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【テスト】最新ボルボ一気乗り!VOLVO XC40、C40のBEVモデル モーター1つ100万円の価値はあるのか?

2022年10月12日

VOLVOのBEV2023年モデル「XC40 RECHARGE ULTIMATE TWIN MOTOR」と「C40 RECHARGE PLUS SINGLE MOTOR」に試乗する機会を得た。違いは電動モーターの数。動力性能にどのように影響するのか?

日本ではC40RECHARGEがボルボ初のBEVとして導入されたが、スウェーデン本国においてボルボ初のBEVはXC40RECHARGEだ。そのXC40RECHARGEが日本にも導入される。XC40は内燃機を搭載するSUVとして2018年モデルがデビュー。2023年モデルからプラグインハイブリッドを廃止して、マイルドハイブリッドとBEV2タイプとなる。2015年に発表されたCMAモジュールは電動化を前提に開発されており、XC40RECHARGEにおいてはBEVであっても室内、走行性能にはなんら影響を与えていない。C40はXC40のクーペ版であり、ボディ寸法、室内寸法は、ほぼ同じである。昨年C40のツインモーターをドライブして、その速さにビックリしたテスターは、シングルモーターに興味津々でテストに臨んだ。

XC40 RECHARGE ULTIMATE TWIN MOTOR
ボディカラー:セージグリーンメタリック(新色)(13万円オプション)インテリア:テイラードウールブレンドシートにミッドナイトジンク(13万円オプション)ヘッドライト:ピクセルLEDヘッドライト/LEDフロント・フォグライト(13万円オプション)
タイヤホイール:フロント:235/45R20 8.0J×20(アルミ合金)リア:255/40R20 :9.0J×20(アルミ合金)

シングルモーターで十分かもしれない

シングルモーターでは231ps,330Nm/ツインモーターでは408ps,660Nmの出力を持ち、前者でもFWDの癖も感じられず力強い動力性能を発揮し充分満足できる。しかしツインモーターに乗り換えて、深くアクセルを踏み込むと一瞬意識を置き去りにされるような強力な加速性能は一種の麻薬である。AWDのおかげで大トルクでもしっかりとグリップをし、加速時に車両はどんどん前に押し出され修正舵の必要もなく安楽にワープしていく。これは通常では不要な力とは思うが、EV特有のワンペダルドライブ下で、何時でも誰でも引き出せる力を秘めているのは何物にも代えがたい魅力である。

好き好きではあるが、XC40ツインモーターの場合乗り心地がハイパワー車然としていてやる気の時には信頼感がとてもあるが、通常の街中ではいささかハードな面が伺える。グリップが要るから20インチのファットなタイヤホイルセットを履いているのは理解できるが、C40シングルモーターが履いている同じ幅で19インチの扁平率が5%低いタイヤセットだがかなり軽快な印象を得た。ツインモーターに19インチタイヤを履かせたら魅力倍増ではないだろうか。

手元の資料によるとこのツインモーターの0-100km/h加速タイムは4.7秒で、ポルシェ718ボクスターSの4.6秒に匹敵する。これがドライバーのスキルに係わらず、アクセルペダルを踏んでいるだけで成しえるのだから、恐るべしBEV。

話を室内に移そう。EV特有のエントリー&スタートによりドアを開け着座してドアを閉める。ドライブモードを選択しパーキングブレーキが解除されているのを確認すればそのまま走り出す。従来のようにキーを差したりエンジンを起こすという儀式は省かれ、通常のガジェットと同じような位置づけでのドライブが可能。

シートはオプションではあるがテイラード・ウールブレンドシートを選択すれば冬のひんやりした感覚からは解放され、レザーフリーインテリアに包まれリラックスした室内でオレフォス製のクリスタルで誂えられたシフトノブをクリックするという、環境に配慮した室内空間を満喫できる。

デザイン性が高いC40は実際に売れている

C40 RECHARGE PLUS SINGLE MOTOR
XCがSUVなのに対してCはクロスオーバーであることを意識させられるのがこのカット。ボディカラー:プレミアムメタリック・ペイント:クリスタルホワイト(13万円オプション)インテリア:テキスタイル/マイクロテック・コンビネーションのシートにチャコール エクステリア:ルーフとピラーがボディ同色に変更された

フェイスリフトを受けた2代目は、パノラミックルーフやピクセルテクノロジーヘッドライトをはじめ先進の安全・運転支援機能満載で間もなく発売される。昨年の初代は発売そうそうに売り切れてしまったこともあり注目度の高さがうかがえる。シングルモーターか?ツインモーターか?非常に悩ましい。

パワートレインとインフォテイメントをアップデートしたXC40マイルドハイブリッド

XC40のマイルドハイブリッドシステムを搭載したXC40 ULTIMATE B4 AWDにも試乗することができたが、慣れ親しんだ内燃機の魅力、安心感を改めて感じた。熟成の域に達した、おしゃれで実用的なSUVだった。

XC40 ULTIMATE B4 AWD
ボディカラー: プレミアムメタリック・ペイント:クリスタルホワイト(13万円オプション)インテリア:本革シート チルトアップ機構付き電動パノラマ・ガラス・サンルーフ(21万円オプション)全車にgoogleを搭載、センターコンソールに装備された9インチの垂直ディスプレーから車のほとんどの機能を制御する。下部には頻繁に使用する機能のアイコンを設定。

この車両は48Vマイルドハイブリットとなり4,440mm X 1,875mm X 1,655mmのボディにブレーキ回生エネルギーを駆動力に変える新パワートレインである。4気筒16バルブDOHCインタークーラー付のターボチャージャーを備えたガソリンエンジン+電気モーターを積み、総重量1,995kgのボディを197ps/300Nmで強力に押し出す。

ボンネットを開けるとみっちり詰まったエンジンが収まり、安心感がある。足回りには235/50R19のタイヤが前後同一サイズで組まれた。

エンジンも大きく改良され48Vハイブリッドシステムに筒内直接噴射+可変バルブタイミングのミラーサイクルエンジンが組み合わされた。とはいえ何しろ重いバッテリーを積まなくていいので軽く、それは燃費や動力性能、乗り心地全てに好結果をもたらすのは周知のとおり。電子制御7A/Tギアトロニックと同じく電子制御AWDの組み合わせはサイズを意識することなく軽快に振舞う。

BEVと比較してワンペダルドライブこそ無いが、その力強さは必要充分で通常の内燃機関からの移行にハイブリットは無理がない。

インテリアは期待通りの北欧スタイルで、Google搭載に加えPM2.5センサー付きエアピュリファイヤー、ハーマンカードンプレミアムサウンドオーディオシステムが備わる。数々の運転支援機能や衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付きクロストラフィック・アラートシステムや360°ビューカメラなど安全支援は山盛りだ。購入にあたって気になるのは国と地方自治体から出るCEV補助金を受け取るBEVとの価格差がとても少なくなる事だ。充電環境によっては、車種の選定が悩ましい。

VOLVO XC40 RECHARGE、XC40 ULTIMATE B4 AWD、C40 RECHARGEの詳細はこちら
https://www.volvocars.com/jp

Text:大庭 千明
Photo:アウトビルトジャパン