【ユニークな比較テスト】従来型と電動型のSUV 新型BMW X1とiX1はどこがどう違うのか? 性能も含めてテストレポート

3486
- Advertisement -

ニューBMW X1とiX1の走行レポート: 従来型と電動型。ニューBMW X1は、2つの先代モデルの成功に基づき、7つの駆動バリエーションを持つまでに発展している。我々は3つのニューモデル、BEVの「iX1 xDrive30」、ガソリンエンジン搭載の「X1 xDrive23i」、ディーゼルエンジン搭載の「X1 sDrive18d」をドライブした。

「BMW X1」は2009年以来、ベストセラーを続けている。SUVはこれまでに世界で190万台を販売しただけでなく、2015年に登場した2代目は、よりオフローダーらしい姿になり「ゴールデンステアリング賞」を受賞している。3代目となる「X1」は、先代以上の成功を狙っている。

最大限の走りの柔軟性を保証するため、全長4.50mに拡大したミッドサイズSUVは、モジュール式プラットフォーム「UKL-2」をベースにしている。これにより、「X1」はガソリン車やディーゼル車だけでなく、プラグインハイブリッド車や純粋な電気自動車である「iX xDrive30」も提供することが可能になった。電気自動車への関心が高まる中、特に後者は、ミュンヘンに本社を置く同社にとって、まさに希望の光と言えるだろう。

「X1 sDrive18d」 新型X1では、ボディサイズだけでなくキドニーグリルも大きくなった。

ビジュアル面では、X1は典型的なBMWだ

「X1」のすべてのモデルバリエーションには、予想通り、大幅に大きくなったキドニーグリルが搭載されている。BMWが当時「エンジェルアイ」と呼んでいたが、「コロナリング」の名で親しまれているヘッドライトグラフィックは、すべての新型BMWと同様、鏡面仕上げになっている。これは、視覚的にフロントを持ち上げることを意図している。リアでは立体的なLEDライトが輝き、全体の印象をシャープにするだけでなく、空力的なメリットもあると言われている。

新しい操作コンセプト: 従来から定評のあるiDriveに代わり、カーブドディスプレイがセントラルコントロールユニットとして機能する。

iDriveコントローラーを無駄に探すことになる

「X1」のキビキビした外観は、角やエッジのあるインテリアにも受け継がれている。また、iDriveコントローラーの代わりにカーブドディスプレイを採用し、操作系を集中している。これは時代性に合っていて、とてもシックに見えるかもしれないが、機能的には疑問が残る。

例えば、「パーソナル」、「スポーツ」、「エフィシェント」の3つの走行モードを切り替えるには、センターアームレストのボタンで操作する。ただし、これは運転プログラムを変更するのではなく、タッチスクリーン上でメニューを開くだけだ。走行モードが画面上で、指一本で変更できるようになっているが、それ自体はそれほど実用的ではない。

カーブドディスプレイの無意味な色彩演出

しかし、本当の問題は、モニターが前のビューに戻らないことだ。その代わり、運転プログラムによって異なる色の効果が画面に輝き、カラフルなディスプレイから離れ、関連する走行データを見たい場合は、タッチスクリーンの左端にあるホームボタンまたはリターンボタンを押すことで、初めて表示させることができる。

今回試乗した3モデルのX1は、ハンドリングがキビキビしている。どれもダイレクトな操舵が嬉しい。

特に、ドライビングモードにも隠されている「エクスプレッシブ」プログラムを選択すると、その効果は絶大だ。今度は、青と黄色の雲の色彩が右側のモニターに広がるだけでなく、速度表示も中央のディスプレイの左端に移動して表示される。このプログラムでは、「X1」のハンドリングは何も変わらないので、なおさら意味不明だ。

X1のチューニングはメリハリがあって良い

色彩豊かなイメージの先にあるのは、今回試乗した3台の「X1」のハンドリングのキレの良さだ。ダイレクトステアリングで、前輪駆動のエントリーモデルであるディーゼル車「sDrive18d」に始まり、後輪駆動のガソリン車「xDrive23i」、全輪駆動の電気自動車「iX1 xDrive30」まで、幅広いラインアップを揃えている。アダプティブMスポーツサスペンションは、不快なほどの硬さは感じないが、かなりフィードバックが多い。20インチのホイールを装着すると、3台のバリエーションは本当にたくましい青年になる。

物理学は裏をかくことができない。スピードを上げてコーナリングすると、重いiX1は外側に大きく押し出される。

iX1は重いが、速い

最終的に、ドライビングダイナミクスの違いを生むのは駆動システムであり、「iX1」の重量は足かせになる。約2.1トンの重量を持つ電気自動車は、スピードを上げてコーナリングすると、外側に大きく押し出される。ここで引きずられる400kg増は、スポーツサスペンションを使っても単純に解消することはできない。だが、その押しつけられた力を、一貫して介在する制御系が驚くほどうまく捉え、極限状態でも問題なく「iX1」を軌道に乗せることができるのだ。

