【初テスト】猛獣?野獣? 1000馬力 新型GMCハマーEVエディション1に初試乗!

129

我々はハマーEVエディション1に試乗した。1000馬力のハマーEVはなんともスリリングであり、なんという獣だろう。スーパースポーツカーのように疾走する。

新しい「GMCハマー」では、通常の基準でテストする必要さえないのだ。可変プラットフォーム「ウルティウム」をベースに開発された新型オフロードレジェンドが、あらゆる面で電動化され、強大な存在感を放つ。これとハマーのモデルファミリーの拡大により、本国ではやや地味なGMブランドであるGMCに新しい息吹を吹き込むことを目的としている。

最初のモデルはハマーのピックアップ版で、「フォードF-150」や「シボレー シルバラード」、「ダッジ ラム」のファンにだけでなく、新たなヒット商品になるかもしれない。全長5.50mの車両重量は4.3トンにも及ぶが、1000馬力と1620Nmのトルクにより、駆動システムは容易に対応することができるようになっている。「ハマーEV」は、3.5秒で0から100km/hに到達し、最高速度は160km/h。3基の電動モーターが生み出す推進力はまさに圧巻だ。

4.3トンもの重量がありながら、ハマーEVは静止状態から時速100kmまで3.5秒で到達するのだから、誰も信じられないだろう。

もちろん「ハマー」はオフロードでもその資質を発揮する。電動メガピックアップは、深い轍や砂、瓦礫などを平然と乗り越えていくのが非常に印象的だ。そのサイズと重さにもかかわらず、コロッサスは驚くほど機敏だ。インテリジェントな全輪操舵により、回転半径は13.5mから11.3mに大きく短縮されている。さらに、フロントアクスルを電子制御でロックすることができ、トップモデルのリアアクスルに搭載された2基の電動モーターを個別に制御して、路面に合わせた最適なトラクションを得ることも可能となっている。

水深81cmの深い水たまりも、ハマーEVなら問題なく通れる。

地形は依然としてハマーのテリトリー

さまざまな走行モードは、スクリーンまたはワイドセンタートンネルのスイッチで操作できる。ステアリングホイール左のシフトパドルでワンペダルモードに切り替えると、ブレーキペダルを使わずに坂道や下り坂を特にスムーズに走行することができるようになっている。40cmの地上高と81cmまでの水深を走行可能な性能が、どんなに困難な地形でも恐怖を感じさせない。

「ハマーEV」の動力源は、車体下部に搭載された910kgのバッテリーパックで、その容量はなんと208kWhと新基準だ。メーカーによると、これによって、電動メガピックアップは520km以上の航続距離を実現している。また、万が一、充電が切れても、最大350kWの充電が可能だ。そして、160km分の電力をわずか10分で充電できるようにもなっている。

大きなディスプレイを持つハマーEVはモダンだが、プラスチックの品質などは高価格に見合わない。

インテリアに改善の余地あり

一方、インテリアは不満な点が多く、高価格帯のクルマであることを考えると、かなり平凡な印象だ。少なくとも、フロントとリアのスペースは十分にあり、シートは広いのだが、もっと横方向のサポートがあってもいいのではないだろうか。ダッシュボードのプラスチック素材は好みの問題かもしれないが、価格に見合った見栄えではない。

すでに完売となっているエディション1は約11万ドル(約1,520万円)だった。今のところ、ハマーEVは106,000ドル(約1,460万円)からとなっている。

ハマーEV: レジでの驚き

約11万米ドル(約1,520万円)の「ハマーEV」の「エディション1」は即完売してしまったので、今は次の生産分を待つしかない。「エディション1」ではない普通の「ハマーEV3X」は、約10万6千米ドル(約1,460万円)で、これはトップモデルの一つ下のモデルである。また、前後軸に1基ずつ電動モーターを搭載した2種類の基本仕様は、おそらく早ければ2023年末に発売され、価格は下がって、86,000米ドル(約1,186万円)からとなる予定だ。残念ながら、「ハマーEV」の欧州での発売はまだまだ先の話となる。

【ABJのコメント】
以前にも書いたが、「ハマー」がEVになるというのは個人的によいのではないか、と思う。普通のガソリンエンジンモデルやディーゼルよりも、EVになってしまったほうが燃料消費の面だけではなく、どう猛な音を響かせて走らなくてよいのだから、周囲にも威圧感を与えにくいのではないか、と思ったからであった。

しかし今回明らかになった「ハマー」のスペックを見て、ちょっとウーム、と複雑な気持ちになってしまった。なにせ車重が4.3トンもある・・・。大容量のバッテリーと大きなモーターとヘビーデユーティーなシャシーを組み合わせればそりゃ重くなるかもしれないが、いくらなんでも重すぎないだろうか・・・。いくら1000馬力のモーターを組み合わせ、ゼロヒャクを3.5秒で走り切ると言ったって、4.3トンもの物体がそれだけの加速をするなど恐怖以外のものでもない。またそれだけ重ければタイヤはメキメキ減るだろうし、ブッシュもダンパーも痛みは激しいだろう。

せめて4.3トンの半分くらい(とはいっても2トンを超える)でなければ、街中を走って欲しくない重さだし、いざどこかの悪路で立ち往生したら誰が助けてくれるというのだろう? EVだからといって、どんな重さでも許されるわけではないし、言うまでもなくエコロジカルではない。マツダ ロードスター 990Sの4台分であり、メルセデス・ベンツSクラス2台分のウエイトを見ながら、複雑な気持ちになった。(KO)

Text: Stefan Grundhoff
加筆: 大林晃平
Photo: GMC