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オーダーしたのはアジア人!? フェラーリ SP51は812GTSをベースに作られた1台限りのワンオフモデル

2022年10月5日

ワンオフシリーズ最新作、Ferrari SP51 が発表された。たったひとりのクライアントの指定に従って作り込まれた、唯一無二の完全なビスポークモデルである。

SP51 は、フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリングセンターがデザインし、812GTS のプラットフォームをベースに、そのレイアウト、シャシー、エンジンを受け継いだフロントエンジン V12 スパイダー。ルーフが一切存在しない、あらゆる意味で真のロードスターである。

ロングノーズ、ショートデッキが強調されたデザイン。

無塗装のカーボン・ファイバーをエクステリアとキャビンに幅広く採用することで開口部を大きく見せて、ロードスターであることをさらに強調しているように見える。特に、2個のエアベントをダイナミックに取り囲むボンネットのトリムが目を引く。

青と白のストライプが強烈な印書を残す。

SP51のボディカラーは、この1台のために特別に開発されたカラーで、3層コートの新色「ロッソ・パッショナーレ」だ。そこに、伝説の1955年Ferrari 410Sをインスピレーションとした青と白のリバリーがインテリアを通ってボディ全長にわたって続いていく。

ウエストラインの美しさがよくわかる。

凝ったデザインのホイールもこの1台のみの特別なもの。各スポークはカーボン製のウィング形状で、左右対称に進行方向の面にダイヤモンドカット仕上げが施されている。

特別にデザインされたヘッドライトがシャープな印象を与える。
キャビンのすぐ後ろにある左右のフライング・バットレスが空力に寄与する。

フロントからリアへと緩やかな起伏を描くウエストラインがじつにセクシーだ。その線は最終的に288GTOを彷彿とさせるボディ一体型のスポイラーとなる。そのスポイラー下にはテールライトの部分がアーチ形にディフューザーと融合するような曲線でデザインされている。キャビンのすぐ後ろの無塗装カーボン製ウィングは、1960年代初頭のフェラーリのスポーツ・プロトタイプへのオマージュだ。

青と白のストライプは、 ステアリング・ホイールのステッチ、バルクヘッド上のダッシュボード中央とセンター・トンネルにもあしらわれている。
完成形に近いスケッチ画。
特徴的なリアのデザインはこの段階で完成している。

このSP51は、世界有数のフェラーリ・コレクターである台湾在住のクライアントで、プロジェクトの全段階で関与しており、デザインにあたっては、スケッチだけではなくクレイモデルが作られる。50年ぶりに復活したフロントエンジンV12スパイダー812GTSをベースにしているとはいえ大幅に新たな美しいロードスターへと変貌させることに成功している。

Text:アウトビルトジャパン
Photo:フェラーリ・ジャパン