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【このクルマなんぼ?】80年代を代表する伝説のAMGベンツ AMG 300CE 6.0 ハンマー そのありえねー驚異の値段は?

2022年9月9日

信じられない・・・。このAMG 300CE 6.0 ハンマーの価格は驚くほど高い。なんと80万ユーロ(約1億1千万円)で落札された。AMGマニア垂涎のハンマーだ。

「ハンマー」 はボディキット、V8エンジン、その他の改造により、合計で13台のみ製造された。今では、ほとんど唯一無二の存在となっている。そのうちの1台が2022年8月4日にニューメキシコ州アルバカーキーで非常識な高値で落札された。リアに凹みがあるにもかかわらず・・・!?

外観: AMG特製300CE用エクステリアボディキット

いわゆる「ハンマー」は、1990年代前半までのAMGの象徴的なモデルである。ブラックパールメタリックに塗装され、17インチのクロームAMGエアロリムを装着したAMGは、一見しただけでも勇壮な素晴らしい姿をしている。なぜなら、AMGボディキットや、同じく黒く塗られたラジエーターグリル、改良型フロントバンパー、フォグランプ、フレアホイールアーチ、サイドスカート、2本の太いテールパイプ、ダックテールスポイラーなどが装備されているからだ。

AMGチューニングの文法。2本の太いエキゾーストテールパイプとダックテールスポイラー。

しかし、この一台には2つの欠陥も目立つ。トランクリッドからスポイラーが少し外れており(おいおい)、右リアライト下に小さなへこみがある。そして、目には見えないが、改造されたショックアブソーバーとスプリングなども劣化している。

300CE 6.0には、クラシックなAMGホイールがクロームメッキで輝いている。

インテリア: グレーレザー×ゼブラーノウッド

インテリアにもAMGらしいスタイルが続く。シート、ステアリングホイール、ドアトリムはグレーのレザーが張られ、フロアマットはオリジナルのものだ。センターコンソールは、当時のメルセデス・ベンツらしいブラウンのゼブラーノ材のアクセントが施されている。

インテリアは、グレーのレザーとゼブラーノウッドの相性がよく、望外に品が良い。

特徴: AMGは“フル装備”

装備も圧巻だ。この「ハンマー」には、オートエアコン、電動サンルーフ、スモークウィンドウ、アラームシステム、電動調整式フロントシート、クルーズコントロール、パワーウィンドウが装備されている。さらに、AMGにはドアスピーカーとトランクにサブウーファーを搭載したソニーXR-7200というかなり凝ったサウンドシステムが搭載されている。

エンジン&価格: 6気筒が8気筒に

次は車の心臓部へと移る。当初、「メルセデス300CE」は3リッター直列6気筒を搭載していた。これを6リッターのV8エンジンに置き換えた。正確には、32バルブの「DOHC M117」に。こうして、レトロAMGは最高出力385馬力、最大トルク565Nmを発揮するように改造されたのだった。

ボンネットの下には、385馬力を誇るV8エンジンが収まっている。程度もなかなかよさそうだ。

最後にこの車の金額について触れると、この希少なメルセデスは、先日、約74万9,649ユーロ(約1億500万円)に相当する金額で落札されたのだった。かなりの高額であるといえよう。

【ABJのコメント】
AMGの「ハンマー」といえばかつて少数のみ生産された希少価値のあるモデルだし、欲しい人にとっては欲しい一台ではあると思う。また今回の一台は内装も外装に似合わないほど上品なカラーリングと痛みの少なさで、これはなかなか高ポイントであるといえよう。残念ながら今回のレポートには走行距離が明記されていないが、この内装の劣化具合を見る限り(内装が張り替えられていなければ、とかそういう部分はあるけれど)それほど過走行ではないのかな、とも推測される。

だがリアスポイラー部分が外れていたり(おいおい、それぐらい直したらどうだ)、ちょっとしたへこみ(これも直したらいいのに、と思う)があったりする「ハンマークーペ」が、1億円を超えるというのはちょっといくらなんでも高すぎるんじゃないだろうか、と率直に思う。芸術作品のようなヴィンテージカーや、歴史のあるモデルならいざ知らず、今回の一台はそれほどのものではなさそうだし、1億円を超えるというのはいくらなんでも・・・、と呆れてしまう。まあ落札されたということだし、欲しい人のところに行って、車も人も幸せでよかったからいちゃもんをつけてはいけないが、まずは外れたスポイラーとへこみは速攻で直してあげてほしい。(KO)

Text: Kim-Sarah Biehl
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de