写真とともに辿るVW T1、T2、そしてT3の70年
2020年4月26日
70歳を迎えたクールガイ VWタイプ2トランスポーター
ドイツ人の愛してやまないブリ(ブリ=ブルドッグ、ドイツ人は愛情をこめてそう呼ぶ)、今でも世界中の人々から愛され続けるVWタイプ2。1950年に生まれたチャーミングで働き者のトランスポーターは今年70歳になった。
まるで漫画の主人公のようなとぼけた顔と丸みを帯びたボディ、そして実用性の高さ。数百万人が愛用した商用車を楽しい写真とともに振り返る。
VW T1、タイプ 2ほど、多くの愛情をそそがれた商用車は他に類を見ない。
今年、VWブリは、70歳の誕生日を迎えた。
その物語は、1950年3月8日(水)、誰一人として、彼がこれほど世界で活躍するとは考えていなかった時代から始まる。
今から70年前のこの日、ヴォルフスブルクの生産ラインから最初の10台のVWバンが転がり落ちた。
そして誕生から17年後の1967年のT1生産終了までに、なんと183万台以上(!)が生産された。
バンが発売されたときには、新しい強化フロアプレートが与えられたが、それ以外はほぼすべてVWビートルからの技術の転用だった。つまり、VWバスの場合、これは当初、たった25馬力で750キロまでの積載量に対応しなければならないことを意味した。しかしこの課題にバンは躊躇せず向かい合い、初日から闘志を発揮し、信頼できる相棒としての評判を獲得していく。
ヒッピーの夢としても、サーファーの住居としても、家族の友人としても、職人の愛用品としても、タイプ2はそれぞれに愛用された。ブリの周りには、いつもさまざまなファンが集っていた。
所有者やその目的は様々だが、共通していることはただ一つ。バンはただ部品を寄せ集めて作り上げられた移動手段ではなかったということだ。それは信頼性の高い相棒であり、多くの人々にとっては人生における哲学の一部でさえあった。
VWトランスポーターは、そのすべての後継モデルがこのステータスを引き継いでいる。
しかし、オリジナルのブリT1のユニークさは別格だ。V字型のビーズ、分割されたフロントガラスと大きなVWのエンブレムを持つフロントは、今日ではカルト的であり、そのコレクターズプライスが大きく飛躍してからずいぶん経つ。
1955年に状況が少し変わった。バンは改良され、エンジンルームの上に設けられた窓付きのドアからカーゴエリアにアクセスできるようになった。また、1955年からは、エアコン(というか、クーラー、のようなもの)が取り付けられた。
T1のフロントエンドには短いルーフの張り出しがあり、ブリの乗員たちに新鮮な空気を供給した。そしてエンジンは9馬力増加して34馬力になった。それでも34馬力だったのだ!
その後、VW T1バスの内装もモダンな雰囲気になったが、ダッシュボードは継続していて、4つのインジケーターライトでドライバーに状態を知らせるだけである。灰皿や燃料計なども装備され、ラジオを搭載するスペースもあった。
進歩は続く。60年代初頭には、ベンチシートが姿を消した。調整可能なシングルシートに取って代わられ、ドライバーは道路の王様気分を味わえるようになった。
エンジンも、1963年には、最初にアメリカ市場向けに開発された42馬力1.5リッターのボクサーエンジンが、T1を新たな領域へと押し上げた。初めて時速100kmの壁を破ることに成功したのだ。1965年、エンジニアたちはさらに2馬力のパワーアップを与えた。
そして1967年7月、それは終わる。17年以上の歳月を経て、少なくともドイツではトランスポーターの第一世代の幕が下りた。
だがその後もブラジルで、T1は新年紀を迎えることになる。ブラジルでは誕生から60年以上経った2013年まで「コンビ(Kombi)」の名で引き続き生産された。
T1は現在でも290万人の家族を持っている。
その後世代を経て、2015年にはT6が発売されたが、オリジナルデザインと比較すると、それはまるで別の星から来た乗り物のようだ。
だが、かつてVWのブリT1から始まったサクセスストーリーはまだ続いている。
Text: Stephanie Kriebel, Matthias Brügge