【内燃機関&EV対決】ポルシェ編 新世界対旧世界=内燃機関対電動モーター ポルシェ パナメーラ対タイカン 果たして勝者は?

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EVの方が楽しい。初のオール電化ポルシェが走り比べを制す。また、ランニングコストやメンテナンスコストが安いので、ポイントでも断トツだ。

「パナメーラ ターボS」は、曲がりくねった田舎道で深い音を立てて走る。スロットルを踏めばV8が期待に応えて大きく唸り、再び加速してドライバーとマシンが一体化できる。

なるほど、多くのポルシェファンが言うように、長すぎ、広すぎ、重すぎるのは確かだ。リッターあたり5kmを大幅に下回る燃費で、とにかくこの時代にフィットするには、あまりにも喉が渇きすぎている。ハンドルを握ると、悪いことをした少年のような、少し恥ずかしい気持ちになる。

パナメーラのコックピット、タイカンとほぼ同じで、高い品質と最高のエルゴノミクスを実現している。

もう1回だけ曲がって、加速していく・・・。この最高峰のエンジン設計には、言葉を失うほどの切なさを感じる。

電気自動車である「タイカン」のサウンドジェネレーターは、それに比べるとまさに無力なものに聞こえる。まるで80年代のSF映画のワンシーンのようだ。

しかし、ペダルを踏み込むと、頭がヘッドレストにのめり込むように飛んでいくのだ。761馬力と1050Nmのトルクを持つこの獣は、奔放に前へ進み、美しいまでに凄い推力を発揮してくれる。

【車両データ】

モデル タイカン ターボS SP.ツーリスモ パナメーラ ターボS SP.ツーリスモ
エンジン 電動モーター×2基(フロント&リア) V8、ツインターボ
最高出力 761PS 630PS@6000rpm
最大トルク 1050Nm 820Nm@2300rpm
0-100km/h加速 2.8秒 3.1秒
最高速度 260km/h 315km/h
駆動方式 全輪駆動、2速トランスミッション 全輪駆動、8速デュアルクラッチ
全長/全幅/全高 4963/2144/1391mm 5049/2165/1432mm
ホイールベース 2900mm 2950mm
乾燥重量 2,415kg 2,160kg
トランク容量 405~1171リットル(+84リットル、フロント) 487~1356リットル
価格 187,526ユーロ(約2,625万円)より 192,984ユーロ(約2,700万円)より

630馬力と820Nm「しか」ない「パナメーラ」には、まったく勝ち目がないのだ。初のオール電化ポルシェは、言葉に表せないほどに印象的だ。

2.4トンがこれほど軽く感じられ、コーナーリングがこれほど容易なのは、かつてなかったことだ。しかも、「パナメーラ」よりも約5,500ユーロ(約77万円)も安く購入できるだけでなく、メンテナンスや減価償却の面でも明らかに電気自動車がリードしているのだ。

タイカンのフロントコンパートメントには、さらに84リットルのラゲッジが収納可能となっている。

そして4年後には、約35,500ユーロ(500万円弱)の節約になる。信じられないような金額だ。「パナメーラ」の減価償却費の多さだけで、ベーストリムの新型「911」を購入するには十分だ。

「タイカン」は金額の面で「パナメーラ」をリードしている。たとえ、ポルシェの顧客にとっては、お金が主な要因ではないことは確かであっても・・・。

勝者:
電気自動車 ポルシェ タイカン ターボS Sp.ツーリスモ

結論:
「パナメーラ」は、派手で重く、喉が渇く、アンチグレタの主張を転がすような車だ。そのため、「タイカン」にとっては「パナメーラ」を負かすことは非常に楽なことなのだ。エンジン、シャシー、ハンドリングも「タイカン」の方が優れている。エモーショナルな部分が少し足りないだけだ。

Text: Malte Büttner
Photo: Porsche AG