新着 ポルシェ911ターボSカブリオレ初テスト
2020年4月24日
ポルシェ 911ターボSカブリオレ(2020): テストとその印象
ポルシェが満を持して992シリーズにターボバージョンを投入。新しいスーパースポーツカーは、先代モデルよりもさらに優れているが、もちろんこのコンバーチブルも明らかに先代モデルより優れたものになっている。
そんな911ターボSカブリオレに初試乗!
新型ポルシェ911ターボSカブリオがクイックドライブし、停止した後にたてるあの細やかで軽快なパチパチとした音。それはまるでアスファルトのアスリートが手足を軽く振り、再び肺に酸素を満たし、次のダッシュに備えるかのような音だ。
この車はパワフルな3.8リッターのツインターボ6気筒ボクサーエンジンを備え、650馬力と850Nmのトルクを発揮する。
息を呑むような加速
基本的にはカレラモデルの3リッター6気筒ボクサーをベースにしたエンジンは、排気量のアップに加え、大型化された2つの対向回転式ターボチャージャー、電動制御式のウェイストゲートフラップ、および大型でより効率的なインタークーラーを備えた新しい吸気セクションを採用している。
わずか2.8秒で、8速PDKを備えたポルシェ911ターボSカブリオレは、停止状態から100km/hにまで加速し、そのまま加速を続け、9.3秒後には200km/hに達する。そして最高速度は330km/hだ。
そしてもちろん、911ターボSカブリオレは、ハンドリングにもその高い性能を発揮する。フロント255/35 20インチ、リア315/30 21インチのタイヤと、アダプティブダンパーを備えた新開発のスポーツサスペンションが、ポルシェをしっかりと路面に固定させるのだ。
あらゆる速度域で鳥肌が立つ
911ターボSカブリオレは、ハードなコーナリングでも安定感を保ち、ブレーキを正確にコントロールし、先代モデルよりも45mm広くなったフロントエンドは、文字通りカーブに吸い込まれるように突入してもニュートラルな状態を保つ。
ポルシェらしい繊細なフィードバックを備えたエレクトロメカニカルパワーステアリングにより、1710kgのコンバーチブルはドライバーの指示に正確に従う。
強化されたフロントアクスルトランスミッションを介して、最大500Nmのトルクは改良された全輪駆動システムに正確に伝えられる。
オープン911は文字通りコーナリングを芸術的レベルでこなす。そしてリアアクスルの挙動は以前にも増して滑らかにふるまう。
どの回転域でも鳥肌が立つようなエンジンサウンドがする。唸るような鋸のような音の後に少しずつだんだん強くなり続け、深いゴロゴロとした音が鳴り響く。
もちろん、これはソフトトップを開けた状態で聞くのがベストだが、その場合は、ヘアスタイルが破壊されることを甘んじて受け入れる必要があるが、ウィンドーディフレクターがある程度の解決策を提供する。
最も強力なコンバーチブルバージョンでも、他のすべてのものは、10.9インチのタッチスクリーン、ヴァーチャルな円形インスツールメント、アナログのレヴカウンターを備えた911おなじみのスタイルのままだ。
しかし残念ながら、その価格も典型的なポルシェらしいものだ。
911ターボSカブリオは231,778ユーロ(約2,780万円)から楽しむことができるが、ポルシェの常でオプションの数々をチョイスしている間に、あっという間に3000万円を超え、諸経費込みで4000万円に近づくこともめずらしくない、と覚悟しなくてはいけないだろう。
Text: Wolfgang Gomoll
Photo: Porsche AG