【内燃機関&EV対決】ポルシェ編 新世界対旧世界=内燃機関対電動モーター ポルシェ パナメーラ対タイカン 果たして勝者は?
2022年9月19日
EVの方が楽しい。初のオール電化ポルシェが走り比べを制す。また、ランニングコストやメンテナンスコストが安いので、ポイントでも断トツだ。
「パナメーラ ターボS」は、曲がりくねった田舎道で深い音を立てて走る。スロットルを踏めばV8が期待に応えて大きく唸り、再び加速してドライバーとマシンが一体化できる。
なるほど、多くのポルシェファンが言うように、長すぎ、広すぎ、重すぎるのは確かだ。リッターあたり5kmを大幅に下回る燃費で、とにかくこの時代にフィットするには、あまりにも喉が渇きすぎている。ハンドルを握ると、悪いことをした少年のような、少し恥ずかしい気持ちになる。
もう1回だけ曲がって、加速していく・・・。この最高峰のエンジン設計には、言葉を失うほどの切なさを感じる。
電気自動車である「タイカン」のサウンドジェネレーターは、それに比べるとまさに無力なものに聞こえる。まるで80年代のSF映画のワンシーンのようだ。
しかし、ペダルを踏み込むと、頭がヘッドレストにのめり込むように飛んでいくのだ。761馬力と1050Nmのトルクを持つこの獣は、奔放に前へ進み、美しいまでに凄い推力を発揮してくれる。
【車両データ】
モデル | タイカン ターボS SP.ツーリスモ | パナメーラ ターボS SP.ツーリスモ |
エンジン | 電動モーター×2基(フロント&リア) | V8、ツインターボ |
最高出力 | 761PS | 630PS@6000rpm |
最大トルク | 1050Nm | 820Nm@2300rpm |
0-100km/h加速 | 2.8秒 | 3.1秒 |
最高速度 | 260km/h | 315km/h |
駆動方式 | 全輪駆動、2速トランスミッション | 全輪駆動、8速デュアルクラッチ |
全長/全幅/全高 | 4963/2144/1391mm | 5049/2165/1432mm |
ホイールベース | 2900mm | 2950mm |
乾燥重量 | 2,415kg | 2,160kg |
トランク容量 | 405~1171リットル(+84リットル、フロント) | 487~1356リットル |
価格 | 187,526ユーロ(約2,625万円)より | 192,984ユーロ(約2,700万円)より |
630馬力と820Nm「しか」ない「パナメーラ」には、まったく勝ち目がないのだ。初のオール電化ポルシェは、言葉に表せないほどに印象的だ。
2.4トンがこれほど軽く感じられ、コーナーリングがこれほど容易なのは、かつてなかったことだ。しかも、「パナメーラ」よりも約5,500ユーロ(約77万円)も安く購入できるだけでなく、メンテナンスや減価償却の面でも明らかに電気自動車がリードしているのだ。
そして4年後には、約35,500ユーロ(500万円弱)の節約になる。信じられないような金額だ。「パナメーラ」の減価償却費の多さだけで、ベーストリムの新型「911」を購入するには十分だ。
「タイカン」は金額の面で「パナメーラ」をリードしている。たとえ、ポルシェの顧客にとっては、お金が主な要因ではないことは確かであっても・・・。
勝者:
電気自動車 ポルシェ タイカン ターボS Sp.ツーリスモ
結論:
「パナメーラ」は、派手で重く、喉が渇く、アンチグレタの主張を転がすような車だ。そのため、「タイカン」にとっては「パナメーラ」を負かすことは非常に楽なことなのだ。エンジン、シャシー、ハンドリングも「タイカン」の方が優れている。エモーショナルな部分が少し足りないだけだ。
Text: Malte Büttner
Photo: Porsche AG