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【レトロモデルEV】これなら電気自動車でもいいかな ルノーR4を電気自動車に改造して楽しむ ありあり!

2022年10月4日

電気自動車に改造されたルノーR4は電気だけで170kmも走る!R4が全盛期を迎えていた頃、電気自動車はもちろん遠い存在だった。しかし今、オーナーはこの初期型R4を電気自動車に改造した。クラシックなルノーのすべてが機能している。もちろん、エミッションフリーでほとんど騒音がない。

ワールドセーバーとして、太陽光発電の支持者として、風力発電の支持者として、持続可能性のファンとして、原子力のキャンペーンとして、あなたは車が好きであっていいのでしょうか?

もちろんだ!(笑) これは、トーマス ペイドさん(60歳)と彼の「ルノーR4(56歳)」の物語である。かつてアーヘンで原子力発電所に対する抵抗運動を組織していたペイド氏は、今は自分の愛車である「ルノー キャトル」をエコカーにフルチューンしている。

これでもヴィンテージカー?外観は1966年のものだが、電動技術は現代的で、航続距離は約170kmだ。

アーヘンにあるペイド氏のテラスハウスの前庭に駐車してある「ルノー4」。1966年製、登録番号(ナンバープレート)「AC-P 824 E」。そう、ナンバープレートの”E”の文字にご注目!

ペイドは2011年にR4を購入

白いリネンのシャツに茶色のビルケンシュトックを履いた長身でスリムなトーマス ペイドは、ボンネットを開けて、いたずらっぽく微笑んだ。「3ヶ月間これに取り組み、改造はガレージ内ではなく、その前で行われました」という。しかし、彼の「プロジェクトR4」は11年前から始まった。その時、彼はドライビングキャリアの中で11台目となる「R4」を購入した。

ガソリンエンジンは当初30馬力、後に34馬力となった。現在、電動モーターは22馬力、短期的には71馬力さえも発揮する。バッテリーは車内のあちこちに配備されている。

彼はすべてのエンジンの仕組みなどを熟知しており、30馬力とリボルバーギアでギリシャまで走ったこともある。そんな扉4枚の小さな箱でBEVを完成させるのに、ほぼ1,500時間かかった。ペイドは塗装の仕方まで独学で学び、配線をして、床にカーペットを敷いた。

そして、前席と後席を交互に指差す。後部座席はイミテーションレザーでオリジナル、前部は本革だ。11年前の昼休みに発見した。「粗大ごみ置き場に大きなソファがあったので、ポケットナイフを取り出して自分で切り取ったんだ」という。

R4の歴史を見ることができる

1961年から1967年までの第1期では、まだラジエーターグリルの左右に、丸目をつけていたこの初期「R4」の美しさは、そのオリジナリティにあるといえるだろう。それでも丁寧に修復されているが、完璧ではない。塗装は滑らかだが、新車のような輝きはないからだ。

もちろん、フランス語で書かれた、反原発のステッカーは欠かせない。かつて、R4のオーナー、トマ ペイドは、原子力発電に反対するデモを組織したこともあるのだ。

この「キャトル」を見ると彼が56年の間に経験したであろうことが想像できる。やはり、人間も歴史を背負っているのだ。先日は、「R4」のトランクに300kgの木材を運ぶために、そのために後部座席を取り外したそうだ。ゴルフプラスのファミリータイプでは、「荷台が突き破ってしまうかもしれない」とペイドは言う。

そして「もちろん」冬も「R4」を走らせるという。ただ、昔と違って、防錆のために空洞に何キロもの液体を入れている。かつてのBMWのように前方に開くオープンボンネットの前に今も立っているのだ。ペイドは、私たち一般ドライバーが絶対に触れてはいけないオレンジ色のケーブルを指差している。高電圧で、生命に危険だから!?

クラシックカー愛好家は電気自動車の専門家である

ペイドは機械工や工業事務員でありながら、電気技師ではない。「私は独学です」と説明し、「Googleは素晴らしい発明です」と言っている。1年半かけて本を読み、中古の部品を手に入れ、新しい人と出会い、どんどん深みにはまっていった。ある時、「この部品が必要だ」ということが明確になった。どうやって車に運び込んだかは、アドリブだった。

古くて新しい: この電気自動車もタイプ2のプラグで充電する。ただし、自宅のみで、公共の充電スタンドでは充電がうまくいかない。

0~70km/hは2速、120km/hまでは3速と、ペイドは1速を使わなかったが、オリジナルの3速ギアボックスが残されている。クラッチベルは自家製で、エンジンは靴箱ほど大きく、公称出力22馬力、ピーク出力71馬力、トルクは194Nmである。

バッテリーは「BMW i3」から流用し、1つのモジュールはフロントのエンジン上部とスイッチボックスの下に、残りの2つのモジュールはトランクのリブパネルを一部削り取り、その高低差はほとんど感じられないと自負している。だから、最近のプラグインハイブリッド車のように、まるで趣味で作ったかのようにトランクに電池のふくらみができてしまうような車よりも優れているのだ。

