【サヨナラW16】ブガッティ 新型オープントップモデル ミストラルで記念碑的パワーユニットW16に別れを告げる 新着情報!

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ミストラル ロードスターで、ブガッティはW16を引退に追い込む。ミストラルは1600馬力、99台しか製造されず、価格は595万ユーロ!(約8億3,000万円)である。

「シロン」が発表された2016年、ブガッティは「ヴェイロン」の後継車はクーペとしてのみ開発されたものであり、シロンのロードスターは存在しないと宣言していた。6年の歳月といくつかの特別モデル、スモール生産シリーズ、ワンオフモデルを経て、結局はオープンの「シロン」が登場することとなった。

しかし、ニューバリエーションは、「シロン ロードスター」や「シロン グランドスポーツ」ではなく、「ミストラル」と呼ばれ、ブガッティによれば、「シロン」ファミリーには属さないとのことだ。「ミストラル」は、40台限定の「ディーヴォ」や10台限定の「チェントディエティ」など、「Few-Offs」と呼ばれる超限定シリーズモデルに属する。

ミストラルはディーヴォほど極端に描かれてはいないが、それでもブガッティであることは一目瞭然である。

「ミストラル」の正式名称は「シロン」ではないにせよ、もちろんベースは「シロン」だ。しかし、このネーミングからも明らかなように、「ミストラル」は単にオープンな「シロン」と見誤ってはいけない。「ミストラル」は歴史上、非常に重要な位置を占めることになるだろう。

W16時代の終焉を告げるブガッティ ミストラル

「ミストラル」は8.0リッターW16の時代が終わりを告げる1台なのだ。その発表当時から、すでに伝説的な存在であったエンジン。ブガッティは、ハイブリッドドライブを搭載した「シロン」後継車の登場に先立って、W16にふさわしい引退をさせるという決断を下したのだ。

ブガッティ110年の歴史の中で、オープンカーは特別な存在であることから、ロードスターを選択した。第二次世界大戦前に生産されたブガッティの約45%がロードスターであり、その中には今日最も価値のある車も含まれている。

ミストラルのビジュアルは、シロンを彷彿とさせる

ミストラルの重要性を強調するために、チーフデザイナーのアヒム アンスハイトとそのデザインチームは、99台限定のこのモデルをゼロからデザインし直すという課題を課したのである。「シロン」の特徴であるCラインを壊してしまうので、切り刻むという選択肢はないのだ。

そこでブガッティは、ニューオフの兄弟車である「ディーヴォ」と「チェントディエティ」を参考にしたのだった。「ミストラル」は「ディーヴォ」ほど過激ではなくとも、一目でブガッティとわかるようなデザインにすることが目標だった。

フロントでは、ブガッティに欠かせない馬蹄形ラジエーターグリルが、「シロン」よりも大幅に大きくなっている。これにより、メインラジエーターにさらに多くの空気を供給することができるようになった。ヘッドライトの基本的な形状はディーヴォを彷彿とさせるが、個々のライトユニットの間にエアカーテン、つまり空気取り入れ口を追加するという、パーティーの仕掛けをマスターしているのである。エレメントはほとんど目立たず、空気の乱れを軽減するのに役立つ。

1600馬力と1600Nmのトルクが可能にする: ミストラルは最高速度420km/hに到達することになっている。オープン ザ ルーフ!

特にフロントガラス周辺のパーツが面白い。アンスハイトによれば、バイザーのテーマ(視覚的に包み込むようなフロントガラス)と、ブガッティのクラシックなラインを融合させることが最大のチャレンジだったそうだ。

幸いなことに、チームにはワンオフの「ラ ヴォワチュール ノワール」のデザイン経験があった。アンスハイトにとって、フロントガラスの上端は最も重要な部分であり、ここから形状が直接サイドのラインに合流するからだ。

ミストラルにファブリックトップが登場

その結果、ミッションは成功した。「ブガッティ ミストラル」は、確かに独立した外観で、バルケッタをシェイプアップしたような印象だ。万が一、99人のオーナーの誰かが雨の中でハイパーカーを運転したいと思ったときのために、ブガッティはこのスモールシリーズ用に布製のソフトトップを開発した。これは、「ヴェイロン グランドスポーツ」の傘のソリューションをさらに発展させたもので、車内に持ち込むことができるようになっている。

