カッコいいな好きだなZ4 え? Z4ですか? ちゃんと生き残ってますよ(笑) フェイスリフト版新型BMW Z4の全情報

2237
- Advertisement -

BMWは今回「Z4」をフェイスリフトし、標準装備を充実。2019年から発売されている3代目Z4だが、今回BMWはこのロードスターに今回フェイスリフトを施した。

なんだかさみしいなあ。街にはEVやらUVやらスポーツルックのコンパクトカーや高性能セダンなどの夢のないクルマが溢れ、本当につまらない。ドリームカーやスーパーカーでこそないものの、カッコいいなあ、いつかは乗ってみたいなあ、あの車で彼女をドライブに誘いたいなあと思うような、走っている姿を見るとついつい目で追いかけてしまう、こういう憧れのクルマを街中で見ることが少なくなったのは、いつごろからだろう・・・。クルマ好きの若者やクルマに憧れる幼い子供たちが少なくなる一因だ。本当にさみしい。

そんな中、「BMW Z4」は、伝説的な「Z1」、「Z3」の後継モデルとして誕生して、早や20年が経った。2019年から、バイエルン製ロードスターは3代目となり、2023年、マイナーチェンジ(フェイスリフト)を控えおり、2022年11月にデリバリーされる予定だ。

ビジュアル面でも、バイエルンのメーカーは「Z4」だけには気を配っている。特にエアインテークのデザインが変更され、「Mスポーツパッケージ」はすべてのエンジン仕様に標準装備され、ブラックトリムストリップやニューデザインのホイールでさらに強化することが可能となっている。

ここまでは、よくある話。Z4 M40iのリアビューを飾るのは、2本の太いテールパイプだが、Mパッケージはすべてのエンジンに標準装備されている。

従来の装備ラインであるアドバンテージ、スポーツライン、Mスポーツは廃止される。ヘッドライトとデイタイムランニングライトは今までの特徴はそのままに、よりダークなハウジングにオプションで変更された。ただし、これにはアダプティブLEDヘッドライトも注文する必要がある。

標準装備を充実させたリフレッシュZ4

BMWはインテリアもどちらかというと控えめにしている。「3シリーズ」のフェイスリフトにも採用されている曲面ディスプレイの代わりに、今回も2つの個別ディスプレイが装備されている。クラシックボタンやiDriveの回転式プッシュボタンも健在だ。

ここで新しいのは、標準装備の高級化だ。ロードスルー機能、シートヒーター、パーキングセンサー、自動防眩ルームミラー、デュアルゾーンオートエアコンを将来的に必ず搭載する予定だ。

4気筒および6気筒エンジン、後輪駆動

エンジンラインナップに大きなサプライズはなく、3種類のガソリンエンジンは従来通りだ。2リッター4気筒エンジン、197馬力の「Z4 sDrive20i」がスタートモデルとなる。さらにその上に位置するのが、同じく4気筒エンジン、258馬力の「sDrive30i」だ。そして、トップエンジンは6気筒で340馬力の「Z4 M40i」となっている。

3シリーズのフェイスリフトとは異なり、BMWZ4には新しいカーブドディスプレイを搭載していない。

全車種に後輪駆動を採用。エントリーモデルには、6速マニュアル変速機が用意されている。0から100km/hまでには6.8秒(オプションの8速オートマチックでは6.6秒)で到達し、最高速度は241km/hに達する。

「Z4 sDrive30i」以外で、8速オートマチックが標準装備されている。トップバージョンでは、4.5秒で0から100km/hに到達する。フェイスリフトでは、「Z4 M」は用意されない。

新型Z4の価格は最低48,500ユーロ(約680万円)から、「sDrive30i」は59,300ユーロ(約830万円)からとなっている。そして、「Z4 M40i」スポーツモデルを選択した人は、最低でも66,900ユーロ(約937万円)を支払う必要がある。

【ABJのコメント】
たしかに印象が薄くなってしまったとはいえ、BMWのラインナップの中で大切な役目を持っていると思うのがこの「Z4」である。あの「Z3」の後続モデルとして登場した「Z4」は、現行モデルが発表されたのは2019年・・・。ということは、もう3年経過していたのであった。時の流れは何とも早い。言うまでもなくこの「Z4」は「トヨタ スープラ」の兄弟車で、マグナ シュタイヤーが生産するオープンモデルではあるが、この度マイナーチェンジを受けることになった、つまり延命されたということである。

その内容はエンジンラインナップに大きな変更はない、ということはPHEVではもちろんなく、内燃機関のエンジンを積んだFRのロードスター、そういう徐々に希少品種となりつつある自動車である。内装も大きな変更はなく(BMW 3シリーズに採用されているカーブしている液晶ディスプレイがついていないことは意外だが、取り付けるとなると内装を大幅に変更しなくてはいけなかったのであろう)、あくまでもマイナーチェンジな変更となっている。おそらくそこまでの費用を出せなかったからか、あるいはこのまま、次のモデルはないまま「Z4」を徐々にフェードアウトしていくための処置なのかはわからないが、余計なお世話の改良(改悪)をされなかったことは喜んでいいと思う。

ずるい言い方かもしれないが、こういう自動車を欲しい方、買うなら今のうちですよ、そんな台詞が頭に浮かぶ。カリフォルニアもニューヨークも、2035年には完全BEV、というニュースを見ながら、内燃機関だけの「Z4」、より貴重な一台と感じてしまうのは僕だけではないと思う。(KO)

Text: Sebastian Friemel
加筆: 大林晃平
Photo: BMW AG