魅力的: 電気自動車iX1は、0-100km/h加速が5.7秒という無駄のない速さだ。

パワートレインと同じくらい違うのは、サウンドスケープだ。「X1 23i」の4気筒エンジンが高回転域で控えめに、しかしはっきりと聞こえるように歌うのに対して、「iX1」の2基の電動モーターは静かに仕事をする。150馬力という十分な出力を持つ4気筒ディーゼルは、賞賛に値する。このタイプにありがちな負荷がかかるとハム音がするものの、ディーゼルの8.0リッターに対して6.3リッターと低燃費を実現しているのも特徴だ。

「iX1」は100kmのレースを22.0kWhで完走する。「iX1」の前後車軸に搭載された2基の電動モーターからの音の不足を補うため、BMWは他のe-car同様、ハンス ジマーが作曲した「アイコニックサウンド」を上演している。それを好きになるのもいいし、わたしのように単純にスイッチを切るのもいい。

スプリントで勝つ電気自動車iX1

ブースト時には、まるでエンタープライズ号が銀河間をジャンプするためにワープドライブを作動させたかのような口笛が鳴る。そしてまた、追加のパワー放出はそれほど豊富ではない。48ボルトのマイルドハイブリッドテクノロジーを採用した「23i」は、ブースト時に4気筒ガソリンエンジンの204馬力に19馬力を追加で放出し、システム出力は218馬力となる。

定格出力313馬力の「iX1」は、0-100km加速ではそのパワーを活かしてパワフルに走る。ここでは、7.1秒に対して5.7秒だ。最高速度は233km/hに対して180km/hと、やはりガソリンエンジンが圧倒しており、さらにエントリーモデルのディーゼルも最高速度は210km/hと電気自動車より速いのだ。

「iX1」の航続距離438kmが十分かどうかは、意見が分かれるところだ。しかし、電気は最大130kWの充電が可能なので、適切な充電ポイントで29分後には10%から80%まで充填されることになる。

「iX1」のドライバーは、ラゲッジルームに関しては譲歩しなければならない。ここでは、内燃機関の540リットルに対して490リットルだ。「BMW X1」のすべての燃焼式モデルは2トンまで積載可能だが、「iX1」は電気自動車としては十分な1.2トンを運搬することができる。

X1 sDrive18dは46,450ユーロから

左から「X1 23i」、「iX1 xDrive30」、「X1 sDrive18d」

「iX1 xDrive30」は55,000ユーロ(約770万円)、「X1 xDrive23i」は49,450ユーロ(約692万円)、「X1 sDrive18d」は46,450ユーロ(約650万円)からとなっている。

BMW X1(2022)ドライビングレポート

「BMW X1」は2009年以来ベストセラーを続けており、現在までに全世界で190万台を販売している。これが3代目となる「X1」だ。
最大限の走りの柔軟性を保証するため、全長4.50mに拡大したミッドサイズSUVは、モジュール式プラットフォーム「UKL-2」をベースにしている。これにより、X1はガソリン車やディーゼル車だけでなく、プラグインハイブリッド車や純粋な電気自動車であるiX1 xDrive30も提供することが可能になった。
「X1」では、すべてのモデルでキドニーグリルが大幅に大きくなっている。
リアには立体的なLEDライトが輝き、全体の印象をシャープにするだけでなく、空力的なメリットもあると言われている。
X1のギザギザした外観は、コーナーやエッジなどインテリアにも受け継がれている。
「パーソナル」「スポーツ」「エフィシェント」の3つの走行モードを切り替えたい場合、まずセンターアームレストのボタンを押すと、タッチスクリーンにメニューが表示されるようになっている。走行モードは、画面を指で押すことで変更できるようになったが、それ自体は実用的ではない。
色彩豊かなイメージの先にあるのは、今回試乗した3台の「X1」のハンドリングのキレの良だ。実にダイレクトなステアリングだ。
「X1 23i」アダプティブMスポーツサスペンションは、いずれも不快なほどの硬さは感じないが、かなりフィードバックが多い。20インチのホイールを装着すると、スポーティーだが乗り心地は悪くなる。
パワートレインと同じように、サウンドスケープも異なる。「X1 23i」の4気筒エンジンが高回転域で控えめに、しかしはっきりと聞こえるように歌うのに対して、「iX1」の2基の電動モーターは静かに仕事をする。
「X1 sDrive18d」150馬力という十分な出力を持つ4気筒ディーゼルは、賞賛に値する。このタイプにありがちな負荷がかかるとハム音がするものの、リッターあたり15.8kmと低燃費を実現しているのも特徴だ。
313馬力の「iX1」(上)は、スプリントで内燃機関の「X1」を追い越す。ここでは、0-100km/h加速5.7秒対7.1秒だ。
「iX1」の航続距離438kmが十分かどうかは、意見が分かれるところだ。しかし、適切な充電ポイントで29分後に10%から80%まで充填されることになる。
「iX1」のドライバーは、ラゲッジルームで譲歩しなければならない。490リットルと、内燃機関の540リットルに劣る。

結論:
7つの駆動バリエーションと新しい外観を持つ「BMW X1」は、先代モデルの成功をシームレスに継続することができる。iDriveコントローラーからセンターディスプレイを介した操作コンセプトに魅力を感じるかどうかは、まだわからない。

Text: Holger Preiss
Photo: BMW AG