ルックスに話を戻そう。サイドビューでは、「ミストラル」を非常にコンパクトに見せる仕掛けが施されている。リアエンドには独特の凹みがあり、リアオーバーハングが特に短く見える。一見すると「シロン」よりもコンパクトに見える「ミストラル」だが、寸法は非常によく似たものとなっている。

新型ライトストリップを中心としたリアビューは、何もかもが似ている。レーシングカー「ボライド」からインスピレーションを受け、デザインした。その下には、「シロン」を彷彿とさせるセントラルエキゾーストシステムが鎮座している。

この写真では見えないが、ミストラルにはファブリックルーフがある。

しかし、その一方で、乗客の背後にあるエアスクープという印象的なデザイン上の特徴が失われているのも事実だ。2005年、W16に十分な空気を供給するために「ヴェイロン」とともに導入された「シロン」には、スクープがなかった。「ミストラル」では、「ヴェイロン」へのオマージュとして、若干の改良が施された形で戻ってきた。

シロン スーパースポーツに搭載されたエンジン

さて、エンジンの話に移ろう。「ミストラル」の心臓部であり、同時に存在意義でもある。パワープラントは、運転席と助手席の後ろに宝石のように鎮座している。世界最速の車、「シロン スーパースポーツ」のパワートレインが「ミストラル」に搭載されているのだ。数値で言うなら、7993cc、16気筒、最高出力1600馬力、最大トルク1600Nmというものだ。

ブガッティはまだ性能の数字を公表していないが、「ミストラル」が速いことは予言者でなくてもわかるだろう。ブガッティは、「ミストラル」の最高時速420kmという数値は明らかにしている。もちろん、オープン状態での数値である。そうなれば、世界最速のロードスターとなる。現在、「ブガッティ ヴェイロン グランドスポーツ ヴィテッセ」が持つ、時速408.84kmというのが公認のタイトルだ。しかし、ブガッティが再び自己記録のトップに挑戦するかどうかは、まだ決まっていない。

インテリアに大きな驚きはない

事前発表の時点では、ショーカーにはまだ内装がなかったため、シートテストでの補填を述べよう。少なくとも「ミストラル」のコックピットに大きなサプライズはない。

エクステリアとは異なり、インテリアは「シロン」との関連性をより明確に打ち出している。最大の変更点は、新設計のシートとカーボンの多用だ。

シロンとの類似性が最も顕著に表れるのはインテリアだ。だがミストラルのシートは新しいものだ。

もちろん、ブガッティは99人の富裕層のニューオーナーに、より多くの選択肢を提供し、イマジネーションを膨らませることができる。手編みのレザーや、一部に琥珀を使用したギアセレクターレバーを新たに提供している。

要望に応じて、ブガッティ象のような小さな彫刻や、結婚指輪のような個人の所有物を琥珀に埋め込み、「ミストラル」をさらにパーソナライズすることも可能となっている。

ミストラルの価格は正味500万ユーロ(約7億円)

むろん、この超限定生産の特別シリーズモデルには、それなりの代償が必要となる。「ブガッティ ミストラル」の価格は正味500万ユーロ(約7億円)。ドイツの付加価値税を含めると、グロスで595万ユーロ(8億3千万円超)となり、「ブガッティ ディーヴォ」と同じくらい高価になる。

「ミストラル」は、その高額な金額にもかかわらず、発表前にすでに完売している。購入車両は、2024年に納品される予定だ。この後、40台の「ブガッティボライデ」が登場し、W16の時代は惜しいことについに終わりを告げる。

結論:
発売から約20年、フェルディナント ピエヒが始めた時代は終わりを告げようとしている。W16は、地球上で最もエモーショナルなエンジンではないかもしれないが、最も印象的なエンジンのひとつであることは間違いないだろう。「ミストラル」という素晴らしいロードスターで引退を迎えるというのは、まさにふさわしいことだと思う。

Text: Jan Götze
Photo: Bugatti Automotive