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ほしいな、これ フィアット デュカートベースのキャンパー フォルスター599VB

2020年4月15日

大ブームになりつつあるコンパクトキャンパー フォルスター599VBキャンピングカー

モーターホームメーカー、フォルスターのパネルバンをベースとするキャンパーの第一弾は、フィアット デュカートをもとにして鮮やかなグリーンで仕上げられた。世界中で大ヒット中のコンパクトキャンパーを紹介しよう。

コンパクトキャンピングカーは大ヒット中

今日、他のどのセグメントでもこれほど多くの車を販売していないし、これほど成長が早いセグメントもない。
したがって、フランスを始め、ドイツ、イタリア、スペイン、そして英国でビジネスを展開するトリガーノグループ(Trigano group)のエントリーブランドであるフォルスターが、今シーズンからパネルバンをついに提供するのも不思議ではない。
提供される新しいモデルは、4種類で、キャンピングカーにとってすべての必要な装備を備えている。むろん、ちゃんとした家庭料理も味わえるキッチンも付いている。
4種類のうち3つのモデルのレイアウトは、(車の進行方向)横向きに取り付けられたリアベッドを提供し、残りの1種類は、今パネルバンで需要の高い縦方向(つまり、車の横幅の方向)のシングルベッドを提供する。価格は5.41メートルのショート541HBの36,300ユーロ(約435万円)から6.36メートルのロング636EBの39,990ユーロ(約480万円)までとなっている。
テストに供されたのは、リアに二段式ダブルベッドを搭載するなどの特別仕様の「599 VB」で、価格表によると37,990ユーロ(約450万円)からとなっている。わが国のミニバンの値段を考えると、意外と安い。

一日の終わりにワインを楽しむ。テーブルが拡張できて使い勝手が良い。向こうに「横方向に」設置されたベッドが見える

フィーリングの良い雰囲気はデザインが一因

それがこのコンパクトキャンピングカーだ。シャキッとしていて、機敏性もあり、必要に応じて家族にも優しい。
リアにダブルベッドを上下に2つ並べるというちょっと変わった方法で、ともかくフォースターは4人で寝られるキャンピングカーになっている。オプションのシーティンググループキット(390ユーロ=約4万6千円)には、緊急用ベッドも用意されている。
エントリーレベルの価格からもわかるように、599 VBは価格に敏感な顧客を対象としたモデルだ。
手頃な価格ではあるが、ものすごく安いというわけではない。

室内に入るとフィーリングの良い雰囲気をデザインに採り入れていることは確かに伝わってくる。色も素材も、センスよくコーディネートされている。シートカバーが茶色ということは我々テストしたメンバーの中で意見が分かれたが…。
しかし、出来栄えに対する意見は満場一致で、非の打ちどころがなかった。
一つだけ残念なことは、パネルバンの中のスペースが狭いということだ。これは主にインテリアの天井の高さ(1.88メートル)とベッドの長さ(1.85メートル)に関係している。したがって、長身のキャンパーを満足させることは難しいだろう。

フォルスターはコーンの間を縫って楽々とゆるやかに進む。ボディの傾きはほとんど目立たない。だが重いことは事実なので、パイロンスラロームでの無理は禁物だ(というか、そもそもそういうクルマではない)。

簡単かつ非常に安定した回避操作を

インテリアはとても充実している。暖房システム付きの小さなシーティングエリアと安定したテーブル、とても素敵なバスルーム、2口コンロ付きのコンパクトなキッチン、船尾には荷物を収納できるスペースが備わっている。
快適さと色も提供される。グリーンペイントワーク(790ユーロ=約9万4千円)、140馬力エンジン(790ユーロ=約9万4千円)、日よけ雨よけ用の天幕(1190ユーロ=約14万2千円)、トラベルコンフォートパッケージ(エアコン、アームレスト付きシート、電動ウィンドーを含む。1190ユーロ=約14万2千円)、セーフティコンフォートパッケージ(助手席エアバッグ、クルーズコントロールを含む。690ユーロ=約8万2千円)、アクティブパッケージ(電動ステップ、虫よけドア、拡張式テーブル、フロントブラックアウトを含む。990ユーロ=約12万円)。
ファルスターは快適なドライビングを提供してくれる。とても操作しやすく機敏である一方で、とても安全だ。
田舎道ではフォルスターは素早く動き、高速道路での追い越しの際でも、それほど力を入れなくても追い越しが可能だ。
回避操作も簡単で、重さを考えれば非常に安定している。
車重が災いして100km/hから完全停止までのブレーキテストではややフェードが目立った。制動距離は50.06mと、とても危険だというほどでもないが、前の車との間隔を適切にとって安全を心掛けることが勧められる。

テクニカルデータ
エンジン 4気筒ディーゼル
最高出力 140PS@3500rpm
排気量 2287cc
最大トルク 350Nm@1400rpm
最高時速 140km/h
トランスミッション/駆動方式 6速MT/前輪駆動
燃料タンク容量 75リットル
全長×全幅×全高 5990×2050×2610mm
ホイールベース 4035mm
タイヤ コンチネンタル製ヴァンコキャンパー215/70 R 15 CP
乾燥重量 2865kg
テスト車の価格 37,990ユーロ(約450万円)
提供される新しいモデルは、4種類で、すべての必要な装備を備えている。
リアに2段ダブルベッドを特別装備した「599 VB」は、価格表によると37,990ユーロ(約450万円)から用意されている。
このバン599VBはコンパクトキャンパーだ。とてもファミリーフレンドリーにできている。
写真はダブルベッドを組み立てているところだ。
ドライバーズ&パッセンジャーシートが回転式で後ろを向いて食事が可能。手前のコンロも使いやすそうだ。
インテリアが若干窮屈に感じるところがマイナス点だ。インテリアの天井の高さは1.88メートル。ベッドの長さも1.88メートルだ。洗面スペースも必要最低限。
船尾には2つのビルトイン食器棚があり、5キロのガスボンベが2つと水タンクが装備されている。真ん中は荷物置き場だ。
好みに準じて、いろいろなことができるオプションも揃っていて、好みに応じたオーダーできる。
トイレ用のトレーは、運転席側のフラップの後ろに備わっている。ここからしかるべき場所で、排出する。
ブレーキ性能が特にすぐれているわけではないので、制動距離もそれなりに長い。前を行くクルマとの安全な距離を保つことが肝要だ。

結論:
安価で、柔軟性を備え、積載性も高く、きれいに仕上がっているフォースターの最初のパネルバンは説得力がある。茶色のシートカバーは好みの問題だが他の色を貼れば済むことだ。他の問題点はやや狭いベッドで、このことが顧客を遠ざけてしまうかもしれない。

採点:
5点満点中4点

Text: Axel Sülwald
Photo: Bernd Hanselmann / AUTO BILD