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【内燃機改良】VW、1.5 TSIガソリンエンジンを改良&プラグインハイブリッドで排出ガス規制「ユーロ7」に適合させる 最新情報!

2022年8月30日

VWは1.5L TSI ガソリンエンジンを排出ガス規制「ユーロ7」に適合させるために改良した1.5L TSI evo2で、T-ROCをはじめ他の車種にも展開したいと考えている。この4気筒エンジンは、排出ガス規制「ユーロ7」に適合する予定だ。

電動モビリティの開発が急ピッチで進んでいるが、VWは内燃機関も延命させるため4気筒の1.5 TSIエンジンをさらに改良し、いくつかのパワーステージで「1.5 TSI evo2」として、2025年に施行される予定の排出ガス規制「ユーロ7」に適合するようにしている。このエンジンは最初に、「VW T-Roc」に搭載される予定だ。

新型「1.5 TSI」について、VWは「大幅な燃費向上と非常にダイナミックなレスポンス」を約束している。「EA211」と名付けられた「evo2」は、「ユーロ7」の排出ガス規制に対応するため、三元触媒コンバーターとガソリン粒子フィルターをエンジンに近づけ、排気ガスの浄化性能を向上させている。同時に、このシフトによって貴金属の使用量も減少している。

VW 1.5 TSI evo2: 気筒休止の改良版

さらなる燃費低減のため、VWは先代エンジンですでに採用されていた気筒休止システム「ACT」をさらに進化させ、その略称に「プラス」を追加したのだ。VWによると、「evo2」の主眼は、2気筒の休止と起動を改善することで、エンジンをよりスムーズに走らせることにあったという。

1.5 TSI evo2は、まずVW T-Rocに採用される予定だ。

そのためには、現役モデルのシリンダーの効率をさらに上げ、中間のシリンダーである2、3のロスを減らす必要があった。VWによれば、パワーが必要なときに再び4気筒に戻る際にも、「evo2」ではほとんど気にならないはずだという。

最大350バールの高圧噴射が可能

また、改良型4気筒エンジンでは、可変タービン形状のVTG排気ガスターボを採用したこともプラスに働いた。また、最大350気圧(バール)の高圧噴射が可能なエンジンも搭載している。

プラズマコーティングされたシリンダーライナーはフリクションを低減し、鋳造冷却チャンネル付きのピストンは燃料の燃焼を最適化するよう設計されている。再生可能燃料であるバイオ燃料(eFuels)もここで使用できる、とフォルクスワーゲンは強調する。

VWはプラグインハイブリッドを復活させるのか?

VWは「evo2」を視野に入れ、プラグインハイブリッドのコンセプトを再び話題にしているのも興味深い。

このことは、現行のプラグインモデルの受注凍結が解除される可能性があるだけでなく、電動航続距離を伸ばした新しいプラグインハイブリッドモデルが続く可能性を示唆している。今までのVWの電動航続距離は、50km以下で、ライバルに対して劣っていたが大幅に伸びることだろう。

【ABJのコメント】
フォルクスワーゲンをはじめ、ドイツのメーカーはもうBEVにまっしぐらだから、きっと内燃機関の開発などはおろそかになっているのだろう・・・、と考えるのは早計で、ちゃんとTSIガソリンエンジンモデルは改良を続けているし、プラグインハイブリッドモデルの可能性も認めている、そんな証拠のニュースが今回の1.5リッターエンジン改良ニュースである。

あまり大々的に報道はされていないけれど、ここ数か月でドイツ(とヨーロッパ)におけるBEV化の法案や波は若干修正がかかっているように感じられ、バイオ燃料の可能性やハイブリッドシステムの延命、さらにはもっと見えない領域で内燃機関の可能性を(ひた隠しにしながらも)追い求めているように感じられるのは、私が内燃機関の寿命が伸びてほしい、とつい考えてしまう古い人間だからだろうか。

もちろんBEVに自動車が向かうことは間違いない潮流ではあると思うが、そこまでの期日(日時)とか行程には若干の修正が入りつつあるような雰囲気も感じられる。ひょっとすると、それさえもヨーロッパ人の想定内のことだったのかもしれないが、まだまだ内燃機関は消えませんよ、というかのような今回のフォルクスワーゲンのニュース、個人的には「そうだろうよ」と、ちょっとだけ安心して受け止めた次第である。(KO)

Text: Holger Preiss
加筆: 大林晃平
Photo: Volkswagen AG