ロベータ(Robeta)メルセデス スプリンター モーターホームは元F1レーサーのラルフ シューマッハの構想から生まれた

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元F1スター、ラルフ シューマッハのプロデュースした新型高級キャンピングカーがこれほどのものだったとは・・・。ヨーロッパ最大のキャンピングカー見本市、デュッセルドルフのキャラバン サロン2022では、最新かつ最も珍しいキャンピングカーが展示されている。なかでもこのロベータは、元F1ドライバーのラルフ シューマッハが特別にデザインしたものだ!

おそらくほとんど知られていないこと。元F1ドライバーのラルフ シューマッハはアウトドア派で、キャンプも趣味のひとつ。スロベニアのキャンピングカーメーカー、ロベータ社と共同で、モーターホームの開発まで手がけ、その実力は折り紙付きだ。

ベースは190馬力、全長7.36mの「メルセデス スプリンター」で、9速ATとツインタイヤが装着されている。ラルフは、メルセデスの製品群が提供するテクノロジーやアシスタンスシステムのすべてを、EXワークスでインストールした。スプリンターの車高も上げ、JLオーディオのサウンドシステムを搭載し、フロントも大幅にワイドになっている。

今後、上位モデルのロベータ社製メルセデス スプリンター モーターホームには、オプションで全輪駆動も用意される予定だ。

キャンピングカーにヨットのインテリアを

中に入ると、そこはまるでヨットに乗船しているかのような感覚だ。実際、家具はヨットフィッターに依頼し、上質なボートルックを実現している。キッチンには、大理石に似ているが、より軽量な素材であるブラックケーロックを採用した。温かみのある木材、壁の白いファブリック、大理石調の白い床とで、強いコントラストを形成している。

今までにない折りたたみ式ベッド

車両中央部上部のリフトベッドは、サイドパネルを自動的に伸縮させることで、メルセデスのテーパー屋根の下降・上昇に適応する。1.70m×2.10mという驚くほど広い寝室を実現している。カスタマイズ可能なモチーフを下面に取り付け、全周LEDバンドで、キャンピングカーの目を引くが調和のとれた照明コンセプトと見事に調和させている。

ヨットを強く連想させるインテリアに、ソファを配置するなど、キャンピングカーの標準的なフロアプランとは大きく異なる。

キッチンには、IHクッキングヒーターだけでなく、食器洗い機やワイン冷蔵庫も設置されている。モレロ社製の大型ライナーではごく普通のことだが、キャンピングカーでは非常に珍しいことだ。

高級ホテルのようなバスルーム

バスルームはメルセデスの後方にあり、スライドドアの高さに引き出し機能付きの大きなソファを置くスペースを作っている。もちろん、キャンピングカーではスペースが限られているが、バスルームは意外と広い。そこには、ガラスで仕切られた独立したシャワー、黒い洗面台、セラミック製のトイレ、大きな照明付きミラーが備え付けられている。鏡面仕上げの黒い背面壁は、部屋をかなり暗い印象にしながらも、伸びやかな印象をも与えている。

ラルフ シューマッハ: ロベータ ラグジュアリー キャンピングカー

ヨーロッパ最大のキャンピングカー見本市、「キャラバン サロン デュッセルドルフ2022」では、珍しいキャンピングカーが展示されている。そのひとつが、元F1ドライバーのラルフ シューマッハが自分のためにデザインしたこのロベータだ。シューマッハは、リフトベッドの下の天井画にモノクロの写真を選んだ。モチーフはワイナリーのワインセラーで、彼自身が自分のラベルでワインを生産しているところだという。
キッチンカウンターの下には、ラルフの愛犬リリーのためのベッドが敷かれている。
パネルバンをベースにしたモーターホームとしては珍しく、食器洗い機やワイン冷蔵庫まである。
キッチンブロックの表面には、大理石のような見た目と手触りの樹脂コンパウンド「Kerrock(ケロック)」を採用。シンクはフィットパネルで覆うことで、キッチンユニットを完全に連続させることができるようになっている。
バスルームはブラックが支配している。ガラスのエレメントは、部屋をより広く、すっきりと見せてくれる。イルミネーションミラーは、車両全体を貫く間接照明の雰囲気を拾っている。
ボタン一つで昇降ベッドを降ろすことができる。メルセデスのテーパー型ルーフにフィットし、かつ広い就寝スペースを確保するため、サイドパネルが自動的に伸びる仕組みになっている。
回転式のシートは白いレザー張りで、ラルフ シューマッハのロゴがあしらわれている。
メルセデス スプリンターにはツインタイヤが採用されている。その他、460Ahのリチウム電池を搭載したエレクトリックシステム「マスターボルト」、屋根に設置した300WPのソーラーシステム、独自の4G無線LANシステムなどのガジェットを搭載している。

ラルフ シューマッハはすでにロベータ アポロ(全長6.40メートル、フィアット デュカートベース)のオーナーでもある。「メルセデス スプリンター シューマッハ エディション」は、近々、ロベータの製品ラインナップに特別モデル(279,990ユーロ=約3,920万円)として追加され、我らの路上へとやってくるのだ。

【ABJのコメント】
ラルフ シューマッハはもちろんミハエル シューマッハの弟で、実はかなりの趣味人であることが知られている。現在はレーシングチームで後輩の育成の尽力している毎日だが、実はワインが大好きで、自分のオリジナルワイン(スパークリングワインだという)を作り、ドイツでは「GT3カップ(ワンメイクレース)」などのシャンパンファイトには、ラルフ シューマッハのワインが使われているのだという(言うまでもなく、アルピナもワインづくりで有名だが、ドイツ人にとっては自分のワインを作るのが成功者の証なのだろうか??)。

そんなラルフ シューマッハのプロデュースした高級キャンパー、これは確かにセンス良く高品質で、良い感じである。「メルセデス・ベンツ スプリンター」をベースに作られたこのキャンパーは、ヨットメーカーが制作を手掛けたからか、豪華クルーザーのような雰囲気に満ちているし、リッチな感じながらも、成金臭さが皆無なのが素晴らしい。これはいいなぁ、欲しいなぁ、と価格を見れば4,000万円、というプライスタグであった。だが、良いものは高いし、これだけの品質で妥協なく作ればこのプライスも致し方あるまい。高いとか、買えないと言うのは勝手だけれども、じゃあお金だけでこういうものが成立するかというと、それも違うと思う。いざ自分で好きなようにオーダーしてみろと言われたら、そんなセンスのかけらもない私は、「ごめんなさい、とてもとてもできません」言うしかないのだから・・・。(KO)

Text: Lisa Busse
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de