R4は電気自動車として30kg重くなった

「R4」は電動化により30kg重くなり、700kgとなり、これは「アウディe-tron」のバッテリーとほぼ同じだ。もし、すべてのパーツを新品で買っていたら、1万5千ユーロ(約210万円)も貧乏になっていただろう。もちろん、彼はそうではなく、多くの中古品、多くの想像力で「電動R4」を完成させた。その結果、15.8kWhのバッテリーで170kmの走行が可能となった。

高速のE-ルノーは、電動モーターとバッテリーを含めて約700kgで、4気筒のガソリンエンジンを搭載した場合に比べて約30キロしか増えていない。

全長3.66mの小さな車は、まるでツール ド フランスで優勝するように疾走していく。ペイドは折りたたみ式のルーフを押し戻す。エンジンの音も、排気ガスの匂いもしない。そして風力発電機の前の畑で停車すると、エコ活動家が屋根から顔を出して微笑む。そして、「サスティナビリティは強制や放棄であってはならない、誰もが楽しめるものでなくてはならない」と述べた。

1966年製のルノーR4は、電気駆動。

電気駆動の1966年型「R4」に乗るトーマス ペイド。メカニック、工業事務員、モーター技術や太陽光発電のプロジェクトマネージャーなど、ほとんど何でもこなした男だ。そして、60歳でアーリーリタイア。でも、もちろん趣味の世界からは引退はしていない。
ペイドのような人はどうしても手を動かしてしまう。そうして、何年もかけて、古い箱を新しい時代に合うように作り上げたのだ。もちろん、タイプ2のソケットも搭載している。
e-driveのディスプレイがなんと灰皿の中に隠されている! 特に、現在のパワーリザーブを表示することができる。15.8キロワット時のバッテリーを搭載し、「R4」の航続距離は約170kmだ。
ちなみに、蓄電システムはBMW i3のものだが、ペイドはそれを分解して車内(または車体下)に分散させている。3つのモジュールのうち2つは、トランクの高さにある車の床下に取り付けられている。
ペイドは、上からは何も見えないことを誇りにしている。大量生産しているメーカーでも、時にはもっとスペースを狭くしてしまうこともある。ちなみに、クラシックカー愛好家の彼は、自身で「ルノーR4」を丸ごとレストアし、塗装の仕方も独学で学んだという。
ペイドは、フロントシートに本革というちょっとした贅沢を施した。もちろん、ルノーからは発売されていない。11年前、昼休みに宝物を発見した。「粗大ごみ置き場の路上に大きなソファがあったので、ポケットナイフを取り出して、自分で切り取ったのです」。
ボンネットの下には、30馬力の旧型4気筒が捨てられ、22馬力のシューボックスサイズの電動モーターが移設されている。ピークパワーは77馬力、トルクは194Nmを発揮する。オレンジ色のホースは高電圧ケーブルだ。
ほとんどオープンカー: トーマス ペイドは折りたたみ式のルーフを押し戻し、静かなドライブを楽しんでいる。1961年から1967年までの第1期では、まだ丸目がラジエーターグリルの中ではなく、その左右にあったこの初期「R4」の美しさは、そのオリジナリティにある。
これでもクラシックカーなのか? R4は1966年のモデルだが、電動技術は現代的だ。そして、ナンバープレートの「E」からわかるように、このクルマは完全に最新になったのだ。
ペイドにとって、環境保護とドライブは矛盾するものではない。旧「R4」には反原発のステッカーが貼られてある。フランス語で。

もちろん、今でも昔からの「R4」シーンの友人たちのために、地下の工房でガソリンエンジンやギアボックスの修理も続けている。もちろんそんな車が好きだからだ。ペイドは言う「少数がたくさんやるのではなく、みんなが少しずつやることでサスティナビリティは機能する」と。本当にそのとおりである。

【ABJのコメント】
以前からこういうクラシックカーをBEVにコンバートすることをAuto Bildの記事でも紹介したが、個人的には賛成だし、車によっては欲しいとさえ思う。そんな欲しい車として夢想するのは、初代の「フィアット パンダ(トッポリーノはもっといいけど)」とか、「アストンマーティン ラゴンダ」とか、いっそのこと?「ランチア テーマ」なんかもBEVにコンバートしたら滑らかで快適でいいんじゃないだろうか、と妄想してしまう。実際に近々、「ルノー サンク」のBEVも登場するというが、あれは純粋にメーカーが発表する新型のBEVモデルであって、今回の「キャトル」ベースの一台とは全く異なることは言うまでもない.

今回の「キャトルBEV」の場合、なにしろ感じられるのはオーナーの「キャトル愛」というか、想いの強さである。これほど長年「キャトル」を愛し、環境のことも考え、なによりも自分の手と頭を使って産み出したというところがなんとも素敵で素晴らしい(とにかく特筆すべきことは、外観に一切の改悪なモデファイがなく、オリジナルの良い部分をできるだけ残そうとしていることで、そこに感銘を受けてしまう。改悪が多くみられる、大多数のレストモッドとはそこが違う)。

私にはそんな技術もないし、すごいなぁ、とか、いい話だなあと感動するだけではあるが、この「キャトルBEV」にどこかで出会ったらぜひ乗せてもらって苦労話のひとつも聞いてみたい。きっとこの人は話の分かる趣味のいいコニサーなんだろうなと思わせるような、オリジナルの雰囲気を極限まで残したいい感じのBEVである。(KO)

Text: Andreas May
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de