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こんなクルマ知ってますか? テスタロッサルックのオペル カデット 正直ダセー&カッコ悪い(笑)

2022年9月29日

テスタロッサルックの希少なワイドボディのオペル カデットがオークションに出品された。カルトチューナー「ケーニッヒ スペシャルズ」は、本当にメルセデスやフェラーリだけでなく、オペルもワイド化したのだろうか?

「ケーニッヒ スペシャルズ」は、80年代から90年代にかけての「THEチューナー」の一つだ。1977年にヴィリー ケーニッヒによって設立されたこの会社は、メルセデス、BMW、フェラーリ、ポルシェなどのモデルのワイルドなワイドボディで有名になり、それ以来、カルト的存在となるだけでなく、本当に貴重なものとなっている。

しかし、ケーニッヒ スペシャルズは本当にオペルまで面倒を見たのだろうか?可能性はある。少なくとも、スペインでオークションに出品された1987年製の「オペル カデットGSi」を見れば、そう思うはずだ。広告によれば、156馬力の「GSi」は、初登録から3年後に、ケーニッヒ スペシャルズのボディキットを装着したそうだ。

しかし、その一方で、ケーニッヒ スペシャルズの「オペル カデット」用ボディキットの情報が全くないというのも不思議なことだ。写真からすると、ワイドボディはシュナイダーのコンバージョンのようにも見える。このボディキットは、間違ってケーニッヒ スペシャルズとして提供された可能性がある。

ケーニッヒ スペシャルズかシュナイダーか?

ケーニッヒ スペシャルズにしろ、シュナイダーにしろ、ひとつだけ確かなことがある。1987年の初代「オペル カデット」を彷彿とさせるものは、ほとんど残っていない。フロントエプロンにはフロントスプリッターが突出し、フロントウイングは極端にワイドになり、オペルのロゴやレタリングは除去されている。

ボディキットのおかげで、オペル カデットはミニテスタロッサへと変身した。リブ付きのエアインテークは、当時としてはファッショナブルだった。

このカデットは頬が広いので、サイドビューは実に壮観だ。リアウイングは片側数cmのフレア形状で、その前方には「フェラーリ テスタロッサ」風のリブ付きフェイクエアインテークが装着されている。

13×15サイズのリアホイール

もちろん、ドロップセンターのホイールも欠かすことはできない。ワイドなボディに標準のホイールを履くのは、何とも似つかわしくないからだ。285/40 R 15と345/35 R 15のクロススポークホイールは、「ランボルギーニ カウンタック」や「イスデラ インペラトール」などのスーパースポーツカーにも装着可能だ。

こうして見ると、カデットの幅の広さがよくわかる。リアホイールのサイズは13×15インチだ。

さらに、固定式リアウイング、アスコナテイルライト、シングルフロー式スポーツエグゾーストでパッケージは締めくくられる。しかし、内部ではチューニングのアリアが続いている。レッドステッチ入りスポーツシート、スパルコ製ペダル、スパルコ製ドアシルトリム、スパルコ製フロアマット、カーボンルックのギアノブ、MOMOスポーツステアリングホイールを装備。その上にある赤いボタンは、一見するとニトロ注入用のボタンに見えるが、実はホーンボタンなのだ。

インテリアは、元々地味だが、いろいろと手を加えている。

もちろん、90年代のチューニングカーになくてはならないもの、それはサウンドシステムだ。「カデットGSi」のトランクには、後付けされたサブウーファーとパワーアンプがあり、絡まったケーブルは無料で提供される。一方、オリジナルは「カデットGSi」の伝説的なデジタルメーターディスプレイで、ファンの間では「マウスシネマ」の愛称で親しまれている。

カデットの走行距離は177,170km。

35年前の「カデット」の走行距離は177,170km。驚くべきことに、1987年に新車でオペルを購入し、1990年にボディキットでリファインさせた最初のオーナーが、2017年にこのクルマを買い戻したのだという。現在の売り手は、2020年に「GSi」を入手し、再塗装し、4本の新しい(そしておそらく罪深いほど高価な)タイヤを装着した。

推定価格は20,000ユーロ(約280万円)以上

しかし、マイナスポイントもある。ワイドボディのカデットがあちこちで細かな不具合を起こしたりしている。ボディキットには数カ所のダメージがあり、塗装は部分的に割れ、ヘッドライナーは垂れ下がっている。そのため、購入者は完璧な車を期待したりしてはいけない。

2.0リッター4気筒エンジンは変更されていない。触媒なし(輸出用のみ)の16Vは156ps、触媒ありは150psを発生した。

オリジナルの2.0リッター16V、156馬力のオペルは、オークションプラットフォームcatawiki.comで競売にかけられていた。8月30日現在はわずか4,000ユーロ(約56万円)だったが、想定価格は23,100~25,500ユーロ(約323~357万円)だ。

この「カデット」にそれだけの価値があるかどうかは、個々人が判断することになる。しかし、チューニングの歴史の一片を購入するチャンスであることは間違いない。もしかしたら、本当にケーニッヒ スペシャルズで改造した「カデットGSi」かもしれないからだ。

Text: Jan Götze
Photo: catawiki.com