット500アバルト(2009年から): かわいい小さな熊が野生の肉食野獣に変異する姿は息を呑むほどだ。60年代の不滅のヌオーバ500が 160馬力で復活するとはだれも夢にも思わなかっただろう。日本では欲しかったら普通の500と並んで大量に流通しているので、探すのも買うのも楽勝。買っても後悔も苦労もしない一台。
Photo: Lena Barthelmeß
フィアット クーペ
フィアット クーペ(1994年から2000年): 絶滅の危機に瀕しているこの風変わりな鳥は、ピニンファリーナのスタイリングが必ずしも多数派の美学である必要はないことを示している。内装も外装のカラーリングが反映されるなど、おしゃれな車だ。ただしマイナートラブルやパーツの劣化などは覚悟すべし。
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD
フォードGT
フォードGT(2004年から2006年): リメイクでさえ、時にはクラシックになることがある。フォードは、100歳の誕生日にルマンの伝説を550馬力で蘇らせ、史上最も魅力的なレトロカーのひとつを生み出した。
今年公開の映画で(フォードvsフェラーリ)でさらに人気が上昇。柳の下のドジョウを狙って、リメイクのリメイクが登場することは…、まずないだろうなあ。
Photo: Lena Barthelmess
フォード スコーピオ
フォード スコーピオ(1995年から1998年): 最後の偉大なフォードは、レッグウォーマーや革のネクタイのように、無味乾燥なものだ。まあマイナーな車ではあるが、こういうマイナーで地味な車を、なぜか珍重する人が必ず世の中にはいるのである。
Photo: Thomas Ruddies
フォード フォーカスRS
フォード フォーカスRS(2009年から2010年): 2代目フォード・フォーカスRSは、その恥ずかしい見た目に多くの批判を受けた。しかし、ほとんどの場合、ホットハッチは、文字通りそのホットなハンドリングで、批評家を納得させた。
ゴルフと比較しても、こちらの方を選ぶ通人も多く、日本の著名なジャーナリストも、フォーカスを絶賛したことを思い出す。
Photo: Lena Barthelmeß
ホンダNSX
ホンダNSX(1990年から2005年): そのアルミボディにはアイルトン セナの精神が込められている。3度のF1世界チャンピオンはNSXのシャシーセットアップを手伝った。ホンダの代表作が90年代のスーパースポーツカーの中で最も過小評価されていることが不思議だ。メーカー純正のリフレッシュプログラムも利用できるので、もし購入できたとしたら、新車に再現することも可能だ。
Photo: Roman Raetzke
ホンダ エレメント
ホンダ エレメント(2002年から2011年): ホンダには珍しく、アメリカで開発・生産され、その後日本でも2年ちょっとの間だけ逆輸入車として販売された、「両側観音開き」のドアを備えた希少なモデルだ。今のホンダに一番望まれるのは、実はこういうちょっと洒落の効いた車ではないか、と思うのだが…。
Photo: Martin Meiners
ホンダS2000
Honda S2000 (1999 to 2009): それは2055年に多くのエンスーから絶賛されるであろうことを生で体験させてくれる。1万回転を達成できるエンジンは芸術品だ。ただし初期モデルのハンドリングがトリッキーなのことだけはご注意を。
Photo: Werk
ハマーH1
ハマーH1(1992年から2006年): この極めて例外的な車は、あなたがそれを好むかどうかにかかわらず、ユニークなままだ。時代錯誤的なワイルドSUV?
アーノルド シュワルツェネッガーも所有していたが、カリフォルニア州知事がプライベートで乗る車ではない。
Photo: Wolfgang Blaube
ジャガーXK8
ジャガーXK8(1996年から2005年): ここで不毛な議論はやめておこう。言っておこう。ジャガーV8、2+2シーターはもはや製造されていない。何か質問は? なお、後期モデルはサスペンションも熟成され、ジャガーらしい乗り味になったと絶賛だった。
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD
ランチア カッパ クーペ
ランチア カッパ クーペ(1997年から2000年): ブランドの伝統から言えば、デザイナーがこのクルマをデザインしたのは、特に機嫌の悪い月曜日だったに違いない。2ドアはバランスが極端に悪すぎる。昔のテーマやイプシロンは素敵だったなあ。
Photo: Harald Almonat
ランチア テージス
ランチア テージス(2002年から2009年): ブランドの正当モデルの終わりとしてのデザインと存在感は、それ自体がより刺激的で魅力的なものになり、いつか忘却の彼方に落ちていく。もうこういうランチアが登場する可能性はないのだろうか? そう思うと、救うのは今が最後のチャンスだ、という警告灯が常にインパネに点灯する。
Photo: Lena Willgalis
レンジローバー イヴォーク
レンジローバー イヴォーク(2011年から2018年): 英国の高級SUVが、これほどまでに普通の人々の心に寄り添うことは今までほとんどなかった。イヴォークは、多くの大都市のトラクターとは異なり、デザイン的にもクラシックであり、スタイルと気品で納得させてくれる。昨年フルモデルチェンジを行ったが、残念ながらオープン(コンバーチブル)のモデルはなくなってしまった。もし今買って、ネオクラシックを狙うなら、それしかない!
Photo: Uli Sunday
レクサスIS300
レクサスIS300(2001年から2005年):日本名はアルテッツア ジータ。BMW 330iツーリング以外にもエキサイティングなワゴンはあった。インフレに左右されないモデルを探しているなら、希少なレクサスがおすすめだ。ただし乗ってみれば、普通のちょっと古い日本車。だからこそ、壊れない、というのが誉め言葉だ。
Photo: autoblog.it