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【新車情報】ついに出た! 911のオフロード仕様 新型ポルシェ911ダカール登場 そのすべての情報!

2022年11月19日

ポルシェが911をオフロードカーに: 911ダカールとして、スポーツカーはサスペンションを上げ、頑丈なタイヤと全輪駆動でオフロードを走る。全情報とシートチェックと価格!

これで、「ポルシェ911」はオフロード走行に対応できるようになった。先ごろ「ポルシェ911 GT3 RS」が発表されたばかりだが、ツッフェンハウザーは「911」シリーズのもう一方のエンドに「911」の最新、そしておそらく最もエクストリームなバリエーションとして「911ダカール」をデビューさせた。もちろん、「ダカール」は1984年にポルシェが改良型「911」で優勝したパリ ダカール ラリーから命名されている。

911ダカールは制限が厳しく、価格も高い

しかし、911のオフロードバージョンが非常に特別なものであることに変わりはない。ダカールの生産台数は2,500台を上限とする。また、ダカール購入希望者にとってハードルとなるのが、価格だ。222,020ユーロ(約3,300万円)というオフロード911は、ダウンフォース「911 GT3 RS(23万ユーロ=約3,450万円~)」に非常に近い価格だ。

ラリーデザインパッケージを注文の場合、ラリールックのスタートナンバーを個別に指定することも可能だ。「953」は、1984年のパリ ダカール ラリーでポルシェが優勝した911のコンストラクションコードである。

ここで紹介するラリーデザインパッケージ(ホワイト/ブルーのツートンカラー塗装、ロールバー、消火器、6点式シートベルト)で、「ダカール」を視覚的にも技術的にもレベルアップさせたい場合は、26,061ユーロ(約390万円)の追加費用が必要となる。中でも、ポルシェはLEDライトバー付きルーフラック、マッドフラップ、拡張アンダーボディプロテクションをオプションとして提供している。

GT3タッチのダカールデザイン、ステンレスパネル採用

もちろん、オフロードの「911」は、通常のストリート「911」とは見た目が異なる。シャシーやタイヤなどの技術的な特徴は後ほど紹介するとして、まずは機能的な部分も多いダカールの外観から紹介しよう。フロントとリアのエプロンはステンレス製のアンダーライドプロテクションプレートで補強され、フロントエプロンのエアインテークには特殊な金属製の保護グリルが取り付けられ、その後ろにあるラジエーターが石ころからより安全に保護されるよう設計されている。

そして、アクティブエアロパーツは削除されている。また、ポルシェファンなら「ダカール」のフロントボンネットが「GT3」用であることにすぐに気づくだろう。2つのエアアウトレットから、カーボン製の軽量パーツであることがわかる。

プラスチック製はなく、リカバリーラグは鍛造アルミニウム製、アンダーライドガードはステンレス製だ。

さらに、頑丈なプラスチック製のエクステンションが各所にあり、シルパネルもステンレス板で保護されている。リアでは、アンダーライドガードで縁取られたスポーツエグゾーストシステムと、カーボン製の「ダカール」専用スポイラーが目を引く。また、鍛造アルミニウム製の赤いリカバリーラグも特別なアイキャッチとなっている。ホイールも「ダカール」独自のものだ。5本スポークのデザインは、歴代911のクラシックなフックス製ホイールを視覚的に再現している。

オフロード走行に適した専用サスペンションとがっしりしたタイヤ

シャシーを見ると、まず「911」のボディが盛り上がっていることに気がつくだろう。「911カレラ」と比較して、エンジニアは「ダカール」を5センチ高くした。4つのサスペンションの標準的なリフト機能(170km/hまで)を作動させると、ホイールアーチにさらに3cmの隙間ができた状態になる。これにより、「911ダカール」の地上高は最大19cmとなる。

ラリーデザインパッケージを装着しない911ダカールは、このような姿になる。ボディカラーはシェードグリーン。ルーフキャリアなどはオプションだ。

ダカールのランプ角は、フロント16.1度、リア18.2度だ。オフロードに該当するランプ角度は19度だ。この価値観が「911」で語られることになるとは、誰が想像しただろうか。

オフロード用ピレリの最高速度は240km/hまで

オフロード性能は、シャシーだけでなく、タイヤも決定的な役割を担っている。「ダカール」には、特別に開発されたピレリ製スコーピオンオールテレインプラスタイヤ(前輪245/45 R19、後輪295/40 R20)が標準装着されている。

トレッドの深さは9mmで、サイドウォールは二重構造になっているため、ピレリは特に切断に強く、緩い地面でのトラクションに強いとされている。ちなみに、アスファルトの道でも同様の性能を発揮する。ポルシェは、このがっしりしたタイヤは、路面でもスポーティなハンドリング特性を発揮するはずだと言う。

オフロードタイヤの最高速度は240km/hに制限されている。480馬力のダカールのエンジンなら、もっと速く走れるのは間違いないだろう。標準のピレリ製スタッドレスタイヤでは硬すぎるという人には、カーカス層を2層にしたピレリ製Pゼロを選ぶことも可能だ。夏用タイヤと冬用タイヤがある。

911 GT3の軽量化構造とリアアクスルステアリングを採用

後軸ステアリングとロールスタビライズは、「ダカール」に標準装備されている。「GT3」のエンジンマウントは、ジャンプのある緩い路面でのエンジンの振動を抑え、安定性を向上させる。また、「GT3」テクノロジーとして、リアウィンドウの軽量ガラスや軽量バッテリーの採用により、オフロードナインイレブンの車両重量は1,605kgと数kg軽くなっている。

911ダカール専用のインテリアと新たなドライビングモード

「ダカール」のインテリアもGTの雰囲気が漂う。ひときわ存在感のあるカーボン製のバケットシートが備わるコックピットはダカールの一部となっている。さらに、ポルシェは多くのレーステックスをシェードグリーンの標準ステッチと組み合わせている。ラリーデザインパッケージの場合は、エクステリアペイントワークとすでに述べたロールバーにマッチするアプリケーションを採用している。

ダカールのインテリアは、GTの雰囲気が漂っている。レーステックス(ポルシェのアルカンターラに似たファブリックの名称)を多用し、リアベンチシートはなく、カーボン製のバケットシートが標準装備されている。

セミデジタルの計器盤には、ダカールの全輪駆動をリアヘビーにしたラリー走行モードと、地上高を最大にしたオフロードモードが新たに搭載されている。さらに、ホイールスリップの多い緩い路面で911ダカールが最大限の加速をするためのラリーローンチコントロールを選択することができるようになっている。

480馬力のターボ・ボクサーで超スポーティな加速を実現

「911ダカール」のリアには、「911 GTS」でおなじみの3.0リッター6気筒ターボボクサー(480馬力/570Nm)が搭載されている。パワーは8速PDKを介して4輪に送られ、「911ダカール」は0-100km/h加速が3.5秒と言われている。すでに述べたように、最高速度はタイヤによって制限される。そしてダカールの最高速度は240km/hに制御されている。

結論:
オフロード用の911・・・。そう、確かにそれほど大きな意味はないかもしれない。だが、「ダカール」は実現性が高く、コレクターズアイテムでもある。搭載された技術に加え、ポルシェファンにとって最も嬉しいのは、「911」のラインナップが「ダカール」から「GT3 RS」まで拡大したことだろう。

Text: Peter R. Fischer
Photo: Porsche AG